ジャッキー・チェン 13年ぶりに緊急来日 神対応に涙腺崩壊!!
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年6月16日 11時45分
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1190回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
6月11日、最新主演映画『ライド・オン』を引っさげて、アジアのトップスター、ジャッキー・チェンが13年ぶりに緊急来日を果たしました。
来日が決定したのは、ほんの数日前。これまで本作については、海外でのプロモーション活動は行われていませんでしたが、「日本の友達(ファン)に会いたい」というご本人たっての希望により、日本でのみ海外プロモーションが実現したのです。
まさに青天の霹靂!突然のニュースに、映画業界もファンも騒然。日本では急遽、ジャッキー・チェン、ラリー・ヤン監督をお迎えするチームが組まれ、私も司会者として参加することになりました。
そこで今回は、「おかえり、ありがとう、ジャッキー・チェン! 映画『ライド・オン』集大成舞台挨拶」に密着。初主演作『タイガー・プロジェクト/ドラゴンへの道 序章』から50年。『ドランクモンキー 酔拳』の日本上陸から45年。70歳となった現在も、ジャッキー・チェンが多くの人に愛される所以を紐解きます。
ジャッキー・チェン13年ぶりの舞台挨拶に、観客、ゲスト、スタッフも泣いた!
映画の上映が終了した場内に足を踏み入れると、これまでに感じたことがないような熱気が。
それもそのはず。イベントのチケットは、わずか5分で完売。ずっとずっと会いたかった我らがヒーロー、ジャッキー・チェンが目の前に現れる瞬間を、いまかいまかと待ちわびているファンの皆さんの熱量が伝わってきます。
そんな中、ジャッキー・チェン、そしてラリー・ヤン監督が登壇すると、会場からは大きな歓声が。「おひさしぶりです!」「映画みた?」「好き?」と、まるで久しぶりに会った友人に語りかけるように、日本語で挨拶するジャッキーさん。
その問いかけに客席からは自然とレスポンスが巻き起こり、舞台は一気にジャッキー色に。ステージ上から見ると、すでに涙を流しているお客様の姿も多く見られました。
ここからはもう、ジャッキー・チェンの独壇場。ジェスチャーを交えながら話すたびに、会場からは笑い、拍手、そして歓声の嵐が。
ジャッキー・チェンの大ファンで、映画『ライド・オン』の宣伝アドバイザーを務める12歳の少年・山田くんが登場すると「イケメンだね、俳優になれますよ。教えるよ」と、まさかのスカウト!?(打ち合わせの時から“生ジャッキー・チェン”に、山田くんの目には終始涙が……)
今回の来日で食べたいものを伺うと「カニ! 九州ラーメン!! ワサビ!!」と、笑顔で即答するジャッキーさん(実際、この日の夕食はとんこつラーメンを召し上がったとのこと)。
そして、長年ジャッキー・チェンさんのモノマネを披露するジャッキーちゃんには『ドランクモンキー 酔拳』の型を自ら伝授(そのしなやかな動きは、感涙もの!)。
マスコミ陣からのフラッシュを浴びながら、BGMで流れていた本作の主題歌「青春故事(せいしゅんこじ)」を口ずさんでいたジャッキーさん。ついには通訳さんのマイクを手に歌い出し、映画館がライブ会場に。
予期せぬ出来事が連発する中、ふと気がつくと、私とともにイベントを進行しているスタッフの涙腺も崩壊。最後の最後までファンを喜ばせることを惜しまないジャッキー・チェンさんの神対応に、誰もが感激した舞台挨拶となりました。
八雲ふみねが見た、感じた! ジャッキー・チェンの“愛”
今回の来日イベントでいちばんの話題となったのが、ジャッキー・チェンの生歌披露。このシーンは台本には入っておらず、完全にジャッキーさんのアドリブでした。
映画『ライド・オン』の主題歌となった「青春故事」。ジャッキーさんが長年率いてきたスタントマンチーム「成家班」に捧げる一曲として2018年に発表された楽曲で、夫人で元女優のジョアン・リンさんも制作に参加しています。
愛する人たちへの思いが詰まったこの曲に乗せて、どんな時も自分に寄り添ってくれる日本のファン(=友人)に感謝を伝えたかったジャッキーさん。そのお気持ちが確実にファンの皆さんの元に届いていることがわかる、プライスレスなひと時となりました。
舞台挨拶の出番前、毎回、舞台へと続く扉の前に立ち、場内の様子を伺っていたジャッキー・チェンさん。「映画、終わった?」「(舞台挨拶は)もう始まる?」と、日本語で私に話しかけて下さる一方で、「早く!ゴーゴー!!」と、茶目っ気たっぷりに急かされることも。ジャッキーさんは、意外とせっかち!?
