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本場ナポリのピッツァ職人が語る「ナポリピッツァ」と「アメリカンピッツァ」の違い

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年11月13日 11時20分

本場ナポリのピッツァ職人が語る「ナポリピッツァ」と「アメリカンピッツァ」の違い

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(11月6日放送)に株式会社 SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長のサルヴァトーレ・クオモが出演。「ナポリピッツァ」について語った。

サルヴァトーレ・クオモ

サルヴァトーレ・クオモ

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。11月6日(月)~11月10日(金)のゲストは株式会社 SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長のサルヴァトーレ・クオモ。1日目は、ナポリピッツァとアメリカンピッツァの違いについて—

黒木)クオモさんは90年代に、本場ナポリの「ナポリピッツァ」を日本で有名にした功労者でいらっしゃいます。現在は「PIZZA SALVATORE CUOMO」を始め、国内外でさまざまなお店をプロデュースされています。そこまで言ったら、やはりクオモさんのピッツァをいただきたいですね。私の目の前には、大好きなマルゲリータがあります。いただきます。そして、いただいている間に、クオモさんには「アメリカンピッツァとナポリピッツァの違い」についてのご説明をお願いします。

クオモ)もちろん、スタートはイタリアで生まれたものです。それが世界各地に行き渡り、その途中で変身しているのです。移民の人たちが現地に着き、そこで手に入る食材でピッツァをつくろうとしたのです。わかりやすく言えばアメリカで寿司を食べるとき、少し違いますが、もともとはアメリカに移住した日本人がつくったものですよね。それと同じです。アメリカのピッツァの場合、もとになるものをつくったのがイタリア人であることは確かです。ただ、食材が手に入らなかったため、姿形が変わっているのです。

黒木)……クオモさん、美味しいです。

クオモ)ありがとうございます。

黒木)なぜこんなにチーズが濃厚なのでしょうか?

クオモ)私たちは、水牛のモッツァレラチーズをイタリアで選び、現地でセットアップしています。牛乳の質からチョイスして、それを日本に輸入するのですが、それに合っている食材を組み合わせることがとても重要です。トマトベースも同じようにイタリアから取り寄せています。

黒木)トマトベースも。

サルヴァトーレ・クオモ

サルヴァトーレ・クオモ

クオモ)1つひとつの食材のバランスを取ることが重要です。つくる人も焼く人も、みんな手でつくっていくものなので、職人の世界になります。料理と少し違うのは、レシピはありますが、毎回変わります。耳を見ると、ピッツァの場合は少し凸凹ができます。耳のところが上がったり下がったりしますが、それは職人が触る位置で下がっていくのです。アメリカのピッツァは1個が丸いです。何が違うかと言うと、そこの「触り」がない。つまり、イタリアのピッツァ、ナポリのピッツァというのは、指紋の残るピッツァなのです。

黒木)そのピッツァをつくる職人さんの手が。

クオモ)残っているのです。

黒木)生地も美味しいです。

クオモ)発酵のさせ方が少し違うので。

黒木)1ピース完食してしまいました。「ナポリピッツァ」なのですよね? 「ミラノピッツァ」ではないのですよね?

クオモ)ミラノピッツァではありません。私から言わせると、「ナポリピッツァ」という言い方をすること自体が間違いです。ナポリで生まれたものなので、それがピッツァなのです。

黒木)もともとはイタリアのナポリで生まれたのですね。

クオモ)ピッツァと言ったらナポリです。他の地域のものは、「ローマのピッツァ」や「フィレンツェのピッツァ」、「ミラノのピッツァ」や「ニューヨークのピッツァ」など、本当はそのような言い方をするのが正しいのではないかと私は思っています。

黒木)なるほど。

クオモ)わかりやすくするために、いまでは「ナポリスタイル」という言い方をされているのです。しかし、実際には、ナポリスタイルというよりも、これだったのです。私たちがしている仕事は、実はそこなのです。世界中に行き渡っているのですが、行く場所行く場所で「これはもともとナポリのピッツァですよ、ナポリで生まれたものなのですよ」と説明するのが仕事の1つになっています。

サルヴァトーレ・クオモ

サルヴァトーレ・クオモ

サルヴァトーレ・クオモ/株式会社 SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長

■1972年生まれ。東京で生まれ、すぐにイタリア・ナポリへ。
■料理人だった父の影響で、11歳のときに料理の道を志し、伯父のレストランに入門。その後、父が日本で開いたお店を手伝うために、来日。以来、日本とイタリアを行き来して修業を重ねる。
■1995年に東京・中目黒で店舗を開業。
■父から学び、受け継いだ本場ナポリの味「ナポリピッツァ」を日本で一躍有名にした功労者で、現在は「PIZZA SALVATORE CUOMO」をはじめ、本格イタリア料理レストランなどを手がける。これまでに国内外250店舗以上をプロデュースしてきた。
■2006年にはイタリア政府公認の「真のナポリピッツァ協会」が主催するナポリピッツァ世界最高峰の大会「PIZZA FEST」で、ピッツァ・サルヴァトーレ・クオモチームが最優秀賞を受賞している。
■2021年より大分県日田市にも拠点を構えている。

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