滝の流れているところで「水のボトル」を売っても誰も買わないが、砂漠ならば命になる SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長・サルヴァトーレ・クオモ
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年11月16日 11時20分
![滝の流れているところで「水のボトル」を売っても誰も買わないが、砂漠ならば命になる SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長・サルヴァトーレ・クオモ](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_476865_0-small.jpg)
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(11月9日放送)に株式会社 SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長のサルヴァトーレ・クオモが出演。「ナポリピッツァ」について語った。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2023/11/28219818_sRS.jpg)
※画像はイメージです
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。11月6日(月)~11月10日(金)のゲストは株式会社 SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長のサルヴァトーレ・クオモ。4日目は、日本に出店しようと思った経緯について—
黒木)11歳のとき料理の道に入られたクオモさんですが、やはりピッツァは難しいものなのですか?
クオモ)基本的にピッツァ職人と料理人は違うと思います。ピッツァ職人は、板前さんのような世界なのです。ピッツァをつくる人は料理人と違って、途中で味見できません。
黒木)本当ですね。
クオモ)お寿司を握っている人と同じです。完璧に計算されているものでなければダメです。あとは信頼性がとても大事です。手でつくったものを口のなかに入れるというのは、本来あり得ない話ですよね。普通、手でつくったものを「はい食べて」と言って口のなかに入れようとしても、誰もOKしません。しかし、私たちは手でつくったものをお客さんに食べていただいているのです。修行し、それを認めていただかなければなりません。
黒木)クオモさんが日本でレストランを出そうと思われたのはなぜですか?
クオモ)最初のステップは父親でした。私が日本に残った理由は彼なのです。亡くなる前、彼は「日本にお墓をつくってもらいたい」と話していました。
![サルヴァトーレ・クオモ](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2023/11/0f50be96b3af7b6feef5d3a82fc0eb5c.jpg)
サルヴァトーレ・クオモ
黒木)お父さんは日本がお好きだったのですか?
クオモ)日本が大好きな人でした。私のお母さんは日本人なのですが、父親の日本に対する想いは、私たちにもメッセージとしてつながっていたのだと思います。18歳で父親が亡くなり、イタリアに帰ろうと思ったのですが、向こうに帰っても父は近くにいないではないですか。日本でナポリピッツァを皆さんに食べていただくことで、強い思いがつながっていったというところがあります。
黒木)お父さんの思いをクオモさんが受け継いでいらっしゃるのですね。ナポリピッツァはファーストフードではないですか。しかし、日本ならばスローフードとして提供可能だと思われたのはなぜですか?
クオモ)タイミングやバランスなど、伝えられるチャンスがあったから、皆さん聞いてくれたのです。父親も同じことをやったのですが、彼はタイミングがよくなかった。どんなビジネスでも同じですが、タイミングはとても重要です。
黒木)タイミング。
クオモ)滝の流れているところで水のボトルを売ろうとしても、誰も買ってくれないではないですか。その場所には豊富な水があるのだから。でも、同じボトルを持って砂漠に行くのです。砂漠に行って水を売れば、それが命になります。同じものを持っている人でも、選ぶ場所によって正反対の結果が生まれるわけです。
黒木)そうですね。
クオモ)私の場合は、おそらくタイミングも場所も合っていたと思います。世界中の職人はみんな同じ気持ちだと思います。
黒木)あとは、きっとお父さまの思いがあったからこそですね。
クオモ)それは大きかったと思います。
![サルヴァトーレ・クオモ](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2023/11/kuomoRS.jpg)
サルヴァトーレ・クオモ
サルヴァトーレ・クオモ/株式会社 SALVATORE CUOMO INTERNATIONAL 代表取締役会長
■1972年生まれ。東京で生まれ、すぐにイタリア・ナポリへ。
■料理人だった父の影響で、11歳のときに料理の道を志し、伯父のレストランに入門。その後、父が日本で開いたお店を手伝うために、来日。以来、日本とイタリアを行き来して修業を重ねる。
■1995年に東京・中目黒で店舗を開業。
■父から学び、受け継いだ本場ナポリの味「ナポリピッツァ」を日本で一躍有名にした功労者で、現在は「PIZZA SALVATORE CUOMO」をはじめ、本格イタリア料理レストランなどを手がける。これまでに国内外250店舗以上をプロデュースしてきた。
■2006年にはイタリア政府公認の「真のナポリピッツァ協会」が主催するナポリピッツァ世界最高峰の大会「PIZZA FEST」で、ピッツァ・サルヴァトーレ・クオモチームが最優秀賞を受賞している。
■2021年より大分県日田市にも拠点を構えている。
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