森永卓郎の新刊『ザイム真理教』刊行を、大手出版社が断った「大人の理由」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月7日 11時20分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(1月31日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。『ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト』を出版した経緯について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。1月29日(月)~2月2日(金)のゲストは経済アナリストの森永卓郎。3日目は、『ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト』を出版した経緯について—
黒木)2023年に刊行された『ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト』ですが、去年(2023年)の6月に出て、もう16刷りなのですね。
森永)いま18刷りで、11万7000部まできました。でも、大変だったのですよ。私はこれまで100冊以上の本を出しているので、「どこか出してくれるだろう」と思い、今回は出版社を決めずに書いていました。ところが、原稿を書き上げて編集者に見せたら、大手出版社の編集者は「嫌だ」と出版を断ってきたのです。ですので、実は1度、出版自体を諦めました。
黒木)そうなのですね。
森永)最後に一縷の望みを賭けて、三五館シンシャの社長・中野長武さんに原稿を送ったのです。すると中野さんからすぐに返信が来て、「これは世に問うべき本だ。うちでやりましょう」と。「僕はこの出版社を1人でやっているので、犠牲者は僕と森永さん2人です。2人でやりましょう」と言ってくれて、日の目を見ることになりました。
黒木)言論の自由が急速に失われてきたことは、森永さん自身が肌で感じていらっしゃるから、新聞やテレビの番組でも……。
森永)ラジオは比較的、大丈夫なのですけれど、テレビは軒並み降ろされました。
黒木)「この本を出そう」と思われたのは、日本がいい国になって欲しいからですよね?
森永)このままだと、国民負担率は上がる一方なのですよ。以前は「国民負担率100%になって、稼いでも全部持っていかれるぞ」と言っていたのですが、それは間違いでした。カルト教団は収入の全部を献金させるだけでは済まず、家を売らせたり貯金を解約させたりして、そこからも貢がせます。だから「国民負担率百数十%」があり得る社会なのです。
黒木)収入の100%を持っていかれるだけでなく、このままだと100%以上になってしまう。
森永)そうです。「そんな国でいいのか?」と思います。
黒木)でも、それをわかっている政治家はいないのですか?
森永)わかっているのですが、みんな信者になってしまうのです。なぜかと言うと、民間の学者もそうですが、国税庁というのが財務省の外局として存在します。そこに逆らうと税務調査が入ってくるのです。税務調査は裁量行政なので、何を経費とするかは国税調査官の自由なのです。
黒木)自由なのですか?
森永)だから経費を全否認できる。例えば私もそうですが、どこかで講演したり、ロケで地方に行くことがあります。そのまま仕事だけして帰ってくれば問題ないのですが、せっかくなので美味しいものを食べたり、観光もしたいわけです。でも、ロケのなかで仮に1%でもそういう個人的な欲望を混ぜると、(国税調査官は)経費を全部否認できるのです。
黒木)つまり、肯定することも否認することもできるのですか?
森永)そうです。あっという間に経費がなくなってしまい、全部が課税対象になる。しかも「税金を申告しなかった」という形で、重加算税まで掛けられるのです。
黒木)ええ!?
森永)そういう世界です。だからみんな(財務省が)怖くて、本当のことを書いた本を出そうとする人はいませんでした。実はもう1冊、病床で書いたものがあるのですよ。
黒木)新しい本があるとおっしゃっていましたね。
森永)そちらはもっとやばいです。
黒木)ええー! タイトルは?
森永)タイトルは『書いてはいけない』。
黒木)(笑)書いてはいけない。そちらの本も楽しみにしておきます。
森永卓郎(もりなが・たくろう)/経済アナリスト
■1957年生まれ。66歳。
■1980年に東京大学経済学部を卒業したのち、日本専売公社、日本経済研究センター、経済企画庁総合計画局等を経て、1991年から三和総合研究所(現:三菱東京UFJリサーチ&コンサルティング)の主席研究員を務める。
■90年代から経済アナリストとして数多くのメディアで活動。2003年には著書『年収300万円時代を生き抜く経済学』がベストセラーに。その鋭いコメントやわかりやすい解説が注目を集め、人気を博している。
■2006年からは獨協大学教授に就任。
■専門分野はマクロ経済学、計量経済学、労働経済。その他に、金融、恋愛、オタク系グッズなど、多くの分野で論評を展開している。
■ミニカーなど、さまざまなコレクターとしても有名で、自身のコレクション約12万点以上を展示する博物館「B宝館」も運営している。
■2023年12月27日、ステージ4の膵臓がんであることを公表。入院して治療を受けていたが、現在は退院。
■2023年5月には『ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト』を出版。
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