ガーシー議員、国会出席後 「国外に出ようとすれば逮捕、日本にいても逮捕」の可能性
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年3月3日 17時35分
![ガーシー議員、国会出席後 「国外に出ようとすれば逮捕、日本にいても逮捕」の可能性](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_422097_0-small.jpg)
中央大学法科大学院教授で弁護士の野村修也が3月3日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。日本の防衛に対する考え方、また国会議員の懲罰問題について解説した。
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NHK党の参院選の開票記者会見で、オンラインで登場した東谷義和氏=2022年7月10日夜、東京都港区 写真提供:時事通信社
「防衛装備移転三原則」や運用指針の見直しについて検討
新行)今国会で岸田総理は、防衛装備品の輸出ルールを定めた「防衛装備移転三原則」や運用指針の見直しに向けた議論を加速させる意向を示しました。どうご覧になりますか?
野村)日本はこれまで、自分たちが積極的に防衛を行うことに対し、否定的な体制を整えてきました。平和憲法のもとで、私たちは自衛権を持っていても、その自衛権は「限りなく抑制的にしなければならない」と言ってきたのです。
アメリカ任せにせず、反撃能力についてきちんと「体制を整える」議論に
野村)そのなかで1つの論点となっているのは、防衛装備品ではなく、いまは「反撃能力」と言っていますが、「敵基地攻撃能力」と言われていたものに対して、日本は「一切持たない」と言ってきたのです。自衛権はどこの国にも認められているので、憲法上は持つことができるのですよ。攻めて来られたら「守らずに終わり」ということはないので、自衛権は認められているのです。
新行)どこの国でも。
野村)ただ、自衛権は反撃も含んでいるのですが、日本は「その能力を持たない」と言ってきたわけです。アメリカ任せにしてきたような部分があるので、「きちんと体制を整えましょう」という議論になっているわけです。
日本が装備を整えるのであれば、ウクライナに武器を提供することも考えなければならない
野村)その一環で、今度は逆に、日本が攻撃するための武器などを持つようになった場合、それを今回のウクライナのように、自衛している国に使ってもらう必要があるかも知れない。そのときは「提供する」という考え方を持たなければいけない、という議論もあります。
新行)攻撃する武器を持つようになった場合は。
野村)いま、世界中がウクライナに対する武器供与の話をしているけれど、日本はまったく参加できない状況です。それが望ましいと言う人もいますが、国際社会のなかでは「変わった国だ」と言われていることは確かです。
新行)変わった国だと。
野村)民生品を送る方向になっていますけれど、日本が装備を整えるのならば、今度は必要なものをウクライナなどに出していくことも考えなければいけない。抜本的に日本の防衛の在り方を変える1つの論点になっているのです。
正当な理由なく国会欠席を続ける議員について、歳費の4割を差し止める歳費法改正案を参院に提出 ~立憲民主党と日本維新の会
新行)立憲民主党と日本維新の会が、正当な理由なく国会欠席を続ける議員について、歳費の4割を差し止める歳費法改正案を参院に提出したという報道も出ています。
野村)具体的な事例については、いわゆる「ガーシー」と呼ばれている東谷さんのケースです。働いていないのにお金をもらっているのは、国民感情から見ても「おかしいのではないか」と言われています。正当な理由がないのに国会に出ていないのであれば、当然カットすべきであり、「何割というよりも全部いらないのではないか」という議論もあると思います。
新行)そうですね。
野村)懲罰の結論としては謝罪を求められていて、ガーシーさんは「謝罪しに来る」と言っていますが、このあと逮捕されるのかどうかという問題があります。
新行)国会に出たあとで。
野村)国会議員は会期中だと不逮捕特権があるので、その間は逮捕されないと思います。しかし、通常、国会議員として活動し続けているのであれば会期中は逮捕されませんが、会期は終わりますから。
国外に出ようとすれば逮捕、日本にいても逮捕の可能性
野村)終わったら、そのあと逮捕される可能性は当然あるわけです。それが嫌で、もし一旦謝って「ちょっと用事があるから、また戻ります」と国外に出て行こうとしたとき、どうするのかが論点だと思います。
新行)留め置くのでしょうか?
野村)出国しようとする動きを「逃亡しようとしている」と考えると、会期中ではありますけれども、逮捕状を請求する。それを両院の議員が認めてくれれば、過去にもそういう例がありますから、逮捕できることになります。ですので、「国外に出ようとすれば逮捕、日本にいても逮捕」という可能性があるのではないでしょうか。
新行)どちらにしても逮捕される可能性がある。
野村)そういう意味では、覚悟して戻ってくるのか、あるいは逮捕されるのを察知して、やはり「行きません」という話になるのか。
新行)そうですね。
野村)今回、国会に出ないという話になると、海外にいる旅券自体を失効させる可能性も出てきます。旅券を失効させられると強制送還の形になるので、そこで逮捕される可能性も出てきます。いろいろなシナリオのなかで今後、ガーシー議員への対応が求められると思います。
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