全町避難でバラバラになっていた富岡町の人たちが、「富岡でワインをつくる」という1つの目標に向かって団結 東日本大震災から12年「福島県富岡町のワイン造り」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年3月7日 11時45分
![全町避難でバラバラになっていた富岡町の人たちが、「富岡でワインをつくる」という1つの目標に向かって団結 東日本大震災から12年「福島県富岡町のワイン造り」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_422796_0-small.jpg)
東日本大震災から12年。福島県富岡町のワイン造りについて新行市佳アナウンサーが取材、3月7日のニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」でレポートした。
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※画像はイメージです
2016年3月、町の人たち10人を中心に結成された「とみおかワイン葡萄栽培クラブ」
新行市佳アナウンサー)東日本大震災後の2016年3月に、「とみおかワインドメーヌ」代表理事の遠藤秀文さんの呼びかけで、ワイン造りを目指す町の人たち10人を中心に「とみおかワイン葡萄栽培クラブ」が結成されました。
飯田)「とみおかワイン葡萄栽培クラブ」が。
新行)その1ヵ月後の4月、富岡町の2ヵ所に、それぞれ約200本の苗木の植え付け試験栽培を開始しました。2018年には事業化を本格的に進めるため、遠藤さんは一般社団法人「とみおかワインドメーヌ」を設立。2019年には約60本のワインを山梨県内のワイナリーにおいて醸造。ボトル詰めを行い、初の富岡産のワインの試験品が完成します。そして2022年には、500本近いワインが完成しました。
富岡町にはお酒の文化が不足していた ~「ワイナリー」は地域の景色にもなる
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新行)なぜ福島県富岡町でワイン造りを始めたのでしょうか?
遠藤)富岡町は自然豊かで気候もよく、東北なのですがほとんど雪が降りません。しかし、「何かが足りないな」とずっと前から思っていました。
新行)何かが足りないと。
遠藤)そしてある日、「お酒の文化が不足しているな」と思ったのです。海外に行くと、ワイン用の畑やワイナリーは地域の文化になっていて、景色にもなっています。富岡町にワインがあったら「町の魅力がさらに大きくなるのでは」と、ずっと考えていました。
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震災後のゼロからの町づくりで「ワインのための葡萄栽培ができるのではないか」
新行)遠藤さんは富岡町のご出身で、大学進学で上京して就職し、その会社では二十数ヵ国で政府開発援助(ODA)に関わっていました。そこでいろいろな国に行き、ワインが地域の文化になっていると感じたそうです。
飯田)ワインが地域の文化になっている。
新行)そのため、頭の片隅に「ワイン」という考えがあって、2007年、35歳のときに富岡町に帰って来た際も、ワイン造りの思いはあったそうです。しかし、当時の富岡町には原発に関わる産業が多く、農家も兼業農家として働きながら原発関係の仕事をする方が多く、葡萄畑に適した場所はなかったそうです。
飯田)当時は兼業で農家の方も原発関係の仕事に従事されていた。
新行)故郷に帰った3年後に東日本大震災で被災し、半年前に建てた遠藤さんのご自宅も全壊しました。このときに、震災前から遠藤さんの頭のなかにあったワイン造りの考えがまた「フッ」と浮かんできたのです。震災後のゼロからの町づくりで、「ワインのための葡萄栽培ができるのではないか」と。
全町避難でバラバラになっていた富岡町の人たちが、「富岡でワインをつくる」という1つの目標に向かって団結
新行)遠藤さんのお父様は2013年までの16年間、富岡町の町長を務められていました。2014年に亡くなられたのですが、発災のときに富岡町の人たちのために尽力した「町長さんの息子さんのためなら」と、富岡町の人たちもワイン造りの計画に協力してくれたそうです。
飯田)お父様が発災したときの町長さんだったのですね。
新行)遠藤さんが帰って来てからの3年半の間、富岡町の人たちとたくさんコミュニケーションを取って絆を深めたことも、ワイン造りにつながった部分があるそうです。「全町避難でバラバラになっていた富岡町の人たちが、富岡でワインをつくるという1つの目標に向かって一緒に歩んできた」ということも遠藤さんはおっしゃっていました。
飯田)確かに全町避難があって、農業を営んでいた方々も畑や田圃を手入れすることができず、そのままになっていた。農業を諦めかけていたときに、「遠藤さんがやるのなら、ぜひうちのものを」ということもあったのでしょうね。
新行)そうなのです。そのように協力していただき、輪が広がっていったということです。
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