中国公安事情 「振り返れば“ヤツ”がいた」現地で25回拘束された元特派員が過去を生々しく語る
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月8日 18時30分
![中国公安事情 「振り返れば“ヤツ”がいた」現地で25回拘束された元特派員が過去を生々しく語る](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_494507_0-small.jpg)
キヤノングローバル戦略研究所主任研究員でジャーナリストの峯村健司氏が2月8日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。朝日新聞中国総局北京特派員として中国国内で取材活動をしていた時代に公安当局に25回拘束されたことを明かしたうえで、「振り返れば、いつも“ヤツ”がいた」と過去の体験を生々しく語った。
![北京市内の「白紙運動」の現場付近を警戒する公安当局 2023年11月27日夜 写真提供:時事通信社](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2024/02/jpp047207579RS.jpg)
北京市内の「白紙運動」の現場付近を警戒する公安当局 2023年11月27日夜 写真提供:時事通信社
香港政府は1月30日、スパイ活動や国家機密の窃取などを禁じる「国家安全条例」の制定の作業を始めることを発表した。中国政府が2020年に施行した、香港における反政府活動を禁じる「国家安全維持法」を補完する狙いがある。
峯村)私は朝日新聞の記者時代に北京特派員として6年間、中国国内で取材活動をした経験があります。安全保障問題に関することを主に取材していましたが、中国の公安当局に25回、お世話になっているというか、拘束されました。
辛坊)朝日新聞は産経新聞などに比べると、中国共産党の覚えはめでたいはずですが、お目こぼしをしてもらえなかったんですか。
峯村)最初の頃は、朝日新聞であることを思いっきり利用していました。しかし、だんだん疑われるようになってきたんです。外務省の報道官によく呼びつけられ、「お前は朝日新聞の輝かしい伝統を傷つけている」と怒られました。「お茶を飲む」という隠語があるんですが、「お茶、飲むぞ」と言われると、「あっ、また来たか」という感じでした。
辛坊)中国の公安当局に捕まると、どんな目に遭うんですか。
峯村)まず、取調室に連れて行かれます。
辛坊)どんなシチュエーションで捕まったんですか。
峯村)たいていのケースでは、振り向くと、こわもてのおじさんたちがいるんですよ。
辛坊)「公安」と書かれた腕章などを着けているんですか。
峯村)一切、着けていないです。私服のような人たちです。
辛坊)一番驚いたのは、どのような場面ですか。。
峯村)ステルス戦闘機「殲20(J20)」を撮影したときです。この戦闘機は今、飛んでいる最新鋭の戦闘機です。私はこの戦闘機の撮影に初めて成功しました。いわゆるスクープですね。それで、取材班で打ち上げをして酒を飲んでほろ酔い気分になり、「そろそろ帰ろうか」というタイミングで振り向いたら、“ヤツ”がいました。
辛坊)それで、どうなったんですか。
峯村)一瞬で酔いが覚めました。その後は、「こちらへ」と言われ、ワゴン車に乗せられて公安当局の取調室に連れて行かれました。取調室には2人組のこわもてのおじさんたちがいて、ガンガン取り調べを受けました。
辛坊)取り調べは中国語ですか。
峯村)中国語です。
辛坊)峯村さんは中国語ができるからいいでしょうが、できない日本人はどうなるんですか。
峯村)それは大変ですよ。このときは四川省の田舎でしたので、日本語が話せる現地人はなかなかいませんから、取り調べにあたる彼らにもはなから通訳なんて発想がないんです。しかも、彼らには四川省なまりがあったんです。私は中国語には自信があったほうなのですが、なまっているので、「えっ?」という部分がかなりありましたね。
辛坊)それで容疑がはれて釈放されたんですか。
峯村)釈放されるまで9時間ぐらいかかり、こってり取り調べられました。トイレに行くときも、ご丁寧について来られ、トイレの中まで入ってきました。この体験は中国で反スパイ法ができるより前の出来事です。ですから、仮に今、中国で取材活動をしていたならば、このスタジオにはいなかったと思いますよ。
辛坊)反スパイ法がありますからね。中国当局の許可なくステルス戦闘機の写真を撮って日本に報道したら、アウトですね。
峯村)間違いなくアウトです。
辛坊)終身刑は間違いないですね。
峯村)複数の死刑判決が出るかもしれません。
辛坊)えらく大変な国ですね。
峯村)大変でした。取り調べでは、私を日本政府のスパイだとかアメリカ政府のスパイだとか、無理やりそっちの方向へもっていこうとするんです。そして、「サイン(署名)しろ」と言ってきました。もちろん、「サインは嫌だ」と突っぱねましたよ。その押し問答が何時間も続くわけです。
辛坊)そこでサインすると、自白したと捉えられ、取り返しのつかないことになる恐れがあるわけですよね。
峯村)調書の文面には、「全て私が悪うございました。好きにしてください」というようなことが書かれてあるんです。ですから、サインなんかできませんよ。
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