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安倍元総理が亡くなって空洞化し、財務省が力を増してきた

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年12月14日 11時45分

安倍元総理が亡くなって空洞化し、財務省が力を増してきた

内閣官房参与の宮家邦彦と数量政策学者の高橋洋一が12月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。衆院本会議で否決となった松野官房長官の不信任決議案について解説した。

2020年8月28日、会見を行う安倍総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202008/28kaiken.html)

2020年8月28日、会見を行う安倍総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/202008/28kaiken.html)

衆院本会議、松野官房長官に対する不信任決議案を反対多数で否決

自民党安倍派の政治資金パーティーをめぐる問題を受け、立憲民主党が提出した松野官房長官に対する不信任決議案は衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党などの反対多数で否決された。野党側は立憲民主党、日本維新の会、共産党、国民民主党、れいわ新選組などが賛成した。

飯田)きょう(12月13日)は臨時国会の会期末です。

高橋)今国会で何が成立したのでしょうか?

飯田)補正予算以外に、と考えると……。

高橋)本当は経済政策として、所得税減税を今国会でやるべきだったのですが、そういう話は出なくなりましたね。この時期に大臣を入れ替えたらどうなってしまうのか。財務省内にいると、あと10日ぐらいで政府案が出て、閣僚折衝するのです。

飯田)閣僚折衝して閣議決定され、来年(2024年)の通常国会に予算案を提出する流れがあるから、この時期にトップが変わるのは大きいですよね。

高橋)全然知らない人が閣僚折衝することになります。

飯田)一応レクチャーを受けたとしても、難しいですよね。

宮家)でも、何とかなるのですよ。

高橋)何とかなってしまうのですよね。外交の場合はトップ同士の話などになると、何とかならないことも多いと思いますが、内政は何とかなってしまうのです。

力の真空ができ、財務省が力を増してきた

宮家)いま自民党はすごく揺れていますよね。昔はミニ保守政党の連立政権だったのですよ。

飯田)各派閥が。

宮家)派閥は少し緩くなったけれど、まだミニ保守政党・連立政権なのです。ただ、強いところがあったのだけれど、急に力がなくなり、力の真空ができた。それまでは政治が強かったわけですが、役所のイニシアチブが戻ってきている感じがします。

高橋)安倍さんが亡くなってから、それをすごく感じます。私の出身母体がどんどん出てきて、成長している。

政治責任やリーダーシップを官邸が執り、安定していた安倍政権

飯田)90年代からの一連の政治改革も含め、政治がグリップして官邸の力を強くし、機能を強化するなど、いろいろなことがあった。それが逆に戻っているような感じがします。

宮家)官邸が強くなったとは言え、結局、実務を行うのは役人です。スタイルをトップダウンで見せていたけれど、役人は役人でやっていたわけです。ただ、最終的な政治責任やリーダーシップは官邸が執っていたから、それなりに強く安定していた。だから8年も9年も続き、それが日本の国益になったわけです。それが瓦解して元の木阿弥になったらどうなるのか……。また毎年総理を代えるのでしょうか?

飯田)特に外交に関しては、「トップの顔がわかる」というのは大事なことですよね。

宮家)その人が毎年同じことを言っていないと影響力がないわけです。毎年「はじめまして」では困ってしまいます。いろいろ政治議論するのはいいのですが、日本の国益をよく考えて決めてもらわないといけません。ただ単に政争など、スキャンダルだけで決めてもらっては困るのです。

飯田)内政に関しても、大臣がコロコロ代わるのはいいことではないですよね。

高橋)大臣が代わらなくても、私の出身である財務省はずっと1強状態が続いているわけでしょう。財務省には「減税と言ってはいけない」という空気がありますが、もっと言えなくなります。減税という言葉が出たら、「すぐご説明に行く」という感じになってしまうかも知れません。

役人のレベルが下がっている

宮家)もう1つ言わせてもらうと、この10年で役人のレベルが下がっていると感じます。高橋さんがいたような時代とは違う。実は恐ろしいことが起きているかも知れません。それが本当にいいのかどうかも含めて、この政争を見ていると、日本が大きく変わってしまうような気がします。

飯田)ある意味、霞が関全体が巨大なシンクタンクのようになり、ダイナミックに政策を動かしていく。それを政治に提案し、政治家も「そうか」と言って対応したのが55年体制でした。それがなくなると今度は官邸の力が強くなり、「では上を見て政策を決めればいいのか?」となってしまった。

宮家)ただ、昔はベスト・アンド・ブライテストがいました。現在はいるのでしょうか?

飯田)最高学府から入ってくる人たちが、他の外資系企業などに行きがちだという話は以前から言われていました。その辺りも含めて、政策を下からどうやって吸い上げ、どう決めていくのかは、次の解がまだ見当たらないですよね。

宮家)政治が弱いと、優秀な官僚がうまくアレンジしなければいけませんが、本当にできるのでしょうか? それで全体が止まってしまうのではないかと心配しています。

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