「ボロを着ていては人々は話を聞いてくれない」 仏教の教えから学んだ「着飾ることの大切さ」 メイクアップアーティスト・僧侶 西村宏堂
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月1日 11時20分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(1月25日放送)にメイクアップアーティストで僧侶の西村宏堂が出演。LGBTQ+(プラス)として生きていくことについて語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。1月22日(月)~1月26日(金)のゲストはメイクアップアーティストで僧侶の西村宏堂。4日目は、観音菩薩の教えとLGBTQ+について—
黒木)宏堂さんは2021年、アメリカの雑誌『TIME』で「次世代リーダー」21人に選出されました。
西村)受信ボックスに「興味はありますか?」というメールがきたのです。「何だこれは!」と思ったら、そのリーダーに選ばれて、雑誌にも「ドンッ」と載って、ウェブサイトで動画も紹介していただきました。
黒木)やはりLGBTQ+の活動家として、また僧侶として活動なさっていることも大きいですよね。
西村)いままでみんなが思っていた僧侶の姿をアップデートしている、ということで選んでもらったのかなと思います。
黒木)印象的だったのは、観音菩薩についてのエピソードです。とても華やかなのですよね?
西村)仏教と言うと、質素でミニマムで厳格な印象があるではないですか。私もそれが嫌だったのです。本来の自分と真逆の方に押し込められてしまうのではないかと思い、窮屈に感じていました。
黒木)仏教を。
西村)華厳経というお経のなかに、冠をつけて煌びやかな格好をしている観音菩薩がいらっしゃるのです。「私のように素晴らしい菩薩になりたいのであれば、荘厳な身なりと、頭脳明晰で力強い体、素晴らしい優秀なお付きの者をつけていることが大事です。そうでなかったら、あなたのことを人は尊敬してくれないでしょう。みんなが素敵だと思ってくれるからこそ、あなたは人にメッセージを伝えて導くことができるのです。もしボロを着ていたら、誰が話を聞くでしょうか」という教えがあったのですね。
黒木)華厳経のなかに。
西村)私の父は仏教の哲学者だったので、「こんなのもあるよ」と教えてくれたのです。「仏教は知れば知るほど、いろいろな教えがあるのだな」と思いました。必ずしも着飾ることがいけないわけではないと思います。土曜日の朝からパジャマを着たままでずっといると、気持ちがだらんとして、テキパキ動けないですよね。
黒木)なかなか着替えずに。
西村)洋服によって自分の行動や考え方も変わると思うのです。観音様の教えから、「着飾るのは悪いことではないのだ」と学びました。
黒木)それもあって、西村さんは「ハイヒールを履いた僧侶」と呼ばれています。LGBTQ+の活動については、世界的には広がっているのですか?
西村)昔と比べたらよくなってきていると思います。日本でも同性パートナーシップがありますし。日本はそれほど悪くないと思うのですよ。というのも、ニューヨークはすごく進んでいる印象ではないですか。でも、私がイヤホンで音楽を聴きながら歩いていたら、何だか床がカチカチ鳴るので、イヤホンをとったら小さい男の子が私に向かって石を投げていたのですよ。
黒木)ええ!
西村)「当たったらどうすんねん」と思いましたね。また、道を歩いていたら“Are you a man or a woman?(あなたは男か、女か)”と怒鳴りつけられたこともありました。でも日本では石を投げてくる人はいないし、怒鳴ってくる人もいない。
黒木)そうですね。
西村)逆に、アメリカでは「すごくメイクが素敵ね」と言われたこともあります。“You give me a life!”……直訳ですが、「あなたの有様は私に人生をくれる」と、すごく褒めてくれる人もいる。日本はうるさくもないし、大きな声で応援する人もそんなにいませんが、穏やかな印象ですかね。どんな国、どんな地域であっても、「そういう人もいるよね」と安心して生きていける社会がもっと増えていくといいなと思います。
西村宏堂(にしむら・こうどう)/メイクアップアーティスト・僧侶
■1989年・東京生まれ。実家は都内にある浄土宗寺院。
■ニューヨークのパーソンズ美術大学を卒業後、ミス・ユニバース世界大会などで各国代表のメイクを行うなど、メイクアップアーティストとして活動。ハリウッド女優やモデルも担当し、世界的な活躍を続ける。※日本での美容師免許は取得していない。
■2015年、僧侶として修業し、浄土宗の認定を受ける。
■LGBTQ+の当事者でもあり、自分の経験を活かし、ニューヨーク国連本部やイェール大学で講演。啓発のためのメイクアップセミナーを行うなど幅広く活動。NHKや英BBCでも紹介されるなど、国内外から注目を集めている。2021年にはアメリカの雑誌『TIME』で「次世代リーダー」21人に選出された。
■2022年末には「紅白歌合戦」の審査員として出演し、話題を集めた。
■2023年9月号の『VOGUE JAPAN』で、コロンビア人の男性とパートナーシップを結んだことを発表。
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