「H3」ロケット打ち上げ成功 今後の宇宙開発に必要なもの
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年2月19日 12時20分
【H3ロケット2号機打ち上げ】種子島宇宙センターから打ち上げられたH3ロケット2号機=17日午前9時22分、鹿児島県南種子町(恵守乾撮影)
元日本銀行政策委員会審議委員でPwCコンサルティング合同会社チーフエコノミストの片岡剛士が2月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。打ち上げに成功した新型の国産主力ロケット「H3」2号機について解説した。
JAXAが新型の国産主力ロケット「H3」打ち上げに成功
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2月17日、日本の新たな主力ロケット「H3」2号機の打ち上げに成功した。「H3」は日本の今後の宇宙ビジネスや探査を担う基幹ロケットで、国際的に激しくなる宇宙開発競争を担う存在として期待されている。
飯田)2023年の失敗を乗り越えて今回、打ち上げが成功しました。
片岡)喜ばしい話だと思います。現状の宇宙開発自体が、例えばロケットもそうですが、国主導で打ち上げを行うような話がメインになっており、それが1つの特徴です。また、それを動かす会社も、どちらかと言うと国策会社のような側面が強く、国が主導しています。
一般向けのエンタメ事業などが展開されるのは何年後になるのか
片岡)今後の宇宙ビジネスをどのように広げていくかという話になったとき、宇宙ステーションもそうですし、相手側、つまり地球ではなく月などの方向にテクノロジーも含め、どんな形で宇宙開発事業を行うのか。そういう視点が必要になると思います。事業としては政府や宇宙飛行士など、少し特殊な方々向けのビジネスから、インターネットを使ったエンタメ事業など一般向けのビジネスも含めて期待される。しかし、(実現が)何年後になるかはまだよくわからないところがあります。
飛行機の航路と地上の間の空間認識が未整備
飯田)夢のような部分はいろいろと見えますが、実際に着地させるとなると、なかなか難しいですよね。
片岡)中国もそうですし、アメリカもアルテミス計画など、具体的な宇宙開発のビジョンを打ち出しつつあります。日本としても今回の「H3」打ち上げに成功したという話を橋頭堡に、発展させていこうという流れなのだと思います。宇宙の場合、地上もそうですが、空間のようなものをどう捉えるかが大事です。地上では車や新幹線、鉄道などの交通網があり、空中には飛行機がありますが、その間の部分がまだ未整備なのです。ドローンなどの話があるとしても、空間認識をどうするかはまだ決まっていません。
宇宙開発においても今後、空間IDのようなものが必要になる
片岡)事業分野としては空間IDのようにIDを振って、「どの高さでどのような形で何が通っているのか」というような話を把握すると、いろいろな付随するサービスが進みます。同じような話が宇宙空間においても必要になりますし、遠い将来かも知れませんが、それらを見据えて早いうちに事業を先導していく目線が必要だと思います。宇宙ステーションの話もそうですが、これも早い者勝ちのようなところがありますからね。私もアニメが好きなので熱くなってしまいます。
飯田)月の裏の話や、中継基地がどこに必要か、スペースコロニーをどうするのか、など。
片岡)コロニーで地上から離れた人たちがニュータイプになれるかどうかなど、そのような話が気になってしまいます。
日本の宇宙開発への今後の期待
飯田)早い者勝ちだと考えると、日本は小型月着陸実証機「SLIM」をピンポイント着陸させるところまで成功しました。あとは上手いこと太陽光パネルを展開できればよかったのですが。その辺りの技術で何とか先行できないのでしょうか?
片岡)ただ残念ながら、そのような話も含めてアメリカや中国に遅れをとっている感じですよね。
飯田)資金力の部分も関係しますか?
片岡)向こうは資金力、技術開発力もありますし、2000年代を含めて、宇宙開発に対する努力を他の国々もコツコツと進めていました。相対的に、日本が劣後している部分は否めないと思います。いずれにしても、ここからどう伸びていくかが大事です。日本の場合はアニメもそうですが、「こういう設備をつくろう」というような構想力があるので、それが大事になると思います。実際にロケットを飛ばし、そこから他の惑星の話を考えた場合、アメニティや設備、スペースコロニーをどうするかなどのイマジネーションが大事になると思うので、期待しています。
飯田)ここ30年はイマジネーションを潰す傾向、「お金がかかるから」というドリームキラーのような動きが多かったのかも知れませんね。
片岡)もう少し夢のある話を進められるといいですね。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
日本の宇宙開発で失敗相次ぐ、技術力と信頼性に揺らぎ 「イプシロンS」の爆発事故
産経ニュース / 2024年11月26日 12時5分
-
福島から宇宙へ、気球からの打ち上げに挑むAstroXの「FOX」発射実験を見た!
マイナビニュース / 2024年11月16日 6時0分
-
JAXA観測ロケットでデトネーションエンジンの宇宙空間作動実験成功 液体推進剤で世界初
sorae.jp / 2024年11月14日 17時13分
-
JAXA、H3ロケット4号機打ち上げ成功 Xバンド防衛通信衛星「きらめき3号」を搭載
sorae.jp / 2024年11月4日 19時59分
-
ロケット「H3」3回連続で成功 4号機、防衛衛星を打ち上げ
共同通信 / 2024年11月4日 19時2分
ランキング
-
1八戸5歳女児死亡の初公判、検察側「母親らは一日一食しか与えず隠れて食べていた女児に暴行」
読売新聞 / 2024年11月26日 15時45分
-
2【速報】共同通信の社長が外務省に謝罪 生稲晃子外務政務官の靖国参拝めぐる誤報問題で
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月26日 19時51分
-
3求人サイトで公募した市長後継候補、原因不明の急病で辞退…あす現市長が記者会見
読売新聞 / 2024年11月26日 16時1分
-
4コロナ新しい変異株「XEC株」はどんなウイルスか 「冬の対策とワクチン接種の是非」を医師が解説
東洋経済オンライン / 2024年11月26日 9時0分
-
5石川県西方沖でM6.4の地震 最大震度5弱 津波被害の心配なし
ウェザーニュース / 2024年11月26日 22時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください