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楽器を弾くことができれば、人生は豊かになります 久石譲

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年12月8日 11時20分

楽器を弾くことができれば、人生は豊かになります 久石譲

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(12月1日放送)に作曲家・指揮者・ピアニストの久石譲が出演。映画音楽の制作について語った。

※画像はイメージです

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。11月27日(月)~12月1日(金)のゲストは作曲家・指揮者・ピアニストの久石譲。5日目は、音楽の持つ力について—

黒木)最初に久石さんの曲を聴いたのは『風の谷のナウシカ』なのですが、実はお嬢ちゃまが歌っているのですか?

久石)そうですね。3歳か4歳だったと思います。まだ実際に使うかわからない状態で、プロのスタジオミュージシャンを呼ぶとお金がかかるので、「娘でいいや」と思ってやってもらったのです。そうしたら風邪を引きまして……。練習の段階だったので、風邪を引いたまま録ったのですが、それがいまも流れています。

黒木)3歳か4歳でメロディーはすぐに覚えられたのですか?

久石)NHK児童合唱団で歌っていたので。

黒木)やはり音楽に携わっていらっしゃる。

久石)譜面は読めたので大丈夫でした。

黒木)いまは?

久石)歌手をやっていますよ。

黒木)やはり音楽の才能がある。最初は何の楽器を習わせたのですか?

久石)私の奥さんはピアノがとても上手いので、ピアノをやっていました。

黒木)音楽一家なのですね。

久石譲

久石譲

久石)だいぶスパルタでやっていたようです。

黒木)(笑)それがいつしか好きになっていくのでしょう?

久石)音楽はある程度、耐えなければならない時期があるではないですか。特にピアノは。

黒木)それで才能を見出していく方もいらっしゃるわけですから。開花させていくという。

久石)例えばバイオリンを自分の子どもに習わせますよね。途中で絶対に辛くなるし、勉学もあるので、多くの人がやめてしまいます。でも、できるだけ続けた方がいいと思う。なぜかと言うと、そのあと例えば大学に入るとします。大学にオーケストラがあったりしますよね。バイオリンが少し弾けると、第2バイオリンのうしろで弾くことができます。

黒木)少し弾くことができれば。

久石)すると人生が豊かになります。もちろんビオラでも管楽器でも全部そうですが、楽器が弾ければ、音楽に触れることができるのです。あるいは弾けなかったとしても、「若くないから」などと言って諦めずに、何か1つ楽器を定めて練習すれば、アマチュアのオーケストラはどこでも入れてくれると思います。楽しいですよ。聴いている方から参加する方になるのですから。

黒木)私は何十年もピアノを弾いていないのですが、いつもピアノは家に置いてあるのです。でも触っていません。

久石)では、久しぶりに弾いたら幸せかも知れませんよ。

黒木)そうですね。辛うじて音符は読めるので、どの曲も弾けるのですが、練習しないといけないですよね。

久石)でも自分のためですから。例えばショパンのノクターンやマズルカを少し出して、「これ、昔やったわ!」と。

黒木)今後も多くの曲をつくられるでしょうし、指揮者も音楽監督も務めるのでお忙しくなるでしょうけれど、最後に音楽の持つ力についてお聞かせ願えますか?

久石)自分が豊かになるときは、お金ではなく、音楽や絵画や文章などの表現に感動することで自分自身がステップアップする。そして、自分自身で「こういうことができるのだ」というものを持っていれば、人生が豊かになります。豊かさは自分の力でつくっていくものです。そのなかの1つに音楽があると思います。だから、どんな楽器でもいいので「やるといいな」と思います。

久石譲

久石譲

久石譲(ひさいし・じょう)/作曲家・指揮者・ピアニスト

■1950年・長野県出身。
■幼少のころから音楽や楽器に触れ、国立音楽大学在学中から現代音楽の作曲家として活動。
■1981年、初のプロデュースアルバム『MKWAJU(ムクワジュ)』を発表。
■1982年、ファーストソロアルバム『INFORMATION』を発表し、ジャンルにとらわれない独特のスタイルを確立。
■1984年の映画『風の谷のナウシカ』以降、宮崎駿監督作品の音楽を担当する他、北野武監督作品など、数多くの映画音楽を手掛け、3年連続で日本アカデミー賞最優秀音楽賞を受賞。2009年には紫綬褒章を受章した。
■演奏活動においても、ソロピアノやオーケストラなどさまざまなスタイルを披露。2004年7月には新日本フィルハーモニー交響楽団と「新日本フィル・ワールド・ドリーム・オーケストラ(W.D.O)」を結成し、音楽監督に就任。
■またクラシックの指揮者としても活躍し、世界の主要オーケストラとコンサートを開催。大成功を収めている。
■2019年には「フューチャー・オーケストラ・クラシックス」をスタートさせ、同年『久石譲ベートーヴェン:交響曲全集』をリリース。第57回レコード・アカデミー賞特別部門特別賞を受賞した。
■国立音楽大学招聘教授。2020年9月より新日本フィルハーモニー交響楽団Composer in Residence & Music Partnerに就任。また2021年4月より日本センチュリー交響楽団首席客演指揮者に就任。
■クラシックレーベルの名門ドイツ・グラモフォンとアーティスト契約。2023年6月30日に第1弾のCD『A Symphonic Celebration』をリリースし、7月に全米ビルボード・クラシックチャート1位を獲得。10月にLP版で再び1位を獲得。46年振りの快挙。
■2025年4月から日本センチュリー交響楽団・音楽監督への就任が発表された。

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