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ぬか漬けの「ぬか」って何?

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年1月22日 11時20分

ぬか漬けの「ぬか」って何?

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(1月15日放送)に「味処 矢野」女将の矢野寿美子が出演。ぬか床(ぬかみそ)について、また、ぬか床を使った料理について語った。

矢野寿美子

矢野寿美子

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。1月15日(月)~1月19日(金)のゲストは「味処 矢野」女将の矢野寿美子。1日目は、ぬか漬けの基本について—

黒木)「味処 矢野」は北九州市の小倉にあります。小倉駅からすぐなのですか?

矢野)駅から歩いて7~8分です。

黒木)海鮮丼とぬか炊きの専門店だそうです。ぬか炊きというのは、北九州小倉の郷土料理なのですね。

矢野)いまは北九州市全体で取り上げていますけれど、小倉城の城下町で昔から普及してきた伝統保存食です。

黒木)私はお漬物を漬けたことがないので、ぬか床もぬかの意味もよくわかっていないのですが。

矢野)しっかり教えましょう。

黒木)よろしくお願いします。目の前に、ぬか漬けがあります。

矢野)塩漬けとは若干違うと思います。

黒木)きゅうりをいただきます。(ポリポリと食べる)ああ~、ご飯が欲しい。

矢野)あっさりして臭みがないでしょう?

黒木)確かに。

矢野)そして後味が甘い。トマトが美味しいのですよ。ぬか床の塩味がトマトの酸味と甘味を引き出すので、甘く感じる。

黒木)じゃあミニトマトを……(食べる)。うわあ、美味しい~!

矢野)でしょう? 一応生徒さんに教えているのですが、やっぱりミニトマトがいちばん評判いいですね。それとアボカド。

黒木)ぬか漬けと言われないでこれが出てきたら、「このトマトはどうやって料理したのですか?」と言いたくなります。

矢野)ありがとうございます。愛情込めて料理しました。

黒木)小倉から持ってきていただいて。

矢野)本当に美味しいですよ。

矢野寿美子

矢野寿美子

黒木)うちは漬物をあまり食べないのですよ。たまにドラマなどでいただくくらいで。こんなに美味しいものなのですね。

矢野)微生物がいい仕事をするのですよね。

黒木)ぬか漬けのなかで。

矢野)微生物が分子を細かくして野菜のなかに入り込み、美味しくしてくれます。

黒木)そして、体にもいい。

矢野)そう言われております。

黒木)こんなに美味しいお漬物は食べたことがないです。目から鱗が落ちました。

矢野)きちんと発酵させれば美味しいですね。熟成からくる旨味があるのです。

黒木)「ぬか」というのはそもそも何ですか?

矢野)お米は硬い殻がありますよね。そのあとに茶色い皮がついている。あれを精米して取るのですが、精米したときに出た、いわゆるカスを米ぬかと言うのです。白米にするとき、芽のところを全部削ってしまうので、「ぬかがもったいない」と言われました。昔、江戸時代に白米を食べるようになった際、「脚気」が増えたのです。それをお殿様が非常に悩んで、「脚気には玄米を食べた方がいい」ということでぬか床ができたとも聞いています。

黒木)「ぬか」と「ぬか床」の違いは何ですか?

矢野)ぬかに水と塩、香味野菜の唐辛子やゆずなどを入れ、混ぜて出来上がったものがぬか床です。床というのは、お殿様が大切に床の間に置いていたから「ぬか床」と言われた、という話も記述されております。すごく体にいい、大切なものとして扱われていたのです。江戸時代には「おささじ煮」という言葉がありましたが、「おささじ」はぬかみそを指していたそうです。

黒木)おささじ。

矢野)だから、ぬかみそで炊いた魚を「おささじ煮」と言うのだそうです。語源はわかりませんが。

矢野寿美子

矢野寿美子

矢野寿美子(やの・すみこ)/「味処 矢野」女将

■福岡県北九州市のJR小倉駅近くにある海鮮丼&ぬか炊き専門店「味処 矢野」。
■小倉の郷土料理「ぬか炊き」は、母が残し80年継いできた“ぬか”と、女将の工夫と研究で独自の味を実現。
■もともと漁師だった夫が始めた海鮮丼屋さん。夫の体調不良もあり、寿美子さんが切り盛りすることになったが、独自の味が人気で口コミでどんどん広まり、地元の人に愛されるお店に。
■本人はジャズシンガーでもあり、店ではジャズがかかっている。

<ぬか炊き(ぬかだき)>
■江戸時代から豊前国に伝わる、イワシやサバといった青魚をぬか床(ぬかみそ)で炊き込んだ北九州小倉の郷土料理。
■江戸時代初期、小倉城を築城し、豊前国を治めた細川忠興のころにぬか漬けが伝わり、その後の国替えで小倉藩主となった小笠原忠真もぬか漬けを好んで食べていたようで、小倉城下の人々へも推奨したことからぬか漬けが広まったと言われている。
■その後、北九州近郊で獲れる新鮮なイワシやサバをぬか床で炊き込んだ「ぬかだき」が保存食として食されるようになった。ぬか床はどの家庭でも非常に大切にし、小倉では嫁入り道具として代々親から子に受け継がれて40年、50年と経ったぬか床は珍しくなく、100年を超えるぬか床を持っている家庭も少なくない。

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