35歳で現役復帰、36歳で代表復帰 パリ五輪出場を目指すバスケ女子日本代表の切り札、吉田亜沙美
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月8日 17時20分
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、パリ五輪出場を目指すバスケットボール女子日本代表のチーム最年長、昨年(2023年)現役復帰した吉田亜沙美選手にまつわるエピソードを紹介する。
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『この年になっても日本代表でバスケットができることを示したいと思うし、いろんな人に自分がバスケットをすることで夢とか希望とか、自分もやれるんだということを伝えていきたいと思います』
~日本バスケットボール協会 公式Facebook(2024年1月11日投稿動画)より
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2月8日からハンガリーで開催される、パリ五輪出場をかけたバスケットボール女子世界最終予選。その代表メンバーが日本時間7日に発表され、36歳の吉田亜沙美が4年ぶりに国際舞台に復帰することが決まった。リオデジャネイロ五輪ではキャプテンとして日本代表を引っ張ったレジェンドがパリ五輪へ向けて動き出す。
何がすごいといえば、吉田は過去に2度も現役引退を表明し、昨年4月、35歳で2度目の現役復帰を果たしたばかりだからだ。
2019年3月に最初の引退をした際は、半年後にすぐ現役復帰を宣言。だが、東京五輪の1年延期の影響により、2021年1月に2度目の引退を表明。当時すでに33歳だったこともあり、その決断は重いものと感じていた。
にもかかわらず、35歳での現役復帰からわずか半年で日本代表にも復帰したのだから、いかに彼女が特別な存在かがよくわかる。
2度目の引退当時、その理由を吉田本人はこう語っていた。
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『東京オリンピックの延期が決まり、正直、私の年齢での1年って長いなと。そこまで気持ちと体がもつかというのが心配でした。自分がバスケットボールをやりたいのか、オリンピックに向けてやり切れるのか。それとも気持ちがもう付いてこないのか。そういった選択肢の中で迷っていました』
~『月刊バスケットボールWEB』2021年1月31日配信記事 より
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「私の年齢での1年って長い」と語った33歳の吉田は、35歳での現役復帰に際して、次のように語っている。
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「『今しかできないことって何だろう』と考えたときに、この先何が起こるか分からない人生の中で、目の前にチャンスを与えてもらった。これがあと1、2年でも延びたら難しいだろうなと考えると、復帰は今しかできないことだと思った」
~『バスケットボールキング』2023年5月30日配信記事 より
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36歳、チーム最年長で日本代表に参戦……と聞いて思い出すのはちょうど1年前、チーム最年長36歳で侍ジャパンに参加し、チームの精神的支柱として支えたダルビッシュ有の存在だ。
また、サッカーカタールW杯でも、36歳の長友佑都がフィールドプレーヤー最年長で選出。「ブラボー」の流行語でチームを盛り上げ、決勝トーナメント進出に大きな役割を果たした。
ダルビッシュも長友も、ともにメンター的な役割を果たし、チームの躍進を担ってくれた。もちろん、ダルビッシュは、トップメジャーリーガーとして戦力面も見込まれての選出。長友もW杯本番で全試合スタメン出場を果たし、誰よりもピッチを駆け回った。戦術・戦略・精神面の全てにおいて頼れるベテランの存在がいかに必要か、ということを証明してくれたわけだ。
同様に、精神的支柱として、そして司令塔として、世界最終予選を戦い抜くための役割が求められている吉田亜沙美。その役割がわかっているからこそ、吉田自身も代表への意気込みを次のように語っている。
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『最年長なのでチームの雰囲気づくりなども必要になってくると思うので、その手助けを今年もキキ(林咲希選手)がキャプテンだと思いますが、キキをサポートしながらやっていきたいです』
~日本バスケットボール協会 公式Facebook(2024年1月11日投稿動画)より
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もちろん、吉田には五輪出場権を勝ち取った先も、まだまだ頑張ってもらいたい。可能性に満ちた若き才能の活躍も、全盛期を迎えたアスリートの自信に満ちたプレーも見ていてワクワクするが、経験に裏打ちされたベテランがもがきながら役割を探す姿もまたスポーツの醍醐味だからだ。
吉田亜沙美自身は今後の選手としての夢を聞かれた際、次のように答えている。是非とも応援したい。
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『私みたいな選手が増えてくれれば良いと思います。一度引退したからといって復帰できないわけではないですし、見ている方々にも、もう一回頑張ってみよう、勇気を出してみようと思ってもらえるようなプレーをしたいです。感動や勇気を与えられれば』
~『バスケットボールキング』2023年10月13日配信記事 より
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