走り続けてパリ五輪へ 日本女子バスケの飛躍を生んだ「走り勝つシューター軍団」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月15日 17時20分
![走り続けてパリ五輪へ 日本女子バスケの飛躍を生んだ「走り勝つシューター軍団」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_495510_0-small.jpg)
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、パリ五輪出場権を獲得したバスケットボール女子日本代表にまつわるエピソードを紹介する。
![パリ五輪の出場権を獲得し、喜ぶ日本代表(ハンガリー・ショプロン)=2024年2月11日 AFP=時事 写真提供:時事通信](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2024/02/jpp047943923RS.jpg)
パリ五輪の出場権を獲得し、喜ぶ日本代表(ハンガリー・ショプロン)=2024年2月11日 AFP=時事 写真提供:時事通信
FIBA女子オリンピック世界最終予選で2勝を挙げ、パリ五輪の切符を掴んだバスケ女子日本代表。2月13日、試合が行われたハンガリーから帰国し、喜びの声を語った。
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「選手たちは本当によく頑張ってくれました。重責を背負って戦ってくれました。東京オリンピックのあと、『勝って当たり前』というプレッシャーがあったと思います。そのプレッシャーに負けずに、彼女たちは全てを賭けてコートに向かっていってくれました」
~2024年2月13日 バスケ女子日本代表 帰国会見より
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凱旋会見で喜びを噛み締めるように言葉を発したのは、バスケ女子日本代表の恩塚亨ヘッドコーチだ。今回のパリ五輪最終予選は、五輪切符を掴んだことももちろん偉業ではあるが、FIBAランキングで上位のスペイン(4位)、カナダ(5位)の2ヵ国をFIBAランク9位の日本が立て続けに撃破した、という点もまさに快挙と言える。
その快挙を成し遂げた要因こそ、恩塚ヘッドコーチがチームコンセプトに掲げた「走り勝つシューター軍団」だ。最終予選の組み合わせが決まったあと、恩塚ヘッドコーチがスタッフ陣と一緒に200時間以上、対戦相手のワンプレーワンプレーを細かくチェックし、その上でこのキーワードが導き出されたという。
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「選考のポイントとして『走り勝つシューター軍団』をチームコンセプトに設定しています。速さ、しつこさ、チームワーク。この点において、私たちは明らかに世界で優位に立てると思っています。どのポジションにおいても、この3点は勝つと思っているので。この3点を最大限の強みとして発揮できるように、チームを作っていますし、そういった選手を選考しました」
~『バスケットカウント』2024年2月8日配信記事 より(恩塚ヘッドコーチの言葉)
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その意識は選手にも徹底され、最終カナダ戦を前にした会見でも、林咲希キャプテンはこんな抱負を語っていた。
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『今までやって来たことをしっかりコートに全部出し切って、絶対に勝ちましょう。絶対に自分たちは走りきれるので、40分間走り切って、夜を楽しく過ごしましょう!』
~日本バスケットボール協会 公式サイト(2024年2月11日配信記事)より
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この「走り勝つシューター軍団」を徹底するため、センターのポジションはベテランの髙田真希1人だけ。身長193cmの長身で、ゴール下での強さが武器の渡嘉敷来夢も代表から落選した。
当初、このメンバー構成に否定的な意見も少なくなかった。そんな外野の声を跳ね返すように見事に走り勝ったのだから、見事というほかない。その走るバスケを体現した1人は、ムードメーカーとしてもおなじみの馬瓜エブリンだ。
凱旋会見でも、第2戦のハンガリー戦に負けたのは馬瓜エブリンの吠えが足りなかったから、とチームメイトにいじられ、その分カナダ戦ではしっかり吠えたと切り返すなど、“馬瓜劇場”ぶりを発揮して場を和ませていたが、コート上では質実剛健。代表合宿中から、しっかり「走ること」を意識したコメントを残していた。
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『世界に比べてサイズは本当に小さいですが、走り負けないことが生命線になってきます。デンソーでも先頭を切って走っていることを、日本代表でも出していきたいです』
~日本バスケットボール協会 公式サイト(2024年1月12日配信記事)より
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そもそも、馬瓜にとって「走るバスケ」は自身の原点とも言えるプレースタイルだ。急成長を遂げた高校時代を振り返り、こんなコメントを残したこともある。
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『私はもともとドリブルが下手でした。なおかつ、それまでのゴール下の先輩たちと比べて身長も大きくなかった。でも、速く走ることができたので、とにかく速攻の先頭を走ることを意識しました』
『先頭を走り、ゴールに近い位置でボールをもらってシュートする。結果的に、それは自分の得意なプレーにもなっていきました』
~『朝日新聞デジタル』2023年12月21日配信記事 より
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東京五輪で銀メダル獲得に貢献したあと、異例の「1年間の休養」を宣言。また、SNSでは日本協会にさまざまな提言を繰り返すなど、女子バスケの在り方・アスリートとしての生き方という面でも先頭を走り続ける馬瓜エブリン。そんな彼女だからこそ、パリ五輪の切符を掴んだ意義、重さを次のようにも語ってくれた。
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『リオから始まって東京五輪、男子W杯予選と続いてきた中で五輪にいけないと、私達だけじゃなく、これからバスケットを頑張りたいと思う子どもたちのためにも、つながりを途切れさせてはいけないと思った』
~『スポーツ報知』2024年2月13日配信記事 より
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チームとしても、生き様としても、まさに走り続けて掴んだパリ五輪の出場権。五輪本番でも、子どもたちが未来に夢を抱く結末を期待したい。
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