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「連座制」などと生ぬるいことを言わないで、直接トップが責任を取ればいい 高橋洋一が指摘

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月1日 11時35分

「連座制」などと生ぬるいことを言わないで、直接トップが責任を取ればいい 高橋洋一が指摘

衆院予算委員会の冒頭で自民党派閥の政治とカネに関し陳謝する岸田文雄首相=29日午前、衆院第1委員室(春名中撮影)

数量政策学者の高橋洋一と外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が1月30日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。「政治とカネ」について解説した。

衆院予算委員会の冒頭で自民党派閥の政治とカネに関し陳謝する岸田文雄首相=29日午前、衆院第1委員室(春名中撮影)

国会で「政治とカネ」をめぐる集中審議 岸田総理は「連座制」導入検討を表明

岸田総理大臣は1月29日、「政治とカネ」を議論する衆参両院の予算委員会の集中審議で、自民党派閥の政治資金規正法違反事件に関与した議員らから事情聴取するよう党幹部に指示したと明らかにした。また岸田総理は、政治資金問題で会計責任者だけでなく、議員も処罰対象となる「連座制」の導入を与野党で協議する意向を示した。

会計責任者を設けるということはトカゲのしっぽを切るための制度

高橋)「何をするべきか」を考えれば簡単ですが、皆さん、いろいろなことを言いますよね。民間であれば有価証券報告書というものがあります。その記載がどうなっているかを見ればいいだけです。「会計責任者を設けている」という段階でトカゲのしっぽ切りなので、その規定を抜かすと団体の法人格があるのですが、その長にいき、政治家にいくのです。

飯田)なるほど。

高橋)もう1つ、政治資金にすると非課税になるのです。だからみんな泡を食って修正する。「修正すれば非課税になって税金を払わなくていい」という理屈は、普通の人からするとわけがわからないですよね。だから、非課税の措置を取ってしまえばいい。そうすれば民間と一緒で、領収書を残さないとアウトになります。

飯田)税務調査が入るということですよね?

高橋)そうです。それがいちばん簡単です。そういうシンプルな話を誰もしないので、本当に不思議です。

連座制などと生ぬるいことを言わないで、直接トップが責任を取ればいい

宮家)連座制にすればいいのでしょうか?

高橋)連座制どころか、普通の企業では連座制がなくても、代表取締役が捕まるだけです。

飯田)脱税で捕まるということですね。

高橋)脱税というか、資金報告書に関する違反でも捕まります。あえて言うと会計責任者をつくるのは、トカゲのしっぽ切りをするための制度なのです。それなら「会計責任者を政治家にしろ」と思います。きちんとしたトップを責任者に上げれば、緊張感が走りますよね。これをやると「怪しい秘書が来て、寝首を掻かれるから困る」と政治家は言いますが、それは民間でも一緒です。怪しい人を使ったらその段階でアウトです。なぜこういう議論なのでしょうか。連座制などと生ぬるいことを言わず、直接トップが責任を取ればいいと思います。

宮家)そうなると政治のルールが変わりますね。

領収書を切りたくない場合は「税金を支払う」という仕組みにすればいい

宮家)言いにくいことを敢えて言うと、やはり政治には金が掛かるのです。(お金を)もらっても領収書を出したくない人がいたり、資金を提供しても名前を出したくない人がいる。それがいままでの政治だったのです。ある人が言っていたのですが、選挙区のなかで陣中見舞いを配る場合、ある人には配らず、ある人にはあげる、ある人にはもっとあげる……、ということにならざるを得ない。それを全部透明化してしまったら「政治はできなくなる」と言う人もいます。となると、派閥の解消というよりも透明性の問題、もしくはカネの出入りの責任をどこに置くかという話になるのです。しかし、アメリカや欧米が透明かと言うと、全然透明ではありません。

飯田)欧米でも。

宮家)1976年からアメリカの連邦議員がお金のことで何人辞めているのかを調べてみたら、40人以上辞めていました。実は政治活動委員会(PAC)やスーパーPACがありますので、あまり透明性がないのです。そうなると、日本ではどこまでやるのか。確かに連座制改め、責任をトップに持ってくることは正しいのですが、いままでの政治のルールは相当変わってくるでしょうね。

