1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. スポーツ
  4. スポーツ総合

「リザーブを経験したからこそ……」 卓球パリ五輪シングルス代表内定を勝ち取った早田ひなと平野美宇、逃した伊藤美誠の同級生物語

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年1月29日 17時25分

「リザーブを経験したからこそ……」 卓球パリ五輪シングルス代表内定を勝ち取った早田ひなと平野美宇、逃した伊藤美誠の同級生物語

話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、早田ひな、平野美宇、伊藤美誠の2000年生まれの3人が繰り広げた、パリ五輪卓球女子シングルス代表選考にまつわるエピソードを紹介する。

【卓球全日本選手権】女子シングルス決勝でプレーする早田ひな=2024年1月28日、東京体育館(代表撮影) 写真提供:産経新聞社

【卓球全日本選手権】女子シングルス決勝でプレーする早田ひな=2024年1月28日、東京体育館(代表撮影) 写真提供:産経新聞社

卓球・全日本選手権、女子シングルス決勝。いまや「日本のエース」である23歳の早田ひなと、いま、最も勢いに乗る15歳の張本美和が激突。昨年(2023年)11月の試合では張本が大金星を挙げていただけに注目を集めたものの、終わってみれば早田が4-0のストレートで貫禄勝ち。2年連続3度目の日本一に輝いた。

そしてこの全日本選手権で、2年間に及んだパリ五輪の代表選考レースが終了。女子シングルス代表には、選考ポイントで2位に大差をつけた早田ひなが1位で内定。2位には同学年の23歳、東京五輪の団体メンバーだった平野美宇が個人では初の代表内定を勝ち取った。

そして、日本の女子卓球界を15歳のころから牽引してきた伊藤美誠は、選考ポイントで平野に及ばず、3位。たった3年前の東京五輪において、混合ダブルスで金メダル、女子団体で銀メダル、個人で銅メダルと、1大会で金・銀・銅メダルを独占した伊藤美誠がパリに出られないとは、3年前にはなかなか予想できなかった未来ではないだろうか。平野・早田・伊藤という2000年生まれの同学年3人にとって、光と影のコントラストが交錯する結果となった。

その選考レースの結果も含め、全日本選手権優勝後のインタビューで早田ひなが語った言葉が印象的だった。

『リオ五輪の時に平野選手がリザーブになって、東京五輪では私がリザーブで平野選手が3番手で。直結しているかは分からないけど、悔しい思い、リザーブという経験をしているからこそ、強い意志を持った2人だからこそ、つかみ取った切符だと思う』

~『スポニチアネックス』2024年1月28日配信記事 より(早田ひなの言葉)

同学年3人のなかで、最初に頭角を表したのは伊藤美誠だ。

2011年1月、10歳2ヵ月で出場した全日本選手権で初勝利を挙げ、それまで福原愛が持っていた史上最年少勝利記録を更新。国際舞台においても、2015年ドイツオープンで、ワールドツアー・シングルスの最年少優勝。2016年のリオ五輪では、オリンピック卓球競技史上最年少の15歳でメダリストになった。

そのリオ五輪でリザーブ、つまり補欠としてチームに帯同し、練習相手や玉拾いなどの裏方に徹したのが同学年の平野美宇だった。当時の経験と「悔しさ」について、平野は次のように語っている。

『代表から落ちて、攻める卓球に変えました。それが成績につながっている。凄い悔しくて、このままじゃダメだと思ったんです』

~『スポニチアネックス』2017年4月25日配信記事 より(平野美宇の言葉)

その言葉通り、「攻める卓球」へとシフトチェンジした成果は、リオ五輪の直後からすぐに結果となって表れる。2016年10月の女子ワールドカップでは、史上最年少の16歳で初優勝。2017年1月の全日本選手権・女子シングルスでは、当時大会3連覇中の石川佳純を破り、史上最年少16歳9ヵ月での初優勝を達成。その後も「ハリケーン平野」の異名で結果を残し続け、個人での出場こそ叶わなかったものの、団体メンバーとして東京五輪出場へとつなげたのだ。

そんな平野と入れ替わるように、東京五輪でリザーブを務めたのが早田ひな。彼女もまた、「リザーブ経験後からの大躍進」という、平野と同じような成長曲線を辿る。

東京五輪直後の2021年10月、卓球アジア選手権において個人、女子団体、混合ダブルスのすべてで優勝を果たす「アジア選手権3冠」を達成。日本勢の3冠は47年ぶりの快挙だった。さらに、11月の世界選手権では、伊藤美誠と組んだダブルス、張本智和と組んだ混合ダブルスでともに銀メダル。その後の国際大会でも安定した成績を収めるようになったのだ。

同学年の3人が2年間に及ぶ過酷な選考レースを繰り広げたことについて、早田ひなは「なぜ2枠しかないのか」と率直な思いを口にしつつ、こんな言葉も残している。

『勝った人も負けた人もこの経験をへて、人としても、卓球としても成長していく。私も東京五輪のときは悔しい思いをした。それが卓球人生の面白さ』

~『中日スポーツ』2024年1月27日配信記事 より(早田ひなの言葉)

選手としても人としても競い合いながら成長を続ける選手たち。だからこそ、見る者にも感動を与えるのだろう。

そして、リザーブの立場から這い上がった早田ひなと平野美宇の存在を知れば、来月(2月)発表される「女子3枠目(団体メンバー)とリザーブの行方」も気が気でない。

有力視されているのは、五輪代表選考ポイントで3位につけて経験豊富な伊藤美誠と、選考ポイントは4位ながら伸び盛りの15歳、張本美和の2人。伊藤美誠は団体メンバー辞退の可能性も示唆しているが、どちらが選ばれようとも、パリ五輪に向けた経験はその後の卓球人生に大きな影響を及ぼすはずだ。

パリ五輪の卓球代表男女各3人は、来月2月5日に発表される。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください