安藤サクラ、第47回日本アカデミー賞主演・助演で最優秀賞W受賞! 歓喜のガッツポーズ
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年3月12日 11時35分
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1167回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
3月8日、グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールにて「第47回日本アカデミー賞」授賞式が開催されました。今年度の賞レースでは『ゴジラ-1.0』が8つの部門で最優秀賞を獲得。日本時間3月11日にアメリカ・ロサンゼルスで開催される「第96回アカデミー賞」にはずみをつけました。
そして個人賞では、安藤サクラが最優秀主演女優賞と最優秀助演女優賞をダブル受賞。史上4人目の快挙を果たしました。そこで今回は、女優・安藤サクラをクローズアップ。出演作とともに、彼女の魅力を深掘りします。
パワフルでハートフル! 日本映画界を担う実力派女優
安藤サクラが最優秀主演女優賞に輝いた映画『怪物』は、日本屈指の映像作家・是枝裕和監督と稀代のストーリーテラー・坂元裕二氏がタッグを組んだオリジナル作品。喧嘩した子どもたちの主張が食い違っていることをきっかけに、社会やメディアを巻き込む騒動へと発展していく様子をミステリータッチで描いた意欲作です。
本作で、息子を溺愛するシングルマザー・麦野早織を演じた安藤サクラ。撮影現場においては「主人公となる子役の2人がどう映るか……ということをいちばんに考えてお芝居をしていた」と語るとおり、主役の2人を、そして作品全体を支える確かな演技力で存在感を放っています。
是枝裕和監督とは、『万引き家族』以来2度目のタッグとなった本作。「是枝監督は、年齢や部署を問わず、みんなの意見を取り入れて撮影なさる方。私たちは安心感を抱きながら現場に参加することができる特別な場所です」と、撮影現場を振り返ります。
そんな彼女が一躍注目を集めた映画と言えば、やはり『百円の恋』。実家でひきこもり生活を送る32歳の女性が中年ボクサーと出会い、ボクシングを通じて変化していく姿を描いたヒューマンドラマ。
以前、メガホンを取った武正晴監督がオーディションで出会った安藤サクラのことを「(主人公の)一子が入ってきたかと思うぐらい殺気立っていた」と述懐していたことが思い出されますが、「第39回日本アカデミー賞」での最優秀主演女優賞受賞も納得の熱演をみせました。
最優秀主演女優賞の発表に先がけて、『ゴジラ-1.0』で最優秀助演女優賞も受賞。
「私はこの映画のなかでゴジラは見てもいませんし、ゴジラの恐怖も感じておりません。ただ皆さまのお芝居でつくり出されたすごい世界観とすごいゴジラのおかげで、“近所のおばさん”はこんな賞をいただけました」と笑顔。演じた役と重ね合わせたユーモアたっぷりのコメントで、会場を沸かせました。
しかし最優秀賞のダブル受賞が決まった瞬間は、さすがの安藤さんも壇上で言葉を失った様子。それでも気丈に是枝裕和監督への感謝の言葉を口にする一方で、「(賞を)いただくと、(嬉しい気持ちと、もっと頑張らなきゃという思いの間で)戦うというか……」と、本音もポロリ。
「でもやってみたら、(関係者みんなで受賞したという)嬉しい気持ちになれると思うので」と前置きしたうえで、「よっしゃー! 嬉しい!」とトロフィーを片手に、力強くガッツポーズ。喜びを爆発させる姿は愛嬌たっぷりでした。
そして是枝組の面々が待つ丸テーブルに戻ると、ご自身のトロフィーと新人俳優賞を受賞した息子役・黒川想矢さんのトロフィーを並べた安藤さん。黒川さんの肩を抱き笑顔を浮かべる姿は、彼女の天真爛漫な一面が垣間見えて、会場が温かい雰囲気に包まれました。
意欲的に多くの映画・ドラマに参加し、日本の映画界になくてはならない存在となった安藤サクラ。それと同時に、トーク番組などでは仕事と子育ての両立に日々奮闘していることを明かしており、パワフルなワーキングママとしての一面も披露しています。
きっとこれからも独自のスタイルを貫きながら、作品を通じて私たちに勇気と希望をもたらしてくれることでしょう。間違いなく、これからも目が離せない女優さんです!
『怪物』
2024年2月21日よりBlu-ray&DVDリリース
デジタル配信中
出演:安藤サクラ、永山瑛太、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、角田晃広、中村獅童、田中裕子
監督・編集:是枝裕和
脚本:坂元裕二
音楽:坂本龍一
企画・プロデュース:川村元気、山田兼司
製作:東宝、ギャガ、フジテレビジョン、AOI Pro.、分福
配給:東宝、ギャガ
(C)2023「怪物」製作委員会
『百円の恋』
Blu-ray&DVDリリース デジタル配信中
出演:安藤サクラ、新井浩文、稲川実代子、早織、宇野祥平、坂田聡、沖田裕樹、吉村界人、松浦慎一郎、伊藤洋三郎、重松収、根岸季衣
監督:武正晴
脚本:足立紳(「第一回松田優作賞」グランプリ受賞作)
音楽:海田庄吾
主題歌:クリープハイプ「百八円の恋」(ユニバーサルミュージック)
企画協力:セントラル・アーツ、オフィス作、ブレス
製作プロダクション:スタジオブルー
製作:東映ビデオ
(C)2014 東映ビデオ
『ゴジラ-1.0』
大ヒット上映中
2024年5月1日Blu-ray&DVD発売決定
出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介
監督・脚本・VFX:山崎貴
音楽:佐藤直紀
英題:GODZILLA MINUS ONE
配給:東宝
(C)2023 TOHO CO., LTD.
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/
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