高橋)公職選挙法はもともと連座制になっています。あと、民間企業でも領収書を切りたくない場合があるけれど、税金を払えば終わります。そのような考えもあるのですよね。民間企業にも取り引きの秘匿があり、必ず言いたくないことが存在しますので、税金を払えば終わるような仕組みにすれば、それはそれで回るのですよね。

飯田)税金を払えばいいと。

高橋)税金を払わないから庶民は腹を立てているわけです。いまは確定申告の前ですよね。「見つかったら修正申告すれば無税、非課税です」となったら、それは絶対に……。財務省をうまく使い、非課税にして政治家の首根っこを押さえてしまうのです。本当は脱税で摘発できるのですが、政治家の首をしめて寸前のところで止めることもできます。修正申告したから非課税になるかと言うと、必ずしもそうではなく、インチキをしていたのですからもともと脱税ですよね。

飯田)脱税。

高橋)だから捕まえることもできるけれど、寸前で止めるわけです。それも変だと思いますので、税金を払えばすっきり爽やかですよね。

政党交付金の資金使途についても、領収書で明らかにできないものについては税金を払うようにすればいい

高橋)政党交付金の資金使途に関する議論がありますが、第三者的な監査機関が1つあればうまく回るとは思います。必ずしも領収書で全部明らかにしなくても、税金を払えばいいという方向に割り切ればね。

飯田)政治にお金が掛かるので、お金を用意できる人は参加できるけれど、「お金がないと参加できない」という状態になるのはよくないですよね。

宮家)それもありますよね。それではルールが変わってしまうのです。

高橋)国民を納得させるのは原則課税だと思います。原則課税にしたとしても普通の法人税ですので、少し払うだけなのです。

飯田)法人税の対象に政治団体も入れるということですか?

高橋)いまは政治資金収支報告書に書くと、政治資金だから非課税と書いてあるのですよね。そこを直せば、かなりの……。

税務当局は政治活動のお金の流れをすべてわかっている

宮家)税務当局は政治活動について、全部お金の流れがわかるということですか?

高橋)もともとわかっているでしょう。今回の話も、地検が捜査するときは全部当局と一緒に行っていますから。お金の流れは検察では調べられないので、協力していると思います。

飯田)そこを突き詰めすぎてしまうと、今度は税務当局が政治をコントロールできる状況になってしまいますよね。あるいは既にそうなのでしょうか?

高橋)既にそういう状況です。今回、政治資金だけで立件されない人がいますが、あの人たちは税務当局に握られている状況です。悪いことをしたら握られます。

飯田)そのガバナンスをどうするかも考えておかないと、民主主義全体が危機に陥ったら、そういう使い方もできますよね。

高橋)選挙が近くなったとき、大蔵省から「いいネタはないか?」と言われた場合、私が少し流してしまえば落ちますからね。いまでもそういう状況です。逆に政治家は、クリーンにしておけば何もない世界です。

宮家)昔、大蔵省の友人が「気に入らない政治家は税務調査にかけてやる」と言っていましたよ。

隠したいお金については税金を掛けるようにする

高橋)簡単ですよ。選挙が近くなると必ず握るのです。逆に言えば政治家は身ぎれいにしておけばいいのですよ。隠したい話については税金をよけいに払うというのが、仕組みとしては安定的なように私は思いますね。

宮家)そうかなあ。

飯田)結局、仕組みをどう変えるかということと、どこまできれいにできるかということでしょうか?

宮家)別に汚いという意味ではないのです。企業も同じですが、政治において円滑に物事が決まるようにするため、きちんとうまく制度化することが大事なのでしょうね。

高橋)取り引きの秘匿はどこでもありますよね。それで「やり得」になるから腹が立つのです。余計に税金を払っているなら、それっきりですからね。

飯田)今国会のテーマになるところでしょうか。

高橋)でも、こんなことをやっている場合ではないですよね。

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