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自民党内からも「解散は総裁選後」の声 岸田総理「所信表明演説」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年10月24日 17時30分

自民党内からも「解散は総裁選後」の声 岸田総理「所信表明演説」

経済アナリストのジョセフ・クラフトが10月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。衆参両院の本会議で行われた岸田総理の所信表明演説について解説した。

2023年10月23日、衆議院本会議で所信表明演説を行う岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202310/23shu_san_honkaigi.html)

2023年10月23日、衆議院本会議で所信表明演説を行う岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202310/23shu_san_honkaigi.html)

岸田総理大臣が所信表明演説、「経済」を強調

臨時国会の召集を受けて岸田総理大臣は10月23日、衆参両院の本会議で所信表明演説を行い、経済対策を最優先課題に掲げた。岸田総理は物価高対策として、「税収の増加分の一部を国民に還元する」と述べた。またガソリンや電気・ガス料金、都市ガス料金などの補助を2024年春まで延長する考えも示した。

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岸田総理)変化の流れを絶対に逃さない。経済、経済、経済。私は何よりも経済に重点を置いてまいります。

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補正予算は真水で16~17兆円に

飯田)「経済、経済、経済」と強調しましたが、全体をお聞きになっていかがでしたか?

クラフト)それなりに評価できるのではないでしょうか。経済に重点を置いたのは評価するポイントだと思います。先日、補正予算について自民党の高官と話したのですが、大体17兆円前後になるのではないかと言っていました。

飯田)17兆円前後。

クラフト)ポイントは3つあって、1つは物価高対策に約6兆円。それから貧困対策、低所得者への支援に約2兆円。そして潜在成長率の政策に約7兆円。その他もろもろの1兆円を入れると、合わせて16~17兆円くらいになるということです。

飯田)民間の波及効果も含めた額ですか?

クラフト)支出ですね。

飯田)真水の部分で17兆円なのですね。

クラフト)相当大きいですよね。

飯田)世耕参院幹事長は、需給ギャップから考えて15~20兆円が必要だとおっしゃっていましたが、満額回答ではないですか。

官邸・自民党内の予想では、国会スケジュール的にも「解散」はない

クラフト)そのままですよね。範囲内に入っていますので、そのような感じになると思います。合わせて、もう1つのポイントが解散です。解散するとなると、補正予算を通すのであれば、国会スケジュール的には10月末に経済対策を発表する。補正予算を2週間のうちにつくって公表し、審議して、採決するのは11月末になります。そして12月5日に公示、12月17日に投開票。自民党内の高官と話す限り、できないことはないけれど、相当難しいということでした。

飯田)しかも17日となると、日ASEANの特別首脳会議と被ってしまいますよね。

クラフト)ただ、16日の1日だけは被りますが、17日はもう演説しません。

飯田)投票日なのでそうですよね。

クラフト)1日だけなのですが、総理が「どうしてもやる」と言うのであれば進められるかも知れない。ただ相当、無理があるので、官邸・自民党内の大方の予想は「もうないのではないか」ということでした。

飯田)ない。

クラフト)ある意味で「経済、経済」ということならば、解散よりも補正予算の執行に邁進するのではないでしょうか。

補選の結果からも、選挙は難しい

飯田)年が明ければ、2024年度の本予算の審議があります。解散のタイミングはかなり限られてきますか?

クラフト)2024年度の本予算が通過した3月末くらいしかないのではないでしょうか。もう解散せず、来年(2024年)の自民党総裁選にそのまま流れていく。先日の補選2つの中身や、所沢市長選などを見ると、弱かったですよね。

飯田)内容を見ると。

クラフト)1勝1敗なのですが、限りなく2敗に近い1勝1敗のような気がしますので、これでは選挙は望めないと思います。それなら政策に重点を置き、補正予算を通していただければと思います。

2024年の1年間限定で減税しても、2025年に増税ということでは消費につながらない

飯田)もう1つ取り沙汰されているのが、「減税」と総理もおっしゃいましたが、本当にできるのかどうかです。2024年度の本予算を解散なしで取り組むことになると、「防衛費の増額をどうするか」という財源問題と重なります。

クラフト)23日の萩生田政調会長の発言にもあるように、減税して防衛増税という流れはあり得ないので、減税は「1年限定」という話が出てきています。

飯田)宮沢洋一税調会長が、減税期間は「1年が常識的」と言っていますよね。

クラフト)萩生田さんが言ったのは、2024年は防衛費の増税はしない。減税して、翌年から増税するということです。ただ、それもメッセージとしてどうなのでしょうか。2025年に増税されるのであれば、いま減税されても意欲的に「消費に回そう」とはなりません。

わかりにくい「定額減税」

クラフト)「定額減税」はわかりにくいです。感触がつかみにくい。定率減税だと金持ち優遇になります。この辺りは選挙結果にもつながることになりますが、「減税」とは言っても、国民には浸透していないのではないでしょうか。

飯田)具体的に何をやってくれるのかがわからない。

クラフト)そうなのです。それはこれから考えていくのだと思いますが、国民に刺さるような減税策でなければ、お金の無駄遣いになります。

「焦って解散する必要はない」という考えか

飯田)それで経済が上がってくれれば、「経済を上げた総裁だぞ」と言って総裁選に進めるというようなシナリオを考えているのでしょうか?

クラフト)自民党総裁選は主要派閥の支持を受けているので、よほどのスキャンダル、あるいは支持率が低迷しない限り、おそらく総裁選再選は間違いありません。

飯田)何もなければ。

クラフト)焦って解散する必要はないという考えかも知れません。いずれにせよ「経済、経済」と言ったのですから、具体的にどんな経済対策になるのか、見極めて評価していきたいと思います。

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