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黒木瞳に「なぜこんなに素晴らしい文章が書けるのか」と聞かれ、困惑する小説家・凪良ゆう

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年12月20日 11時20分

黒木瞳に「なぜこんなに素晴らしい文章が書けるのか」と聞かれ、困惑する小説家・凪良ゆう

2023年本屋大賞を受賞しあいさつする「汝、星のごとく」の作者、凪良ゆうさん=12日午後、東京都港区

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(12月13日放送)に小説家の凪良ゆうが出演。第20回本屋大賞を受賞した著書『汝、星のごとく』について語った。

2023年本屋大賞を受賞しあいさつする「汝、星のごとく」の作者、凪良ゆうさん=2023年4月12日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社

2023年本屋大賞を受賞しあいさつする「汝、星のごとく」の作者、凪良ゆうさん=2023年4月12日午後、東京都港区 写真提供:産経新聞社

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。12月11日(月)~12月15日(金)のゲストは小説家の凪良ゆう。3日目は、自身の文章について—

黒木)第20回本屋大賞を受賞された『汝、星のごとく』は、時代を象徴し時代を変えてきた恋愛小説という傑作として捉えられています。

凪良)ありがとうございます。

黒木)その続編と銘打っている『星を編む』は、文章が綺麗なのですね。伝えたいこと、メッセージ性はもちろんあるのですが、まず文章が綺麗です。夕方に見えるいちばん星は「夕星(ゆうづつ)」と読むのですね。また、群青色など綺麗な言葉を使われた素晴らしい文章があります。読んでもいいですか?

凪良)ぜひ。

黒木)これは『星を編む』からです。

『ぼくと彼女の間にある温かく、けれど脆い何かが、ぼくたちの手をつながせる。それをもう愛と名づけていいだろうか』

~『星を編む』(凪良ゆう/講談社/2023年)より

凪良)ありがとうございます。

黒木)この文章だけでも惚れてしまいます。すごいですよね。もう1つ読んでいいですか?

凪良)はい。

黒木)これも『星を編む』から。

『人生は凪の海ではなく、結婚は永遠に愛される保証でも権利でもなく、家族という器は頑丈ではなく、ちょっとしたことでヒビが入り、大事に扱っているつもりが、いつの間にか形が歪んでいることもある』

~『星を編む』(凪良ゆう/講談社/2023年)より

黒木)心にストンと落ちていきます。こういうところに凪良さんが「何を読者に伝えたいのか」ということが如実にほとばしっていて、私の胸に押し寄せてくるのですよ、波のように。

『星を編む』

『星を編む』

凪良)いつも人物になりきって書くので、人物が変わると、同じ内容のことを言っていても言葉は変わってきます。チョイスしていただいたところは、私も個人的に気に入っていた部分だったので嬉しいです。

黒木)『汝、星のごとく』にも、『星を編む』にもたくさんあります。

『わたしにとって、愛は優しい形をしていない。どうか元気でいて、幸せでいて、わたし以外を愛さないで、わたしを忘れないで。愛と呪いと祈りは似ている』

~『汝、星のごとく』(凪良ゆう/講談社/2022年)より

黒木)……これはもはや詩ですね。ここも好きです。

凪良)ありがとうございます。

黒木)なぜ、書けるのですか? 素人質問で申し訳ないですが。

凪良)自分でもわかりません。たまにあとから読み返してみて、「私、よくこんなことを書いたな」と思うときも多々あります。

黒木)集中しているということですか?

凪良)自分が書いているので、自分のどこかには眠っていた言葉だと思うのですが、それがどういう作用で小説のなかに浮かび上がってくるのか……。そのシステムはわからないですね。女優さんも台本を読んで、同じ台詞であっても、いろいろな演じ方があるではないですか。それを「よし、こう演じよう」と決めるときの判断基準がいろいろあると思うのですが、いかがですか?

黒木)逆に質問されましたけれども。練習していって、まったく違う言い方になるときもあります。「私、よくこんなことを書いたな」とおっしゃいましたけれど、「私、こんな芝居したんだ」というときもあります。

凪良)あるのですね。

黒木)理性で「きっとこういう仕上がりになるだろう」と計算し、その通りのものが出来上がったときはつまらないですね。「えー! こんな顔? こんな声? こんな芝居?」というときは自分ではなくなっているので。でも、これは芝居ですよね。小説はご本人が書いているではないですか。意識はありますよね?

凪良)そうですね、意識はありますね(笑)。いろいろ考えながら書いているのだと思いますが、不思議ですよね。そういうことをしっかりと言語化できる作家さんっているのかな? どうなのでしょう。

凪良ゆう

凪良ゆう

凪良ゆう(なぎら・ゆう)/小説家

■2007年、『花嫁はマリッジブルー』で著書デビュー。
■2014年、『美しい彼』を刊行。2021年には連続ドラマにもなった人気シリーズ。
■2017年、BL作品ではない『神さまのビオトープ』が非BL作品として高い評価を受ける。
■2019年に『流浪の月』と『わたしの美しい庭』を刊行。2020年には『流浪の月』で第17回本屋大賞を受賞。2022年には実写映画化。2020年刊行の『滅びの前のシャングリラ』で2年連続で本屋大賞にノミネート。2023年、『汝、星のごとく』で第20回本屋大賞受賞。直木賞候補となった。
■2023年11月、『汝、星のごとく』の続編となる最新作『星を編む』を刊行。

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