お店で食べるピッツァとデリバリーのピッツァ「つくり方はどう違うのか」 本場ナポリのピッツァ職人が解説
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年11月14日 11時20分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(11月7日放送)に株式会社 SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長のサルヴァトーレ・クオモが出演。「ナポリピッツァ」について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。11月6日(月)~11月10日(金)のゲストは株式会社 SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長のサルヴァトーレ・クオモ。2日目は、ナポリピッツァをつくる上でのルールについて—
黒木)クオモさんは90年代、ナポリピッツァを日本で有名にした功労者でいらっしゃいますが、前回いただいたマルゲリータは、デリバリーなのですよね?
クオモ)そうです。
黒木)まったくデリバリーではなく、レストランでいただいているような感じがしたのですが、何か秘密があるのですか?
クオモ)その場で提供するものと、デリバリーするものは、生地や水分量などを細かく計算しなければ同じ味にはなりません。お店では2~3分、長くても5分でテーブルに運ぶことができますが、デリバリーの場合、遠いところでは20~30分掛かってしまうこともあります。2~3分で美味しく食べられるものを、20分経っても同じように美味しく食べるのは不可能に近いです。
黒木)なるほど。
クオモ)ですので、20分掛けて届いても美味しくいただけるような生地づくりから研究しました。水分量を変えたり、載せるものを変えるなど、いろいろと計算しながらつくらなければ、美味しいものは届けられません。
黒木)ピッツァ・サルヴァトーレ・クオモチームは、世界最高峰の大会「PIZZA FEST」で最優秀賞を受賞なさっているのですよね。すごいですね。
クオモ)「SALVATORE CUOMO」というブランドは、メイド・イン・ジャパンです。「PIZZA FEST」には私の部下が参加したのですが、ピッツァの生まれたイタリアのナポリで、日本人の子たちが優勝したのです。日本で寿司の大会を開いたら、外国人が現れてそこで優勝するような、大変なことだったのです。
黒木)そういうことですね。
クオモ)歴史ある大会なので、大変なことです。いい意味でも、悪い意味でも有名な大会になってしまいました。歴史あるものが突然、外国に持っていかれてしまうのは、現地の方々にとってはショックだったのではないでしょうか。
黒木)「ナポリピッツァはこれ」と決まっているのですか?
クオモ)何を載せていいのか、焼き方はどうするのかなど、一応ルールはあります。最近はいろいろと変わってきていますが、世界遺産に指定されているので、きちんとしたルールに従ってつくらなければいけません。
黒木)世界遺産に。
クオモ)ナポリピッツァ職人についても認定されていて、決められたルールをベースにつくることが大事です。生地のつくり方から始まり、材料をどのように選ぶか、トッピングはどう載せるのか。どの状態で生地を伸ばし、オーブンのなかにどのように入れて、最終的にどのように出すのか……。すべてのものが1つずつ計算されています。生地の高さや大きさもすべて決まっています。
黒木)テレビでも生地づくりのときに、お皿回しのように回していらっしゃいますが、あれも「直径何センチ」と決まっているのですか?
クオモ)決まっています。特に大会の場合は、30センチ以内となっています。人間がすべて「手でつくり、手で食べてもらう」というワンディッシュになっていますので、奥が深いのです。
サルヴァトーレ・クオモ/株式会社 SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長
■1972年生まれ。東京で生まれ、すぐにイタリア・ナポリへ。
■料理人だった父の影響で、11歳のときに料理の道を志し、伯父のレストランに入門。その後、父が日本で開いたお店を手伝うために、来日。以来、日本とイタリアを行き来して修業を重ねる。
■1995年に東京・中目黒で店舗を開業。
■父から学び、受け継いだ本場ナポリの味「ナポリピッツァ」を日本で一躍有名にした功労者で、現在は「PIZZA SALVATORE CUOMO」をはじめ、本格イタリア料理レストランなどを手がける。これまでに国内外250店舗以上をプロデュースしてきた。
■2006年にはイタリア政府公認の「真のナポリピッツァ協会」が主催するナポリピッツァ世界最高峰の大会「PIZZA FEST」で、ピッツァ・サルヴァトーレ・クオモチームが最優秀賞を受賞している。
■2021年より大分県日田市にも拠点を構えている。
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