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能登半島地震 メディアでは報道されない「石川県内灘町の被災状況」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年1月10日 17時30分

能登半島地震 メディアでは報道されない「石川県内灘町の被災状況」

内灘町

ニッポン放送・飯田浩司アナウンサーが1月5~7日、能登半島地震で被災した石川県各地を取材。内灘町の現状を、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(1月8日放送)においてレポートした。

内灘町

内灘町

被災地・石川県内灘町の状況

飯田)能登半島が震源の最も至近であり、さまざまな被害が伝えられていますが、内灘町は能登半島に存在しているのではなく、金沢市に隣接しており、金沢市の中心にある金沢駅から15分ぐらいで着くというベッドタウンです。一軒家が多く、1月1日の地震では震度5弱を観測しました。ここは高台と下町に分かれていて、高台の方は特に宅地が一括開発されており、碁盤の目のように家が立ち並んでいます。

メディアでは報道されない内灘町の被害 ~液状化が酷く道路が1メートル陥没した場所も

飯田)一方、下町は古くからの家々が連なっていますが、高台の部分の大きな被害は肉眼では確認できず、内灘町役場も高台にあり、救援物資の無料配布等も既に行われていました。ただ、下町の部分は震度5弱と言いながら、「これで本当に震度5弱だったのか?」というような、かなりの被害でした。まずは地元の方にお話を伺いました。

—–

地元の人A)まず第1回目の揺れがきて、これはやばいな、やばいというか大丈夫かなと思って、外に出て、ちょうどそこの車庫がある前まで。そうしたら、そのあとにものすごい横揺れが始まって、時間を数えたら40~50秒。地割れしたし、「これは大変なことだな」と思いました

地元の人B)道路幅が1メートル広がって、高さも1メートル下がったし。

飯田)まっすぐ一直線にひび割れていますね。

地元の人B)みんな断層が通っていった跡です。この状況をメディアで言ってください。ここ(の被害については)穴が空いていて、みんなから被害が少ないと思われているから。

飯田)家も傾いているし、液状化もかなり吹き出しています。

地元の人B)そうそう。液状化がすごかったし。

電気以外、ガスも水道も使えず

飯田)インフラはどうなのでしょうか?

地元の人A)電信柱はこうなっているけれど、生きていたから電気だけはきました。

飯田)電気だけ。電信柱は傾いても電気はきていた。内灘のなかでもここですものね。

地元の人B)ここがいちばん酷い。断層が通っているところがみんな被害にあっている。

地元の人A)(こんな状況になっていることは)内灘の人も知らないよ。

飯田)内灘全体は震度5弱ですが、ここは違うかも知れないですね。

地元の人B)別格よ。うちの畑は50センチメートル広がっていたもの。敷地が広くなっていいけれど。ここの道路が広くなったように。

飯田)50センチも。それがほとんど報じられないというのが。

地元の人B)そうそう。メディアとして、ちょっと助けてくれると嬉しいです。

内灘町

内灘町

道路が陥没して車庫から車を出すことができない

飯田)震度5弱とされていますが、ここには断層があって、断層によって持ち上がったり、陥没したりしている。それが1~2メートルぐらいの段差になってしまっているのです。そのために電信柱が完全に曲がったり、倒れたり、あるいは歪んでしまった家がいたるところにありました。

他にも住民の方にお話を伺うと、液状化現象で水道管が破裂したのではないかと思うぐらい、砂とともに水が噴き出してきたそうです。道路から家まで4段ぐらい階段があって、そこをのぼって家に入ったはずなのに、隆起してしまってさらに4段分上がっているのだと。また、道路に面して車庫があったのに、その車庫が(道路の下に)下がった状態になってしまい、車も出せないし、車も潰れてしまっているような状況でした。

被害は大きいが死亡者・安否不明者が出ていないため、報道されない

飯田)そういう状況ですから、インフラに関しても水道が使えず、プロパンガス中心ではあるのですが、ガスも使えない。傾いた電信柱から何とか電気はきていたけれど、それを直すとなると、一旦止めなくてはならない。そのため、集落全体がこのあと停電するので「もうここでは生活できない」とおっしゃる方もいました。そして、内灘町では亡くなった方や安否不明者もいなかったため、報道もされないけれど「大変なのだよ」と話していました。町は本当にメチャメチャになっているという感じです。

内灘町西荒屋の避難所でコロナ感染が拡大

飯田)石川県かほく市の“由美子”さんから、「内灘町の被害はほとんど知られていないのですよね。かほく市も隣町で同じ被害があります」とメールもいただいています。由美子さんがお住まいになっている、かほく市の少し北にある西荒屋という地区も取材しましたが、同じように被害が出ていました。海にも近く、もともと砂地だった場所なので、液状化も多かったのだと思います。西荒屋には避難所が開設されていますが、ここでは65歳以上の男女数人が新型コロナに感染したということです。衛生環境的にも、水道が止まっているとなると、どうしてもそうなってしまうと言われています。

ジャーナリスト・須田慎一郎)県や市町村だけでは対応しきれないでしょうから、国がどうやってバックアップするのか。能登半島だけでなく、それ以外の地域についても必要だと思います。

飯田)能登半島は物資も届きづらいところがあったのですが、さすがに内灘町は金沢に隣接しているため、物資は来ているそうです。被害も局所的だったので、行政の機能が停止するようなことはありませんでした。物資の仕分けや配布はできていた。ただ、被害はやはり大きいと思います。

須田)日常に戻るにはどのくらいかかるのか。

飯田)「何ヵ月かかるかわからない」と途方に暮れる方もいらっしゃいました。少しでも希望が見えるようなことをしなければいけないと思っております。

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