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恒例「今年の漢字」は? 年の瀬にあたり

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年12月23日 17時20分

恒例「今年の漢字」は? 年の瀬にあたり

【今年の漢字】今年の漢字の「税」を揮毫する清水寺の森清範貫主=12日午後、京都市東山区

「報道部畑中デスクの独り言」(第351回)

ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、「今年の漢字」について—

【今年の漢字】今年の漢字の「税」を揮毫する清水寺の森清範貫主=2023年12月12日午後、京都市東山区 写真提供:産経新聞社

【今年の漢字】今年の漢字の「税」を揮毫する清水寺の森清範貫主=2023年12月12日午後、京都市東山区 写真提供:産経新聞社

2023年もあとわずか。年を重ねると、1年が経つのが早いと言いますが、今年もそんな実感です。

1年の世相を表す「今年の漢字」が12月12日、日本漢字能力検定協会(以下 漢検)から発表され、その文字は「税」でした。2位以下は「暑」「戦」「虎」「勝」「球」「高」「変」「増」「楽」と続きました。

政財界でも“独自”の漢字が示されました。岸田文雄首相は「克」を挙げました。「物価高に打ち克つ。デフレを克服する」というのがそのココロです。一方で「税」については、「税というものに高い関心を寄せていると改めて感じる。税をめぐるさまざまな課題に緊張をもって取り組んでいかなければならない」と述べました。

経済同友会・新浪代表幹事

経済同友会・新浪代表幹事

来年(2024年)6月には所得税減税がありますが、税に関して国民はとてもセンシティブです。姿勢がブレれば手痛いしっぺ返しがあるのは、過去の政権が証明しています。

松野官房長官(当時)は、「備(そなえ)」を挙げました。「北朝鮮のミサイル発射に対する備えなど、国民保護の充実に向けた準備を進めた1年だった」と振り返ります。しかし、その2日後に事実上の更迭という形で官房長官辞任となりました。いま思えば、何に「備えて」いたのか……。

財界では……漢検の発表から1時間後に定例の記者会見が開かれたのは経済同友会。今年(2023年)就任した新浪剛史代表幹事はまず、「税ってきついな」と一言。その上で転換の「換」を挙げました。「賃金を上げるインフレに変わる転換点をつくってくれた」というのがその理由。「変わる」「代わる」ではなく、「換わる」としたのは「いい意味でポジティブにゴロゴロ転がりながら変わっていくイメージ」だそうです。

経団連・十倉会長(写真左は万博公式キャラクター「ミャクミャク」)

経団連・十倉会長(写真左は万博公式キャラクター「ミャクミャク」)

経団連の十倉雅和会長は漢検の発表の朝、「税ちゃうか?」と事務総長と話していて、見事当たったというエピソードを披露。その上で、経団連としては「環」としました。

「成長と分配の好循環」「環境問題」、GX(グリーン・トランスフォーメーション)で行われる「炭素の循環」、さらに2025年大阪・関西万博の会場予定地で建設中の、木造の「リング=環」を理由に挙げました。万博公式キャラクター「ミャクミャク」を前に、“してやったり”の表情でした。

日本商工会議所の小林健会頭は「象徴する漢字に金目のものがつくのは好きではない」と言いながら、日商としては「賃」を挙げました。「賃に始まって賃に終わったよ」とポツリ。「賃は貝の上に任せると書く。貝は昔の貨幣。人からいただくものという意味合いがある」と“解説”した上で、「だから、賃金の賃を上げる立場の経営者はちゃんとしていなくてはいけない」と述べました。

実はもう1つ考えた漢字があり、それが「脱」。「脱デフレ、脱炭素、最後は政治が脱線、とかね」……会頭の弁舌もやや“脱線”気味でありました。

日商・小林会頭

日商・小林会頭

さて、僭越ながら、私の「今年の漢字」は……あまり前向きではないのですが、あえて「閉」とさせていただきます。

世界を見渡しますと、イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘、昨年(2022年)から続くロシアによるウクライナ侵攻は解決の兆しが見えません。閉塞した空気がまん延しています。

さらに国内では数多の不祥事がありました。日大アメフト部、ビッグモーター、旧ジャニーズ事務所、宝塚歌劇団、旧統一教会。そして、政界では来年も引きずりそうな自民党派閥パーティーにからむ政治資金事件……。これらに共通するのは「閉鎖的」な組織・環境のなかで起きたものだということです。

今年もありがとうございました(東京・丸の内)

今年もありがとうございました(東京・丸の内)

閉鎖的な組織・環境というのは、皆が1つの目標に向かって突き進むときには大きな威力を発揮しますが、長年続くとだんだん滓がたまってきます。そして多様性や変化が求められる時代には、さまざまな膿となって噴き出します。今年はそれが顕著に表れた年だったのではないでしょうか。それだけ日本という国が変化を求められているという証左かも知れません。

来年2024年もこの傾向は強まっていくでしょう。組織はさらに変革を強いられるでしょうし、対応できない組織は時代から取り残される可能性もあります。私が身を置くメディアの世界とて、決して例外ではない……気を引き締めたいと思います。

本年も「報道部畑中デスクの独り言」をご覧いただき、ありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。(了)

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