国の予算、膨らみ続ける支出 「80歳、85歳……健康で働けるうちは働こうよという社会に。現役世代の負担は限界」専門家が指摘
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年4月13日 9時0分
政策アナリストの石川和男が4月13日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。2年連続で110兆円を超え、歳出では社会保障費が全体の3分の1を占め、過去最大の37兆7193億円となった令和6年度予算について専門家と議論した。
3月28日、一般会計の総額が112兆円余りとなる令和6年度予算が参議院本会議で採決され、自民・公明両党などの賛成多数で可決・成立した。2年連続で110兆円を超え、歳出では社会保障費が全体の3分の1を占め、過去最大の37兆7193億円となったほか、防衛費や金利上昇を見込んだ国債費も増加した。一方、歳入は税収を昨年度の見通しとほぼ同じ69兆6080億円と見込んでいる。各種基金からの返納金など、税以外の収入を加えても不足する35兆4490億円は新たに国債を発行して賄う計画で、財源の3割以上を国債に頼る厳しい財政状況が続いている。
これについてゲスト出演した岩手保健医療大学理事で経済評論家の濵田敏彰氏は「これはあくまで当初予算。1年の間に色んなことが起こるので、補正予算が入って最終的にはもっと大きくなる」と解説。「コロナが明けて、これだけインバウンドが来て、世の中変わっているのに、コロナで思いっきり増えた予算がもっと減るかと思ったら、この程度。日本の人口は減少を始めているのだから、もう少し厳しく色んな歳出をチェックすべきだった」と指摘。
また、歳出の中で圧倒的な割合を占める社会保障費が増え続けている要因について濵田氏は「主な要因は、医療も年金も一番給付を受けている高齢者。高齢者が増えているなかで、給付水準はあまり見直さないで、現役世代からは取りにくくなっているから、国が入れるかなということで大きくなっている」と言及。「“高齢者”の定義や給付内容を何十年としっかり議論してこなかった結果だ」と述べた。
さらに「人生100年が当たり前になっている時代に、いつまで75歳が後期高齢者なのか。それが80歳や85歳に見直されて、もう少しみんな健康で働けるときは働こうよという社会にしていかないと、現役世代や雇用主の社会保障費の負担がもたなくなる」と警鐘を鳴らした。
石川は、財務省が公表している年代別の国民ひとり当たりの年間医療費負担額を例に挙げ「僕もびっくりした。64歳以下は約2万7千円、65歳~74歳は約8万2千円、75歳以上は約32万6千円。財務省は資料を出しているのに、メディアや国会の場でほとんど取り上げられることはない。高齢者向けの費用や予算を減らしましょうという議論自体が政治的に困ることがあるのか」と指摘した。
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