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“大半が赤字” 狭い国土に97の空港「赤字でもインフラとして地域経済への波及効果“見える化”徹底を」専門家が指摘

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年4月22日 12時15分

“大半が赤字” 狭い国土に97の空港「赤字でもインフラとして地域経済への波及効果“見える化”徹底を」専門家が指摘

政策アナリストの石川和男が4月21日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。大半が赤字経営の国内空港のあり方について専門家と議論。「赤字空港は淘汰されるべき」との考えをあらため「インフラとして地域経済のために利活用していくべき」と指摘した。

※画像はイメージです

国土交通省航空局(JCAB)は昨年12月、羽田空港など国が管理する18空港の2022年度の収支を公表した。それによると、着陸料など航空関連の収支事業のみの営業損益は、すべての空港で赤字となった。新型コロナによる影響が残った一方、地方自治体などが管理する残る80近い地方空港のうち約9割は慢性的に赤字が続いているとされ、今後のあり方が議論されることも多い。

この問題について、ゲスト出演した元桜美大学客員教授で航空経営研究所主席研究員の橋本安男氏は「赤字はないに越したことはないが、空港自体は赤字であっても観光客が来て、地域経済が潤う。そういう経済的な波及効果があれば、理にかなっている。経済波及効果が認められるのであれば、赤字幅をできるだけ小さくする努力をして、運営は続けるべき」と指摘。「離島や過疎地では、生活路線や医療体制の維持といった社会的使命や、地震などの災害時に支援拠点としての機能を果たす役割を担っている」と付け加えた。

そのうえで橋本氏は「今後は民間に空港経営を全面的に任せるべき。コロナ前よりも需要(旅客数)が増えた地方空港はいくつもある。100席以下のリージョナル機をうまく使ったり、空港周辺の工業団地や物流拠点の整備にとどまらず、空港会社自体が観光客の誘致を進め、地域振興に尽力。空港単体では赤字でも、地域経済への波及効果がいくらあるのかを知らせる努力も必要だ」と述べた。さらに「騒音や離着陸スペースなど問題の多いヘリコプターより優位性のある“空飛ぶクルマ”は、地方空港との親和性が高い。これをうまく利用することで離島や地方の観光も発展する」と期待を寄せた。

石川はもともと「赤字空港は淘汰されるべき」との考えだったと明かしたうえで、「地方空港は駅に近い概念。いったん作ったものを採算性だけに絞ってやめるというのはもったいない。国道や都道府県道などと同じようにインフラとして地域経済のために利活用していくべき」と持論を述べた。

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