メディアが報道しない「トルコ地震」の実情 現地在住のバレリーナが語る
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年2月8日 17時30分
7日、トルコ南部カフラマンマラシュ県で、地震によって倒壊した建物から生存者を救助する人々(トルコ・フラマンマラシュ県)
トルコ在住でトルコ国立バレエ団所属バレリーナの落合リザ氏が2月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。現地で被災したトルコ地震の現状について報告した。
トルコで大地震、死者合計7000人以上
2月6日にトルコ南部で発生した一連の地震による死者は、トルコで5000人以上、シリアで1000人以上。最新の報道では両国合わせて7300人以上にのぼるという記事も出ている。被災地では氷点下まで冷え込む地域もあるなか、瓦礫の下に取り残された人々の救助活動が夜通し続いている他、避難者の支援も行われている。
朝4時に地震発生 ~犬を抱え、裸足で外へ逃げる
飯田)まずは地震が起きた際の様子をお聞きしたいのですが、どんな様子だったのでしょうか?
落合)1回目に起きた地震は朝4時17分ごろでした。横揺れで起きてしまって、「収まるかな」と思っていたら、さらに揺れが大きくなってきたため、普通の地震ではないと思ってバルコニーを開けました。
飯田)揺れが大きくなって。
落合)雨が降っていたのですが、みんな外へ逃げていて、「これはまずい」と思ったときにドレッサーなどが崩れてきました。犬を抱えて、靴も履き忘れてそのまま外へ逃げました。
飯田)裸足で外へ逃げるような。
落合)靴を履いている暇がないくらい揺れたのです。4階建ての3階に住んでいるのですが、エレベーターが使えないので、階段を降りました。その間もすごい揺れでした。
飯田)朝4時だと外は当然、暗いですよね。
落合)真っ暗ですし、雨だったので怖かったです。
飯田)2回目の地震も同じように長い揺れだったのですか?
落合)2回目の方が短かったと思いますが、1回目と同じくらい揺れた感覚がありました。そのときはすぐ外に出ました。
助けがまだ来ない「ハタイ」 ~電気切れ、電話も不通
飯田)国際的な支援は目に見えて増えていますか?
落合)増えています。日本からも来てくれているようですが、雨や雪が降っていますので、そこがネックになっているのではないでしょうか。
飯田)雪が。
落合)被災地の1つであるハタイという場所が、あまり注目されていません。
飯田)ハタイ。
落合)空港がない場所で、かなり崩れています。ガズィアンテプの方はまだ電気が通っているそうなのですが、ハタイは電気も切れている状態で、電話もつながっていません。
飯田)電話も。
落合)「助けも来ていない」とトルコ人の方が話していて、どうにかシェアできないかと思いました。シリア側で空港がない場所なのです。ヘリコプターは向かっていたみたいですが、とにかく人が足りないようです。
通信環境も崩れ、被災した映像も多く出せない
飯田)ツイッターなどでは、アンタキヤの町で建物が倒壊している映像を拝見しましたが。
落合)映像もまだ少なく、コネクションもないので、「どうしようもない」という感じです。
飯田)通信環境が整っていないから出せる映像も少ないし、それゆえ支援の人たちもさほど入っていないと。
落合)みんな震源地の方に行ってしまっている感じです。道も崩壊しているから、「なかなかその場所まで行けない」と言っていました。
寒いので特に住むところが必要
飯田)これから先、飲みものや食べもの、住むところの支援が必要になりますか?
落合)とにかく寒いので、特に住むところは必要だと思います。いままで2月がこんなに寒いことはありませんでした。私の住んでいるメルシンは比較的暖かい地域なのですが、いまも暖房をつけているくらい寒い状況です。
飯田)昼間でも外気温が10度を割るくらいですか?
落合)きょう(8日)は昼間でも8度~9度でした。10度を割ってしまっています。
飯田)外で一夜を明かすのは、生命の危機すら覚えるような状況ですね?
落合)そう思います。特に小さい子どもやお年寄りの方は、すごく心配です。
飯田)瓦礫の下で救助を待っていらっしゃる方を助けることも必要ですが、大きな避難用テントなど、ある意味の避難キャンプ的なものをこの先つくっていかなければいけませんね。
落合)私はオペラハウスで働いているのですが、開放して被災された方が入れるようにしています。大学もテニスコートを開放し、テントを張っています。私の住んでいる地域の周辺には、避難できるエリアも一応あります。しかし、ハタイなどはそれどころではないと思います。
お金より「ものの支援」がいまは必要 ~ロシアがいち早く救援に
飯田)人やものを含め、この先の支援は相当必要になってきますね。
落合)かなり必要だと思います。「お金の支援はかなり出ている」とツイッターでも見るのですが、いまはお金があっても使えない状態です。復興のときにはお金が必要だと思いますが、いまは、ものの方が必要です。
飯田)各国、支援の手を挙げていますが、やはりヨーロッパの国々から入ってくるものが多いですか?
落合)ロシアの対応が早く、アゼルバイジャンやジョージアなど、いろいろなところからも来ていると思います。
飯田)こういうとき、ロシアも早くに入ってくるのですね。
落合)ウクライナの名前も出てきていて、「クライナも大変なのではないか」と二度見してしまいましたが、ウクライナからも入っているようです。
飯田)ウクライナからも。
落合)あとはカザフスタンからも入っていると聞きました。たくさんの国が助けに来ていると思います。おそらく近いからですよね。日本は遠いですし、台湾からも来ていると思うのですが、遠くて時間が掛かってしまいます。
余震が続き、避難先のホテルでもロビーで一夜を過ごす
飯田)落合さんご自身は、いまは避難生活という形ですか?
落合)耐震構造がわからないですし、隣のビルも古いので「家にいない方がいい」と言われて、少し離れたホテルに同僚と一緒に避難しています。昨日は余震がひどいので「部屋にいないでくれ」と言われ、ロビーにみんなで集まって寝ずに一夜を明かしました。
飯田)ロビーで。
落合)帰りたいのですが、ドレッサーも落ちてしまい、ガラスも散乱していますので、掃除しないと帰れません。家では水が出ないと言われているので、水が出るまで待って、やっと先ほど帰ってきたところです。
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