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人類の月面居住の可能性は? 宇宙飛行士が語る今後の宇宙生活

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年10月20日 11時20分

人類の月面居住の可能性は? 宇宙飛行士が語る今後の宇宙生活

【金井宇宙飛行士が会見】 記者会見後、フォトセッションに臨む宇宙飛行士の金井宣茂氏 =24日午後、東京都千代田区

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(10月13日放送)にJAXA宇宙飛行士の金井宣茂が出演。宇宙飛行士の仕事について語った。

【金井宇宙飛行士が会見】記者会見後、フォトセッションに臨む宇宙飛行士の金井宣茂氏=2017年8月24日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

【金井宇宙飛行士が会見】記者会見後、フォトセッションに臨む宇宙飛行士の金井宣茂氏=2017年8月24日午後、東京都千代田区 写真提供:産経新聞社

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。10月9日(月)~10月13日(金)のゲストはJAXA宇宙飛行士の金井宣茂。5日目は、これからの宇宙飛行について—

黒木)私たちも宇宙に行ける日、月に住める日が来るかも知れないですか?

金井)お月様は38万キロくらい遠いところにあるのですが、我々がミッションを行う国際宇宙ステーションは、地球低軌道と言って、地球の上空400キロをぐるぐると回っています。そこでは恒常的に人類が生活を続けています。

黒木)国際宇宙ステーションでは。

金井)テクノロジーがさらに発展して、月への往来がもっと手軽にできるようになれば、月面居住も一般的になっていくかも知れません。恒常的に月を探査して、そこに人類の拠点をつくろうという「アルテミス計画」が国際的に進んでいます。

黒木)人類の拠点ですか。

金井)最初は数名の宇宙飛行士が一時的に滞在するような拠点ですが、いずれ南極のように、各国の宇宙飛行士が交代で滞在するようになるでしょう。それがさらに進むと、月面都市のようなものに発展していくのではないかと期待しています。

黒木)そのような時代が来るのですね。宇宙に行かれた方が言うと、説得力がありますね。

金井)いずれは月面旅行もできるようになるかも知れませんね。

黒木)楽しみですね。宇宙で実験されたことが地球でどのように活かされるのか……。宇宙医学についても研究なさっているのですか?

金井)そうですね。「宇宙環境でも人間の体がなぜ適応するのか」ということを事細かに調べていくと、人間の体の不思議な機能、また、地上で起こっている病気の原因や治療法につながるような発見が出てくるのではないかと思っています。

黒木)人間の体の。

金井)宇宙という切り口で医学を研究すると、地上の役に立つような新しい発見があるのではないでしょうか。

金井宣茂

金井宣茂

黒木)現在、そのような研究をなさっているのですか?

金井)いろいろな仕事をしています。まず、宇宙飛行士として、次のミッションに行くための訓練もしています。現在は宇宙ステーションに滞在している日本人の先輩宇宙飛行士をサポートする、管制官業務などをしています。研究開発の業務も行っています。

黒木)たくさんやることがありますが、とても楽しそうですね。

金井)いろいろな仕事をさせていただけるのが宇宙飛行士の面白さですね。

黒木)日本の方は何人くらい宇宙に行かれたのですか?

金井)国として要請された宇宙飛行士では、11名が宇宙に飛んでいます。世界で見ると400~500人が宇宙飛行していますので、日本人はまだまだ少ないと思います。

黒木)「宇宙に行きたい」と思った方は何から始めればよいのですか?

金井)やはり健康第一ですね。宇宙飛行をしているときに病気になってしまうと困りますので、健康がいちばんです。あとは、どんな職業でもいいのですが、自分が宇宙飛行士として活躍するための武器となるような専門性を持った職業であることが大事です。

黒木)金井さんが医者であったように。

金井)そうですね。学者やエンジニアなどです。これからの時代は、いろいろな職業の方が宇宙で活躍されるようになると思います。ミュージシャンでも女優さんでも、宇宙の舞台で活躍される時代はすぐそこまで来ているのだと思います。

黒木)金井さんがおっしゃると、「そうなんだ」と思ってしまいますね。

金井)先日も女優さんとディレクターさんが宇宙ステーションに来て撮影していましたが、それは映画になっています。

金井宣茂

金井宣茂

金井宣茂(かない・のりしげ)/ JAXA宇宙飛行士

■1976年、東京都生まれ。
■防衛医科大学校医学科を卒業し、海上自衛隊に入隊。
■防衛医科大学校病院や自衛隊大湊病院、自衛隊呉病院、海上自衛隊第1術科学校衛生課外科医師・潜水医官として勤務(※潜水医学は、長期閉鎖環境下での潜水艦乗組員の健康や精神状態についての研究などを行うもの)。
■2005年、アメリカ海軍の潜水医学研究施設に留学した際、潜水医学専門医が宇宙飛行士になったことに驚き、宇宙飛行士を志すようになった。
■2009年9月、JAXAから宇宙飛行士候補者として選抜される。
■2011年7月に宇宙飛行士に認定され国際宇宙ステーション(ISS)搭乗。
■2017年12月からISS第54次/55次長期滞在クルーとして宇宙に168日間滞在 。
■現在は、ストレスのなかでどうやって元気に過ごすかなど、閉鎖環境下における宇宙飛行士の精神心理サポートを中心に宇宙医学を研究する他、月面探査車(ローバー)の開発にも尽力されている。

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