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岸田政権がトリガー条項を発動しない「もう1つの理由」 ガソリン価格6週連続値下がり

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年10月19日 17時40分

岸田政権がトリガー条項を発動しない「もう1つの理由」 ガソリン価格6週連続値下がり

数量政策学者の高橋洋一と政策アナリストの石川和男が10月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。6週連続で値下がりしたガソリン価格について解説した。

※画像はイメージです

ガソリン価格が6週連続で値下がり

飯田)政府の補助金拡充により、ガソリン価格が6週連続で値下がりしました。経産省が発表した全国平均小売価格はリッターあたり174円70銭で、前週調査から2円20銭安くなっています。補助金が戻ってきたからですか?

石川)そうですね。元の原油価格は顕著に下がっているわけではありません。ただ、175円を切っている。それが政府目標だと言っていますが、ガソリンの適正価格は誰にもわかりません。一昔前の水準からすると170円台は高いと思うので、日本の経済状況を見れば、市況が下がるまでは補助金を出し続ける必要があるかも知れません。

飯田)市況が下がるまで。

石川)一方で、ガソリンの節約も含めて行うのであれば、価格抑制効果で「多少高くてもいいではないか」と言う人もいます。一理あるのですが、国民生活を考えると、政治的にはもう少し下げた方がいいと思います。

ガソリン価格を下げるのになぜ補助金が使われるのか

飯田)高橋さんはいかがですか?

高橋)安ければ安いほどいいと思いますが、なぜ補助金なのでしょうか。ガソリン税は、特定財源に紐付いていたときもありましたが、私が安倍政権のときに担当した際、一般財源化したのです。そのときは所管外になっていたのですが、いまは財務省だから大変でしょうね。

飯田)第1次安倍政権ですね。

高橋)根回しせず、いきなり経済財政諮問会議に書類を提出したので、みんな目を白黒させていました。でも所管が変わってしまい、それ以降は全然動かないですね。本則ではないものもたくさん付いていて、それをなくすという話もありましたが、それも消えてしまいました。

飯田)昔、いわゆる暫定税率と言われていた上乗せ分。

高橋)確か25円ぐらいだったと思います。あれはさすがに直すという話もあったけれど、いつの間にか消えていましたね。

岸田政権がトリガー条項を発動しないもう1つの理由

飯田)リッター160円を超えたら一旦停止するというトリガー条項は結局、復興財源を確保するため凍結し、そのままになっています。

石川)東日本大震災があったのと、税率は「補助金・ばら撒きがいいのか、減税がいいのか」ということです。以前から言われていますが、政府や政治の意思決定などを考えると、予算において、ばら撒きは政府の役割。対して税は党、つまり「政治なのだ」ということです。

飯田)なるほど。

石川)減税については、財務省やそれを使う国交省などが反対しているのだろうけれど、最終的には政治の方が決めます。いまは自民党政権でしょう? トリガー条項は民主党政権の時代につくったものなので、そういうことも関係しているかも知れない。

「一旦税率を下げたら二度と上げられない」ことはない

石川)いろいろな要因があります。もう1つ、「一旦税率を下げたら上げられない」と財務省の人がよく言うのだけれど、こちら側としては「それは政治の問題でしょう?」と思います。どうも税を取る仕事をしている財務省からすると、嫌なのでしょうね。

高橋)党税調と言っても財務省の人ばかりですから。私の前の上司ばかり。

飯田)元上司、元大蔵官僚。

高橋)そういう人ばかりだから、そんなものではないでしょうか。

飯田)でも、それではまったく動きませんよね。

高橋)財務省の官僚のままの人ばかりでは動かないでしょうね。昔は自民党の党税調にもスペシャリストがいて、財務省の人たちも敵わないような時代がありました。でも、いまはそういう人はいませんね。

飯田)昔は山中貞則さんのような人がいた。

高橋)本当にスペシャリストで、みんな少しタジタジという感じでしたけれど。

すべての原子力を再稼働すれば電気料金は補助金を入れなくても下げられる

石川)ガソリンの他に電気と都市ガスがあり、これも一応は補助金を延長しています。ただ、ガソリンについては、日本政府の力では下げられません。補助金を上げる以外にないのです。

飯田)ガソリンについては。

石川)都市ガスもほとんど国際価格に準拠しているので下げられません。しかし、電気は違います。電気も天然ガス・石炭価格が上がると火力発電の価格が上がって、我々の電気料金に響くのですけれど、日本だけは外国と違う特殊事情があります。

飯田)特殊事情。

石川)2011年の震災のあと、原子力を止めてしまったでしょう? あれが大きいのです。西日本では原子力を稼働しつつありますが、東日本はまったく稼働していないので、料金格差があります。電気という塊と、ガソリン・ガスという塊を比較するのは非常に難しいけれど、電気の方は、実は補助金を入れなくても、原子力をフル稼働させれば戻すことができるのです。

技術や安全性に問題はなく、政府が稼働させないだけ

石川)でも、政府がやらないでしょう? 技術や安全性の問題は完全に超えており、政治判断によるものです。

飯田)技術や安全性には問題がないのに。

石川)でも、福島で処理水を海洋放出しましたが、流すまではあれだけ「風評が危ない」と言っていたのに、流した瞬間に風評など消えてしまい、残ったのは中国の迷惑電話ぐらいだったではないですか。原子力に関しても「再稼働すれば電気代はお金を掛けずに下げられる」ということは言っておきたいと思います。

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