トランプ氏が共和党の指名を受けることは間違いない 米大統領選
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年8月27日 11時55分
外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が8月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。大統領選に向けた共和党のテレビ討論会について解説した。
トランプ氏欠席のなか、共和党が大統領選向けのテレビ討論会を開催
2024年11月のアメリカ大統領選挙に向け、野党・共和党は8月23日、候補者が参加する初めてのテレビ討論会を中西部ウィスコンシン州ミルウォーキーで行った。討論会では欠席した支持率トップのトランプ前大統領をめぐって論戦が繰り広げられたが、共和党内の支持動向にどのような影響を与えるのか注目される。
飯田)トランプさん不在で行われました。
トランプ氏不在でもテレビ討論会の主役はトランプ氏だった ~トランプ氏にとって、欠席がベスト
宮家)政治戦術的に言うと、トランプさんにとってはこれがベストです。他の候補者は8人いるのですが、トランプさんはトリプルスコア近くでリードしています。
飯田)そのなかで。
宮家)討論会に行けばトランプさんに批判が集中するわけだから、避けるのです。だからトランプはタッカー・カールソン氏のインタビューを受け、その動画をSNSで公開した。
飯田)カールソンさんはもともとFOXに……。
宮家)FOXにいたけれど、事実上追放されたのですよね。しかも、今回の共和党のテレビ討論会はFOXニュース主催ですから、もともとトランプさんに出る気はなかったのだと思います。しかし、その場にはいないけれど、聞いている限り、主役はトランプさんでした。
飯田)討論会の。
宮家)8人中、6人が「トランプ氏が起訴されて有罪になっても支持する」と言っているのです。もはや(トランプさんが)完全に共和党を乗っ取った感じですね。
政治戦術的にトランプ氏にとってはよかったが、アメリカ全体のことを考えればよくない兆候
宮家)ただ、政治戦術的にトランプさんにとってはいいのだけれど、アメリカ国内の政治全体の流れを見たとき、「本当にいい方向に動いているのか」と言われれば、いいわけがありません。
飯田)いい方向に動いてはいない。
宮家)共和党保守の健全な人がほとんどいなくなり、「トランプ氏を何とかしなくてはいけない」と思っている人が、誰も声を上げられないような状態が続く。それはアメリカ内政の劣化を意味しているとしか言いようがありません。残念ですが、アメリカ全体のことを考えると、非常に嫌な兆候だと思います。
トランプ氏が共和党の指名を受けることは間違いない
飯田)共和党の支持者のなかだと、トランプさんは5割以上の支持があるということです。
宮家)先日、ワシントンへ行って感じたのですが、フロリダ州知事のデサンティスさんは失速しましたね。
飯田)失速しましたか。
宮家)いま出てきているのは、最も人気があるインド系のラマスワミさん。この方は実業家であり政治経験がないので、討論会では、みんなから「あなたは未経験ではないか」と言われているのだけれど、全然めげません。むしろ高評価なのです。
飯田)ラマスワミさん。
宮家)しかし、このままだとトランプさんが共和党の指名を受けるのは間違いありません。本選挙で勝つかどうかはわかりませんが、指名は間違いない。そういうときに刑事裁判が進むのだけれど、実はトランプさんにとっては追い風になるわけですよ。
飯田)「なぜ、このタイミングで裁判をするのか」と。
宮家)「これはおかしい、政治裁判ではないか」ということで、トランプさんの固定票がより強固になっていくだけですから。そうすると、アメリカという国は元に戻らなくなってしまう。「これでいいのか」と心配です。
トランプ氏に対抗できるのは民主党ではバイデン氏しかいない
飯田)民主党の方は、現職のバイデンさんが2期目を目指します。
宮家)出るしかないでしょう。トランプさんが出てくれば、民主党の若手でトランプさんに勝てる人はいません。トランプさんはあだ名をつけたり、人を貶すことにおいては百戦錬磨ですから、すごい人ですよね。あれだけでヒラリー・クリントンさんは負けてしまった。
飯田)そうですね。
宮家)あれに耐えられるのは、バイデンさんくらいしかいないと思います。いずれにせよ相当な泥試合になるでしょう。
飯田)前回の選挙のときも、票の数え方や有権者登録など、いろいろなことが言われました。結局、4年後も同じことを繰り返すのでしょうか?
宮家)仮にトランプさんが大差で負けても、2020年の時と同じように選挙結果に対する反発や混乱が起きると思います。1回やってしまったので、タガが外れてしまいましたからね。
飯田)トランプさんが負けても。
宮家)2021年の1月6日の議会襲撃事件はまだ尾を引いていますけれど、決してアメリカの政治にとってよいことではありません。トランプさんが心を入れ替え、政治家らしい政治を行ってくれれば話は別ですが。
トランプ氏が再選したときにアメリカの外交政策がどうなるか ~日本の問題は安倍元総理がいないこと
宮家)もし再選すれば、おそらく反トランプ派に対するリベンジの嵐になると思います。それがアメリカの内政をさらに劣化させるでしょう。
飯田)内政から外交にまで影響は出てきますか?
宮家)ヨーロッパ諸国は、トランプさんが再選した場合にアメリカの外交政策がどうなるかを考え始め、対策を打っていると思います。同じようなことを日本も考える必要があるかも知れません。
飯田)できるだけ変わらないようにしておく。
宮家)日本の問題は、安倍晋三さんがいないことです。日本に「トランプ使い」がいなくなってしまった影響は大きいかも知れませんね。
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