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テック業界の関心事は「スマホの次は何なのか」 世界のスマホ出荷台数Appleが首位

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年1月17日 17時45分

テック業界の関心事は「スマホの次は何なのか」 世界のスマホ出荷台数Appleが首位

ジャーナリストの佐々木俊尚が1月17日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。世界のスマホ出荷台数で首位に立ったAppleについて解説した。

※画像はイメージです

世界のスマホ出荷台数Appleが首位 サムスン13年ぶりに陥落

アメリカの調査会社IDCは1月16日までに、2023年のスマートフォンの世界出荷台数で、米Appleが前年比3.7%増となる2億3460万台となり、首位に立ったと明らかにした。韓国のサムスン電子は13.6%減の2億2660万台となり、13年ぶりに首位の座から陥落した。

飯田)世界的なインフレの影響もあって、トータルでは3.2%減だったそうです。

佐々木)別にAppleが画期的なiPhoneを出したわけではなく、小細工なのですよ。理由の1つは下取りを一生懸命やっていることです。古いiPhoneを下取りに出すと、2年前くらいの機種であれば3~4万円ぐらいで買い取ってくれるのです。あと、日本でも使われているPaidy(ペイディ)という無利子の分割払いが、アプリでも使えます。いままでは信販会社などに書類を書いてハンコを押してと、面倒くさかったではないですか。Paidyであれば、アプリ上だけで24回払いが簡単にできるのです。

飯田)そうなのですね。

佐々木)Apple Storeで買うと楽なのですよ。そういう小細工を行った結果、ジワジワと伸びてサムスンを蹴り落としたのです。

テック業界の関心事は「スマホの次は何なのか」

佐々木)小細工しかできないということは、言い換えればスマホ技術が枯れつつあり、この先は長くないということです。テック業界の関心事は、「スマホの次は何なのか」というところに移っています。いま話題なのは、ChatGPTのような生成AIです。あれがいまスマホで使えるようになっていて、例えばChatGPTのスマホアプリがありますが、音声でやり取りできるのです。アイコンをタップするのではなく、言葉で聞いて言葉で返してもらう。あるいは言葉で聞いて何かをやってもらうような仕組みだから、テキストで入力せず、音声で構わないわけです。

飯田)テキストはいらない。

佐々木)スマホに向かって「エアコンのスイッチを入れて」と言うと、AIがエアコンに命令してスイッチを入れてくれる。そうなると、もはやスマホの形である必要もないのです。スマホはタッチスクリーンがあり、指でタップするからあの形が必要ですが、音声入力するのであれば「そんな形は要らない」という話になります。

タッチスクリーンやマウスに代わって、「音声とジェスチャー」が新たなコンピューターの操作体系になる

佐々木)Appleが2月に「Apple Vision Pro」という、VRの巨大なヘッドディスプレイを発売します。macOSやiOSのようなOSやアプリを、ジェスチャーで操作できるものです。指の動きや手の動きだけで操作できる。今後は、これまでのタッチスクリーンやマウスに代わって、「音声とジェスチャーが新たなコンピューターの操作体系になるのではないか」と言われています。「音声とジェスチャー」で面白いなと思うのは、人間と人間の会話と同じだということです。

飯田)確かにそうですね。

佐々木)我々も相手と話すときは、声で話すと同時に身振り手振りするわけでしょう?

スマホの時代は遠からず終わる

飯田)そうですね。ラジオは相手が見えませんが、リアクションは前後左右取っていますからね。

佐々木)そのときに相手がスマホである必要はない。ロボットぐらいでいいのではないかということです。

飯田)なるほど。家にそういうロボットがいて……。

佐々木)もしくは見えないところにいて、空中に向かって喋って手を振り、それで操作できるなど、次に来るコンピューターの発想が言われています。スマホの時代は遠からず終わるでしょう。すぐには終わりませんが。

あらゆるコンピューターでAIが入り口になる

飯田)スマホまでは身体に密着していて、手で操作するなり、時計型だったり眼鏡型だったりしましたが、今後は部屋に置いて反応させるようなものになる。

佐々木)いまでも「Amazon Echo」のようなスマートスピーカーがあるではないですか。スピーカーに向かって「きょうの天気は何?」と聞くと、「きょうの天気は晴れです」などと答えてくれる。

飯田)「ハレデス」とか言いますね。

佐々木)あれは1回のやり取りしかできないけれど、AmazonはスマートスピーカーにChatGPTのような生成AIを組み込むと発表しています。例えば「君はソクラテスです。これから私と哲学の対話をしてください」などと言うと、スピーカーとの間で哲学の話を延々とできるようになるのです。現在、スマートスピーカーはあのような形ですが、マイクとスピーカーさえあればいいのだから、壁に埋め込まれたスピーカーでも構わないわけです。

飯田)あるいは音声だけBluetoothで飛ばしてしまえばいい。

佐々木)今後、ヘッドホンでもイヤホンでも構わないように変わっていくのではないかな。パソコンでもスマホでも、いままではタッチスクリーンなどからアイコンをタップしていたけれど、今後はあらゆるコンピューターでAIが入り口になるということです。

飯田)発想が転換される。

佐々木)そうです。当然、機器のあり方も変わらなければいけません。

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