山下舜平大、宇田川優希、岡林勇希……彼らはなぜ背番号を変えたのか プロ野球2024新背番号物語
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年1月15日 17時20分
【プロ野球オリックス契約更改】契約更改するオリックス・山下舜平大=大阪市此花区・青濤館
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、2024年のプロ野球で心機一転、新たな背番号で戦う選手たちについて、とくに主力組で背番号変更の多かったオリックスと中日の両球団に絞って、変更理由やその狙いにまつわるエピソードを紹介する。
■オリックス・バファローズ
今オフ、最も背番号変更で賑やかだったのはオリックスだろう。
昨季3年目で開幕投手を務め、9勝を挙げて新人王に輝いた山下舜平大は、好成績をおさめた縁起のいい「12」の背番号をあっさり返上。日本ハムにFA移籍した山崎福也がつけていた「11」を直談判して受け継ぐこととなった。
『本当に欲しかった背番号で、すごい先輩方がつけてこられた。格好イイっす。負けないように頑張りたい』
~『スポーツ報知』2023年12月4日配信記事 より(山下舜平大の言葉)
球団史で「11」と言えば、通算165勝の佐藤義則氏が長く背負ったことで知られている。ただ、山下にとっての「11」は、「憧れ」と公言するダルビッシュ有の背番号だ。少しでも憧れに近付くための背番号襲名というわけなのだろう。
また、「11」は野茂英雄(近鉄)、大塚晶則(近鉄)、川上憲伸(中日)、ダルビッシュ有(日本ハム)、大谷翔平(日本ハム)と、メジャー挑戦した好投手がずらり。山下にも早くもメジャーが注目と言われるなか、益々真価の問われるシーズンとなる。
その山下が昨季までつけていた「12」は、同じく昨季ブレイクした東晃平が「95」から変更。2年連続で40試合以上に登板した阿部翔太は、公私ともに仲のよかった近藤大亮が巨人へトレード移籍したことに伴い、近藤からの指名で「20」を受け継いだ。
WBCでも活躍した剛腕の宇田川優希は、これまでの「96」から「14」に変更。球団史をさかのぼれば、かつて「伝説の剛腕」と呼ばれた山口高志氏がつけていた番号だけに、まさに“新剛腕誕生”という側面もあるだろう。
山下同様、憧れのピッチャーの番号に変更したのは「63」から「21」になった山﨑颯一郎だ。昨季はチーム最多53試合登板で27ホールドを挙げた山﨑。右肘を痛め、トミー・ジョン手術をしたのも5年前といまや昔だ。そんな右肘の痛みと闘っていたころ、自分の身長(190センチ)と同じような長身投手の投げ方を参考にしようと動画を探し、目に留まった投手がドジャースのウォーカー・ビューラーであり、彼がつけていたのが背番号「21」だった。
『自分の好きな番号で野球ができるのでうれしい。さらに進化した自分を見せられたら』
~『日刊スポーツ』2023年11月26日配信記事 より(山﨑颯一郎の言葉)
自分を出世させた番号よりも、憧れの番号を背負って戦うことを選んだオリックス投手陣。その番号とともにどんな投球を見せてくれるのか、いまから楽しみだ。
■中日ドラゴンズ
一方、セ・リーグで主力選手の新背番号襲名が賑やかだったのは中日ドラゴンズだ。2年連続でベストナインとゴールデン・グラブ賞をW受賞し、リーグ史上最年少21歳でフルイニング出場を果たした岡林勇希は、これまでの「60」から、チームのシンボルともいうべき「1」を襲名する。
中日の「1」は、“ミスタードラゴンズ”高木守道氏、福留孝介氏ら名選手たちが背負ってきた番号だ。といっても、この偉大な番号に対しても気負いがないのが岡林らしさだろう。先代「1」番の京田陽太とのトークショーでも、番号が変わっても自分のプレーは変わらないと、自然体を強調していた。
『何かを変えることはない。(番号に)恥じないように、と思う必要はないし、今できることをやれればいい』
~『山陽新聞デジタル』2023年12月17日配信記事 より(岡林勇希の言葉)
そして昨年(2023年)、現役ドラフトでブレイクした細川成也。昨季はゼロからの出発ということで「0」を背負ってプレーし、キャリアハイで球団日本人では13年ぶりとなる20本超えの24本塁打を放つなど覚醒してみせた。
そんな細川は、“球界長距離専属番号”ともいえる「55」を今季から背負う。中日でも元本塁打王の大豊泰昭氏(故人)が背負ったことで知られている。
『番号に恥じない活躍をしたいの一番。55番は松井(秀喜)さんであったり、強打者、長距離(砲)のイメージがある。僕の持ち味は長打、ホームラン。たくさん打って、背番号と名前をもっと覚えてもらえる選手になりたい』
~『日刊スポーツ』2023年12月11日配信記事 より(細川成也の言葉)
そして、巨人を自由契約となり、中日に入団した中田翔は、日本ハム時代にもつけていた「6」番をつけることに。中日では大阪桐蔭高校の先輩である平田良介氏がつけてきた背番号だ。
『背番号6は(大阪桐蔭高の先輩でもある)平田さんがつけていた番号。尊敬する先輩で、ずっと超えたいと思っていた方。その番号なのでうれしい。いずれ中日の6番と言えば、中田と言ってもらえる活躍をしたい』
~『サンスポ』2023年12月6日配信記事 より(中田翔の言葉)
球団史上初めて2年連続の最下位に甘んじた中日。課題は「得点力」と明白なだけに、背番号を一新したこの3人の男たちの奮闘に期待したい。
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