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岸田総理「デフレ脱却に不退転の決意で臨む」はどこまで有権者に届くのか

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年11月7日 17時35分

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ジャーナリストの須田慎一郎が11月6日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。自民党広島県連の会合に寄せた岸田総理のビデオメッセージについて解説した。

2023年11月2日、冒頭に発言する岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202311/02kaiken.html)

2023年11月2日、冒頭に発言する岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202311/02kaiken.html)

自民党広島県連の会合で岸田総理がビデオメッセージ

岸田総理大臣は11月5日、自民党広島県連の会合に「私が先頭に立って企業に賃上げを要請し、デフレ脱却に不退転の決意で臨む」とのビデオメッセージを寄せた。会合には茂木幹事長も出席。2024年6月に実施予定の所得税減税について、「一気に経済の好循環の流れをつくりたい」と話した。

飯田)11月2日に総合経済対策を閣議決定しており、20日にも国会提出の方向で調整に入っています。

須田)経済対策の規模は17兆円台前半が見込まれています。真水ベースで大体13兆1000億円という数字が出てきており、それも重要です。ただ、これには予備費が入っているので、実際にはどのくらいのお金が出てくるのか。そして、いろいろな基金を積むので、現実問題として「どれくらいお金が使われるのか」が見えない。その辺りを見ていかないとわかりません。

「需給ギャップ」が4~6月期でプラス0.4% 「平時だ」と位置付ける財務省

須田)なぜ、このような話をするのかと言うと、岸田首相が「デフレ脱却に不退転の決意で臨む」と言うのはいいけれど、では現在、どの程度のデフレなのか。そもそもデフレなのかどうかというところが、政府・与党内の議論でも極めて曖昧なのです。内閣府が4~6月期に発表した数値の「需給ギャップ」を見ると、プラス0.4%です。これを盾に取って、財務省や財務省に近い国会議員の方々は「もう平時だ」と位置付けているのです。

飯田)デフレは脱却したのだと。

一方では総供給でサバを読んでいる数字で需給ギャップは15兆円あるという説も

須田)「それほど財政出動は必要ない」と言っている人たちもいます。一方で、「いや、あれはフル操業していない。総供給でサバを読んでいる数字なのだから、本来もっと供給量は上で、まだまだ需給ギャップはある。その数字は15兆円くらいだ」という説もあります。どちらの立場に立つかによっても変わるのだろうと思います。

飯田)しかし、大元の部分が変わってしまうと、対策も変わりますよね。

須田)対策の金額の中身を見ると、仮に需給ギャップが15兆円あるとしたら、まったくの不十分で、デフレ脱却はなかなか進んでいかないことになります。

基金から支出するには審査があり、使い勝手が悪い ~使われない場合も

飯田)経済対策ではガソリン補助金や電気・ガス料金の負担軽減措置の延長、宇宙関連で基金をつくるというような話も出ています。

須田)半導体の国内投資の支援に関しても基金で積むという方針ですが、基金で積んでも、現状で9兆円余りを使い残しているのです。いいところを見ると、基金は複数年度を跨ぐ場合は使いやすくなります。つまり国庫に返納しなくてもいいので、基金を積む意味があります。ところが逆の見方をすると、基金から支出するに当たっては審査やチェックなどが必要なので、使い勝手が悪く消費に向かないのです。

飯田)結局は積まれるだけ積まれて、きちんと需要にならない。意味がないですよね。

基金が使われたかどうかの検証が必要

須田)「使わないところを狙っているのではないか」という見方もあります。結果的に防衛費の予算が倍額になりますよね。5年間で43兆円です。そのための増税分が1兆円になるのですが、それ以外のところには使い残しや、やり繰りを行うことで、このような基金のお金が回っていくのです。一旦、積んだフリをして「他の用途に持っていく」というやり方をしています。景気対策としては、まったく意味がないのかなと思います。

飯田)17兆円や13兆円など景気のいい数字が並んでいますが、気付けば「あまり使っていない」というような状況も起こり得るのですか?

須田)ですので、その辺りの検証が必要なのです。

飯田)中身が出てくるのは先になるでしょうか?

須田)きちんと検証してみないとわかりません。臨時国会に補正予算案が出ていないではないですか。それを全部チェックする必要があると思います。

政調会でどのようにこの議論が進んでいくのかに注目 ~「積極財政派」と「財政再建派」の激突の最前線

飯田)補正予算案が出てくるのは20日辺りですが、もう2週間後ですよね。臨時国会の会期は12月13日までですが、検証して変えるとしても、そのような時間があるのだろうかと思います。

須田)時間がなくて、例えば「ガス抜き」とも言われていますが、自民党の政調会の平場の議論のなかで、どんな方向に進むのか。政府に持っていってしまったら、増額したり使いやすくするということはないので、政調会でどのように議論が進むのかは注目点です。

飯田)いわゆる与党側の事前審査で、どこまで変えられるのか。

須田)これが「積極財政派」と「財政再建派」の激突の最前線です。ただ、なかなかこの辺りが報道ベースで出てこないのが悩ましいところです。

飯田)よく「引き締めるべきだ」という税調会長などの声は出てくるのですが、「もっと景気をふかしていこう」という意見はなかなか取り上げられませんね。

財務省寄りの新聞報道

須田)しかも、新聞報道はどちらかと言うと財務省寄りなので、「赤字国債頼みの」や「財政再建は遠のいた」などの文言が踊ると、やはり「ばら撒きなのか」というイメージになってしまいます。

飯田)岸田さんとしては、これだけのものを打ち上げておいて、どうなのでしょうか?

須田)「デフレ脱却に不退転の決意で臨む」と言い、なおかつ減税を打ち出しているのですから、岸田さんとしてはやる気はあるのでしょう。そうしないと選挙でも負けてしまいますからね。

「定額減税4万円、非課税世帯に7万円給付」では有権者に響かない

飯田)支持率もかなり下がってきています。

須田)景気回復の実感が得られなければ、支持率は上がらないと思います。今回の経済対策や補正予算は、岸田首相にとって千載一遇のチャンスだったのです。

飯田)千載一遇のチャンス。

須田)その一方で、消費税減税についてはスルーされてしまった。党内の議論のなかでは出てきていました。「責任ある積極財政を推進する議員連盟」は、「真水でも20兆円規模の財政出動を求める」という提言を出しました。そのなかで「8%の軽減税率に関しては期間限定で0%にしよう、消費税を撤廃しよう」というような提言もまとめて出したのですが、それに乗らなかったという流れもあるのです。

飯田)ネット上でも「増税メガネ」などと揶揄されていますが、その辺りを払拭したいのであれば、消費税はインパクトが大きかったでしょうね。

須田)今回の「定額減税1人4万円、非課税世帯に1世帯7万円給付」で、どれだけ有権者に訴えることができるかと言うと、少しショボすぎるというのが実態です。しかも減税については2024年6月に先延ばしされています。

飯田)そして1回きりだという話もあります。

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