日本のバブル崩壊時よりも酷い中国経済 「中国の今後のシナリオ」を考える必要がある
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月8日 17時30分
![日本のバブル崩壊時よりも酷い中国経済 「中国の今後のシナリオ」を考える必要がある](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_494295_0-small.jpg)
中国の習近平国家主席(ベトナム・ハノイ)
地政学・戦略学者の奥山真司が2月8日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。中国経済の実態について解説した。
![中国の習近平国家主席(ベトナム・ハノイ)=2023年12月13日 AFP=時事 写真提供:時事通信](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2024/01/jpp047352268RS.jpg)
中国の習近平国家主席(ベトナム・ハノイ)=2023年12月13日 AFP=時事 写真提供:時事通信
アメリカの輸入相手、中国が17年ぶり首位転落
米商務省が2月7日に発表した2023年の貿易統計によると、アメリカの輸入相手で中国が17年ぶりに首位から外れた。また、日本や韓国、ヨーロッパなどでも中国への貿易依存度が下がっており、2023年までの5年間で中国貿易に占める各国の比率は0.1〜2.5ポイントほど下落した。
日本のバブル崩壊時よりも酷い中国経済の現状
奥山)知り合いのハーバード大学のシンクタンク研究員が、2ヵ月間ほど中国へ調査に行ったそうです。東京で飛行機を乗り換えるということで、その際に会いました。そのとき聞いた話では、中国は完全にバブル崩壊の状況で、下手をすると日本のときよりも酷い状態だと言うのです。
新行)日本のバブル崩壊よりも。
奥山)彼は中国で現地調査を行っているのですが、現地の通訳を雇って、いろいろな人に同じ質問をするのです。「あなたのいまの給料はここ半年くらいどうですか?」「この先は明るくなると思いますか?」「中国経済を全般的にどう思いますか?」など、いろいろなところで質問する。しかもお店のオーナーのような人だけでなく、一般に働いている人や屋台の人たちも含めて、とにかくいろいろな人たちに話を聞くそうです。
公務員の給料が25~50%下がっている
奥山)工業化されていて、農業も豊かな全国平均の都市のようなところがあるではないですか。日本で企業がマーケティングを行うときは、よく静岡をモデル都市にしますが、そこでのデータを全国平均にするのです。彼の場合、北京の下の方に電車で3時間半ほど行くと河南省がありますが、そこでいつもインタビューするそうです。
新行)河南省をモデル都市として。
奥山)彼は2023年3~5月にも調査しているのですが、わずか半年くらいの間に経済状況がとんでもないスピードで悪化していたのです。公務員の人たちの給料が平均25~50%下がっているそうです。
新行)たった半年で。
奥山)酷いところだと給料も払われていない。彼は中国版の新幹線でいろいろなところに行くのですが、ほとんど乗っている人がおらず、いままで外国人が来ていた上海などの大都市でも、夜7時半になるとお店が閉まってしまう。本当に彼らがお金を払えないような状況に陥っているのです。単純に言うと、我々のすぐ隣に経済的なブラックホールができているような状況だと教えてくれました。
「これから中国はどうなるのだろうか」というシナリオを考える必要がある
奥山)「これから中国はどうなってしまうのか?」というシナリオを、我々は考えなければいけないと思います。なぜこれほど中国にお金がないかと言うと、1つには不動産の問題があります。いままで彼らは家計資産の約8割を不動産に突っ込んでいました。その不動産が飛んでしまい、なおかつ購入したマンションの建設も止まっている。資産の約8割の価値がなくなったような状態です。それに加えて、給料が半分になるという状況が大多数の人に出ています。
ダボス会議で中国への投資を訴えた李強首相
奥山)先日、スイスでダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)が行われましたが、そこで中国のナンバー2と言われる李強首相が「中国に投資してください」と演説したのです。ダボスには中国側の経済官僚などがたくさん来ていたそうです。自分たちの国が、バブル崩壊時の日本以上に悪い状況だとわかっているからこそ、外交において「積極的に投資してくれ」と言いに来たのではないかと言われています。
新行)営業しに行ったということですか?
奥山)そうかも知れません。ところがダボスでは、政治的リスクが大きいので冷たくあしらわれたようです。そう考えると、日本にもこれからデフレ圧力のようなものが掛かってくるかも知れません。外に対して意外に大人しく出るのか、それとも積極的に出るのかはわかりませんが、今後いろいろな動きが中国から出てくることは、ある程度想定しておく必要があります。
中国からの訪日客も減少
新行)そのような状態で春節を迎えようとしています。いつもだと大移動というような見出しが出ますが、今回はどうなるのでしょうか?
奥山)外に対しては、「まだ中国経済はいいですよ」とアピールする部分はあると思います。ただ、先ほどの研究員の話を聞くと、そんなにお金を使えるような状況ではない。中国からの訪日客も相当減っていると聞きます。そのような意味では、中国がこれから消費に対して慎重になる状況は避けられないと思います。
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