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「宮崎駿さんとの仕事は行間を理解しなければできない」 ジブリ作品の音楽を手掛ける作曲家・久石譲が語る

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年12月4日 11時20分

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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(11月27日放送)に作曲家・指揮者・ピアニストの久石譲が出演。映画音楽の制作について語った。

久石譲

久石譲

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。11月27日(月)~12月1日(金)のゲストは作曲家・指揮者・ピアニストの久石譲。1日目は、ジブリ映画の音楽について—

黒木)久石さんと言うと数々の映画音楽が浮かびますけれども、作曲家だけではないのですよね。演奏されたり指揮者をされたり、幅広く音楽活動を行っていらっしゃる。

久石)いろいろやっていますね。

黒木)私が最初に知ったのはジブリ映画『風の谷のナウシカ』です。

久石)宮崎駿さんと組んだ初めての映画ですからね。やはり、『ナウシカ』の印象が強いですよね。

黒木)大きかったですね。ジブリ作品に携わるようになったのは、ファーストアルバムの『INFORMATION』を発表したあとにご縁があったそうですね。

久石)レコード会社と宮崎さんのところが関係があったので、私に回ってきたという感じです。

黒木)ジブリ作品でも『ハウルの動く城』や『千と千尋の神隠し』など、たくさん作曲なさっていますが、どのタイミングで音楽をつくるのですか?

久石)映画の制作の?

黒木)そうです。映画の場合。

久石)実写のときは締め切りの1~2ヵ月前からつくります。

黒木)それは仮編か何かをご覧になってからですか?

久石)そうです。台本を読んで監督と打ち合わせを行い、ラッシュが送られてきます。そういうものを観ながらつくっていくので、1ヵ月前後ですね。しかし、宮崎さんの場合は長いです。これまでコンスタントに4年に1本はつくっていましたから、映画が1本終わって2年間は音沙汰がないので安心なのですが、「どうやらつくり出したらしい」となると、しっかり絵コンテが送られてくるのです。そこからですので、1つの作品に2年くらい関わっている感じがしますよね。

久石譲

久石譲

黒木)そのなかで試行錯誤されるのですか?

久石)まだ実作業には入らないのですが、『もののけ姫』のときは内容がヘビーでしたから、「これは考え方を追い付かせないといけないな」と思い、当時宮崎さんが堀田善衛さんと対談していたものなど、周辺の本をほぼすべて読みましたね。

黒木)そこからインスピレーションを受けたのですか?

久石)「何をつくろうとしているか」を理解するために、こちらも勉強しないといけないのですよ。そういうことも含めると、関わる時間は長くなってしまいますね。

黒木)単純に「音楽が下りてくる」という感じではなく、「どういうものをつくりたいのか」を理解してから音楽づくりに入るということですか?

久石)宮崎さんはあまりいろいろなことを説明しないのですよ。こちらも行間を理解しないといけません。いまの映画は説明しすぎるので、観る人のイマジネーションをかき立てることが少ないのです。宮崎さんの場合、今回の映画『君たちはどう生きるか』にしても、1回観ただけでは理解しづらいのですよ。それがかえっていい。

黒木)なるほど。

久石)だからリピーターがすごく多くなる。「多分こうじゃないか」と観る側が想像力を働かせるのですよね。それでよくなっている。例えばキューブリックの映画もそうですし、リドリー・スコットの『ブレードランナー』など、昔の映画はそうですよね。映画がある程度飛躍していてくれるから、観る側が想像力を働かせなければいけなくなる。いまは少し過剰に説明しすぎていますね。

黒木)『君たちはどう生きるか』は、音楽をつくるのも難しかったのではないですか?

久石)そうですね。パッと観た瞬間、「いままでの作品とは違うな」と思ったし、私とのやり方もいままでとは全部変えてきたのですよ。今回は絵が完成するまで、一切こちらに見せてくれなかったですね。そういうことがあったから、ギリギリのところでつくった気がします。ただ、私はいま現代音楽の作曲もやっているので、「ミニマル・ミュージック」と言いますが、同じパターンを繰り返すのですよ。その方法論で映画音楽をやり切ったので、宮崎さんもすごく喜んでくれましたね。

久石譲

久石譲

久石譲(ひさいし・じょう)/作曲家・指揮者・ピアニスト

■1950年・長野県出身。
■幼少のころから音楽や楽器に触れ、国立音楽大学在学中から現代音楽の作曲家として活動。
■1981年、初のプロデュースアルバム『MKWAJU(ムクワジュ)』を発表。
■1982年、ファーストソロアルバム『INFORMATION』を発表し、ジャンルにとらわれない独特のスタイルを確立。
■1984年の映画『風の谷のナウシカ』以降、宮崎駿監督作品の音楽を担当する他、北野武監督作品など、数多くの映画音楽を手掛け、3年連続で日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞。2009年には紫綬褒章を受章した。
■演奏活動においても、ソロピアノやオーケストラなどさまざまなスタイルを披露。2004年7月には新日本フィルハーモニー交響楽団と「新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ(W.D.O)」を結成し、音楽監督に就任。
■またクラシックの指揮者としても活躍し、世界の主要オーケストラとコンサートを開催。大成功を収めている。
■2019年には「フューチャー・オーケストラ・クラシックス」をスタートさせ、同年『久石譲ベートーヴェン:交響曲全集』をリリース。第57回レコード・アカデミー賞特別部門特別賞を受賞した。
■国立音楽大学招聘教授。2020年9月より新日本フィルハーモニー交響楽団Composer in Residence & Music Partnerに就任。また2021年4月より日本センチュリー交響楽団首席客演指揮者に就任。
■クラシックレーベルの名門ドイツ・グラモフォンとアーティスト契約。2023年6月30日に第1弾のCD『A Symphonic Celebration』をリリースし、7月に全米ビルボード・クラシックチャート1位を獲得。10月にLP版で再び1位を獲得。46年振りの快挙。
■2025年4月から日本センチュリー交響楽団・音楽監督への就任が発表された。

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