放送人グランプリ2024 優秀賞受賞 ニッポン放送報道スペシャル『関東大震災から100年…112歳の証言と未来への提言』
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年5月26日 16時40分
2023年12月31日に放送されたニッポン放送報道スペシャル『関東大震災から100年…112歳の証言と未来への提言』が「放送人グランプリ2024」の優秀賞を受賞。5月25日(土)に行われた贈賞式に、ナレーションを担当した上柳昌彦、取材・制作を担当したニッポン放送の遠藤竜也プロデューサー、藤原高峰記者が登壇した。
放送人グランプリ2024 贈賞式 5月25日(土)
『関東大震災から100年…112歳の証言と未来への提言』は、関東大震災を12歳の時に体験し、様々な困難を乗り越えてきた女性の貴重な証言を繙きながら、巨大地震の真の姿に迫った特別番組。
「放送人グランプリ」は、毎年度の放送番組のなかから、一般社団法人「放送人の会」会員が推薦する番組を審査し、顕彰する“放送人の放送人による放送人のための賞”で、ニッポン放送の「放送人グランプリ」受賞は、「放送人グランプリ2018(第17回)」で、『「オールナイトニッポン」50周年』が準グランプリを受賞して以来6年ぶりで、個別番組での受賞は初となる。
阪神淡路大震災の4日後に現地に入り、ラジオ関西さんが建物にヒビが入って今にも崩れそうなところでずっと放送を続けている姿を見たり、街では建物が崩壊してるなか小さな道路の真ん中で、テーブルに携帯ラジオを置いて、みんなで聞いて情報を得ている様子を見たときに、「私たちラジオ屋は、こういうときに何とかしなければいけない」と思いました。東日本大震災が起こったときは、金曜日の生放送中で、ただただ、声の上ずりをなんとか抑えるだけの放送でした。僕は今、早朝の番組を担当していますが、「いつか“その時”が来たらお前は何が出来るのか」と毎日問われながら生放送をやっています。
高嶋さんが100年前に関東大震災を体験されたのは、逗子の近くの小坪。私も若いころよく行ったのですが、全然知りませんでした。関東大震災というと、都心とか横浜の地震の状況がフイルムで残っていますが、小田原、小坪、鎌倉のあたりも大変だったことが高嶋さんの証言でよく分かりました。そいうったところも学ばせていただいて、学んだことをどうやって自分が放送に返せるのか考えながら、来週からも放送をやっていきたいと思います。
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関東大震災から100年にあたり、制作した番組です。取材させていただいた高嶋フジさんにはありがとうございましたと、伝えたいです。まさか、この放送の直後に能登半島地震が起こるとは思いませんでした。地震は今この瞬間にも起きるかもしれない。引き続き、防災の啓蒙活動をしていきたいですし、これからも鍛錬しながら、いかに下の世代に伝えていくか、若い世代を育てていくかもラジオ局の使命だと思っています。
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2年前に縁があって、高嶋フジさんに出会いました。何度も逗子や追浜へ取材し、様々な方に協力いただきました。フジさんは、残念ながら昨年亡くなられておりますが、今回栄えある賞をいただくことができ、フジさんも、当時2歳だった弟の末吉さんも天国で喜んでくれているのではないかと思います。先日、受賞の報告のため、お墓参りをしてきました。その時に、フジさんの甥で末吉さんの息子の平井光義さんから「フジの証言は託しますので、是非これからもこの音声を多くの方に聞いてもらえるようにしていただければ」とおっしゃっていただきました。これからも、フジさんの音声を使いながら、減災、防災の意識を高める啓蒙活動を行っていければと思います。
なお、ニッポン放送では、『関東大震災から100年…112歳の証言と未来への提言』に能登半島地震の追加取材などを加えた上で再編集した特別番組『未来への備え。~関東大震災を生き抜いた112歳の証言~』を5月26日(日)26時40分から放送する。
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<表彰理由>
およそ10万5000人が亡くなった「関東大震災」は昨年で100年目を迎えた。番組は、この大地震を逗子で体験し、112歳で昨年亡くなった高嶋フジさんの貴重な証言を軸に、フジさんはどのようにして、震度7の巨大地震のなか津波をのがれ、命を必死に守り抜いたのか、大震災の真の姿に迫る。
さらに、30年以内に70%の確率で発生するとされる首都直下地震への備えなどを耐震基準の観点から専門家が提言する。
折しも、この放送の翌日である今年1月1日、能登半島で巨大地震が発生し、241人が死亡、およそ5万棟の住宅被害が発生し、復旧への作業が現在も続く。地震や津波の猛威を何度も目の当たりにする私たちは、その惨状にさえ慣れてしまう。慣れは「ひとごと」と「無関心」につながり、やがて「風化」する。
番組は、「地震大国・日本」に生きる国民に、大規模災害に立ち向かう術を考えさせるきっかけとなった。災害に対するラジオメディアの責務を示してくれたニッポン放送とスタッフを称えます。
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