とにかくファンの皆さんを待たせたくない。早く友人たちに会いたい! そんなジャッキーさんの溢れんばかりのファンへの思いに触れた出来事でした。
舞台上でも控え室でも、ジャッキーさんが度々、口にしてらっしゃった言葉があります。
それは「嬉しい」「楽しい」「幸せ」。
日本に来ることが出来て、嬉しい。ファンの皆さんと過ごせる時間が、楽しい。みんなが映画を観てくれて、幸せ。
何故、ジャッキー・チェンは、これほどまでに日本を、そして日本人を“特別扱い”と言っても過言ではないほど大切にして下さるのだろう。なんでこんなに優しいの?
そんな愚問が私の頭をかすめた時、ジャッキーさんはこんなことをお話し下さいました。
「僕が初めて日本にやって来た頃。右も左も分からない若い僕に、日本人の方々はとても親切にしてくれました。どんなに時が流れても、日本のファンは変わらず、僕に付いてきて応援してくれています。だからこそ、僕は日本人に恩返しがしたい。もしも外国のどこかで困っている日本人を見かけたならば、それが見知らぬ人でも助けたいと思うのです」
実は私も、ジャッキーさんからとびっきりのサプライズをいただきました。劇場を後にする時、すーっと私に近づいて来て、あるものを手渡して下さったのです。それが何かについては申し上げられませんが、ファンのみならず周囲の人々を喜ばせることを自らの幸せとしている。
これこそが、ジャッキー・チェンさんが人々に愛され続ける理由だと確信を覚えました。
イベント中はファンの声援が続く中、会場の隅々まで視線を投げかけていたジャッキーさん。その優しい微笑みは、多くの人の脳裏に焼き付いていることでしょう。
『ライド・オン』世界のアクションレジェンド、50周年記念アクション超大作
かつては香港映画界伝説のスタントマンと呼ばれていた、ルオ・ジーロン。今では愛馬・チートゥとともに、エキストラなどの地味な仕事をしながら暮らしている。
しかし、ある債務トラブルがきっかけで、チートゥが競売にかけられる危機に陥ってしまう。不器用ながらもチートゥを守ろうとするルオ。
そんな彼の元に、転機となる話が舞い込んできた。それは、ルオにスタントマンとして、再び危険な撮影現場に立ってほしいという依頼だった……。
父と娘、愛馬との関係性を軸に、ひとりの男の人生を描き出した感涙のドラマ。
劇中には、ジャッキー・チェンがこれまでの出演作から抜粋された命がけのアクションシーンも満載。往年のジャッキーファンはもちろん、初めてジャッキー映画に触れる人も楽しめる作品となっています。
ジャッキー・チェンさんが本作への出演を決めたのは、ズバリ、世界中で活躍するスタントマンへのリスペクトが込められた作品だということ。
ドラマ作品と比べ、どうしてもアクション映画への評価がままならない現状に疑問を呈し、現在もアクション俳優やスタントマンの地位向上に尽力しているジャッキーさん。
昭和・平成・令和を駆け抜ける“世界のアクションレジェンド”の集大成にふさわしい一作です。
コロナ禍が明けて以降、すでに5本もの映画の撮影に参加。さらに、新作の準備も進んでいるとのこと。生涯現役。これからも、ジャッキー・チェンさんのますますのご活躍を期待しています!
<作品情報>
ライド・オン
絶賛公開中!
出演:ジャッキー・チェン リウ・ハオツン グオ・チーリン ユー・ロングァン アンディ・オン ジョイ・ヨン ユー・アイレイ シー・シンユー レイ・ロイ ウー・ジン
監督・脚本:ラリー・ヤン
原題:龍馬精神
英題:RIDE ON
配給:ツイン
(C)2023 BEIJING ALIBABA PICTURES CULTURE CO., LTD.,BEIJING HAIRUN PICTURES CO.,LTD. (C)2010 Fortune Star Media Limited. All Rights Reserved.
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/
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