「1杯250円のラーメン店」 なぜ激戦区・水戸で安価実現できたのか?
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月15日 17時25分
![「1杯250円のラーメン店」 なぜ激戦区・水戸で安価実現できたのか?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_495127_0-small.jpg)
それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。
![250円ラーメン](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2024/02/48351d4c492fe2f5bc3eae4614a09d70.jpg)
250円ラーメン
ラーメン業界には「1000円の壁」があるそうです。ラーメン1杯が1000円を超えると値段が高いのでお客さんが離れ、1000円以下にすると材料費、人件費、光熱費の高騰でやり繰りできない。「1000円の壁」の狭間で廃業するラーメン店が増えています。
そんななか、茨城県水戸市に250円のラーメン店がオープンしました。店名は「ラーメン・餃子250」。店主は村上英雄さん・33歳です。
実家は、市内の飲食店に中華麺や餃子の皮を卸す老舗の「松月製麺所」。長男の村上さんは6代目になりますが、大学を卒業すると「家は継がない!」と言って、つくばのIT企業に就職します。その後、独立して起業しますが、コロナ禍で経営がうまくいかず……2年前、水戸に戻ってきました。
![厨房でラーメンをつくる村上さん](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2024/02/f4dcfd4dc3689b48f3c0685b32a7cd26.jpg)
厨房でラーメンをつくる村上さん
かつて実家の製麺所は十数人の従業員を雇っていましたが、現在は父親が闘病中で、母親が1人で麺を製造しています。「家は継がない」とは言ったものの、母親をどうにか助けたい。「どうしたらいいものか」と考えていたとき、村上さんはひらめきます。
子どものころの夢は「ラーメン屋さんを開くこと」でした。「水戸黄門もラーメン好きだった」と言うだけあって、水戸はラーメンの激戦区です。そこで店を開くとしたら、どこがいいのか。企業経営やマーケティングが専門の村上さんが選んだのは、歓楽街の「栄町」でした。
「夜の街なので、昼間はすべてのお店がシャッターを下ろしているんです。そこで250円のラーメン店を出したら、逆に目立つでしょう? SNSでお客さんが広めてくれるので、宣伝費も広告費もかからない。絶対にうまくいく自信がありました」
![3つのこだわりを掲げています](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2024/02/fdf69c24ae432095ac2ca276a64e1316.jpg)
3つのこだわりを掲げています
しかし、問題は開店資金が足りないことでした。知人や友人に話を持ちかけても「やめとけ」「失敗する」「絶対無理」と、99%が反対意見。「飲食店の経営はそう甘くないよ」と言われると、村上さんの気持ちも揺らいでいきます。
「ラーメン屋さんで働いたこともない自分が、店を開くのは無謀なのか」
諦めかけていたとき、ふと耳にした曲が、ラップとギターのユニット「MOROHA」の『革命』でした。その歌に心を打たれた村上さんは、「諦めちゃダメだ。いまこそ自分の革命のときだ!」と気持ちを奮い立たせます。
以前勤めていたIT企業の同僚に会い、自分の夢や店を開くための戦略を熱く語ったところ、同僚だった2人が「250円のラーメンか、いいじゃないか。やってみろよ、応援するから!」と言ってくれました。こうして「ラーメン・餃子250」は開店の運びとなります。
![手作り餃子(4個)](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2024/02/6f750f07baec13e6ee708a9b6cbc4580.jpg)
手作り餃子(4個)
2月1日、開店初日の朝10時……お店の前には長い行列ができていました。次の日も、明くる日も、ずっとお客さんが絶える日はなく、予想を超える反響でした。
ところが、またまた困ったことが起きます。予定していたラーメンや餃子の数が午前中にハケてしまい、営業時間にもかかわらず「完売御礼」を出すことも。並んでいたお客さんから「お昼前に何で店を閉めるんだよ」と怒られたこともありました。
「まだまだペースが掴めないんです。これからは営業時間に完売にならないよう、しっかり在庫管理をしたいと思っています」
さて、肝心の「250円ラーメン」のお味ですが……まずスープを啜ると、醤油をベースにした豚の脂のコクと旨みがよく出ています。中細のストレート麺は、さすが自家製麺とあってツルツルシコシコ、程よく腰があり、のど越しがいいのです。
![営業時間中に「完売御礼」も](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2024/02/f124ba84548e651847efeaf6f227d5dd.jpg)
営業時間中に「完売御礼」も
国産豚を使用した薄切りのチャーシューが1枚。大きめの海苔が1枚。刻んだ玉ねぎがひと摘み。「これで250円なの?」と、食べたお客さんは満足顔で帰っていきます。250円のなかに村上さんのこだわりが詰まっています。
「実家の製麺所には先代からの教えがありまして、『原価率を上げること』……つまり麺の材料費にコストをかけ、なるべく低価格で、おいしい麺を提供することなんです。とは言っても、250円のラーメンだけではやっていけません。ほとんどのお客さんが『手作り餃子』も注文してくれるんですよ。ラーメンと餃子で税込500円。これで何とかやれるんです」
朝6時から実家で麺をつくり、夜10時まで店に立つ村上さん。250円ラーメンで業界に革命を起こせるのか? その熱き挑戦は始まったばかりです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
ラーメン業界“閉店ラッシュ”の中で店舗を増やし続ける「丸源ラーメン」。圧倒的な成長を可能にした強みとは
日刊SPA! / 2024年6月26日 8時53分
-
お中元セール開催!三田製麺所・渋谷餃子の公式通販が500円OFF
PR TIMES / 2024年6月24日 17時15分
-
年商1億円も「閉店発表」ラーメン店に起きた奇跡 拡大の中で感じた虚しさと、再出発で掴んだ幸せ
東洋経済オンライン / 2024年6月12日 12時0分
-
廃業するラーメン店が急増する“本当”のワケ。「トレンドの変化が激しすぎて」個人店はますます厳しい状況に
日刊SPA! / 2024年6月11日 8時52分
-
NPO法人セブウィッシュ、ラーメン屋台オープン:雇用を守るための新たなる挑戦
Global News Asia / 2024年6月10日 12時0分
ランキング
-
1【早期発見のために】乳がん、大腸がん、肺がん、子宮がん、胃がん、食道がん…“予兆”の可能性がある「体からの警告」
NEWSポストセブン / 2024年7月5日 16時15分
-
2「知らないとヤバい…免許返すべき?」 道路にある「謎の斜線ゾーン」通って良い? どんな意味ある? 元警察官が解説
くるまのニュース / 2024年7月5日 9時10分
-
379%がパスタは家で作って食べる!最も好きなパスタソース1位はバリエーションが豊富
よろず~ニュース / 2024年7月5日 11時40分
-
4ワークマンの「暑い日に履きたい、通気性抜群のシューズ」3選 980円の「ボーンサンダル」はカワイイ&歩きやすい
Fav-Log by ITmedia / 2024年7月4日 5時55分
-
5スーパーでまとめ買いしたお肉→「そのまま冷凍庫」はNG!?理由に「知らんかった」ネット驚愕 ニチレイフーズオススメの方法は
まいどなニュース / 2024年7月3日 12時8分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)