湯川れい子、萩原健太が語る『MIND GAMES』とジョン・レノン 『傑作「MIND GAMES」とジョン・レノンの真実』公開収録イベント
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年7月20日 18時33分
ザ・ビートルズの一員として革新的なサウンドとリリックで音楽界を席巻し、オノ・ヨーコと出逢ったことで社会と政治に異を唱え、平和を呼びかけるパフォーマンスで世界を揺さぶったジョン・レノン。没後44年、名曲「イマジン」を冠にする「イマジンスタジオ」を持つニッポン放送では、毎年ザ・ビートルズやジョン・レノンをテーマに同スタジオで公開イベントを行っている。今年もジョン・レノンのソロ4作目のアルバム『MIND GAMES』の“アルティメイト・コレクション”がリリースされたのを機に、20日午後、同スタジオに於いて公開収録イベント『傑作「MIND GAMES」とジョン・レノンの真実』を開催。ゲストに音楽評論家の萩原健太と音楽評論家・作詞家の湯川れい子を迎え、萩原と『MIND GAMES』の音楽的な素晴らしさを検証し、ジョン・レノンやオノ・ヨーコと親交のあった湯川は2人の素の姿などを語った。
ニッポン放送開局70周年 imagine studio20周年記念『傑作「MIND GAMES」とジョン・レノンの真実』
ザ・ビートルズ解散後、4枚目のアルバムである『MIND GAMES』。3枚目のアルバムがヨーコの影響で反戦思想が表れており、当時は賛否両論があったという。ヨーコがアメリカ永住権を認められる一方、ジョンは認められないかもしれないという複雑な状況もあり、本人も不安定な状態で制作にあたっていた。ヨーコと離婚するという話も出ていたそうで、ジャケットを見てみると「ヨーコという山から、ジョンが旅立とうとしているように見える」と萩原。しかし、今回“アルティメイト・コレクション”となり、リミックスが施されたことによって「作品が見えやすくなり、良い曲が揃っていると思った。50年という歳月を経て、それが証明されたアルバムになっている」と改めての感想を語った。
萩原からは、表題曲となった「MIND GAMES/マインド・ゲームス」や、“直感”が希望の地へ導く自分の生き方と歌う「Intuition/インテューイション」、ヨーコとの関係を比喩表現した「ONE DAY(At A Time)/ワン・デイ」などの制作の背景、当時のジョンの状況などが語られた。
さらに、ファンからの「ジョン・レノンがソロになってからの曲の変化を教えて下さい」という質問には、「ジョンはもともと引いたところから現象を見て、シニカルな視点で再構築するのが得意だったのに、ヨーコさんに出会ってからはムーヴメントの渦中に自分を置いて発信している」と、ソロになってからというよりもヨーコと出会ってから変化が見えるようになったと解説した。
イベント後半には、湯川も交えてトークを展開。ザ・ビートルズが1966年に日本武道館コンサートのため初来日した時に取材を行った湯川。当時の一眼カメラで撮ったモノクロ写真が公開されたのだが、“取材した”という証明の写真を撮る際、ポール・マッカートニーがその場を仕切り、「誰と一緒に撮りたい?」と聞かれ、湯川が「リンゴ・スターと撮りたい!」とリクエストすると、ポールがジョージ・ハリスンに「撮ってあげなよ」と促し、ジョージが撮影するに至ったという貴重なエピソードを明かした。
湯川にも『MIND GAMES』の印象を聞いたのだが、「(リリース当時は)このアルバムのことを全然好きじゃなかった」と明かす。「ジョンがなぜあんなにもヨーコに影響を受けるのがわからなかった」とも言うのだが、後にヨーコと親交を持つようになり「あの当時のジョンは不安定でお酒やドラッグに依存していて、(ヨーコは)偉大な存在なんだと分かるようになった」とのこと。
ジョンと愛人関係にあったメイ・パンにインタビューした際のエピソードも。ヨーコは、ジョンがメイ・パンと『MIND GAMES』の宣伝に出ることを「メイ・パンさんにジョンのことを頼んで送り出した」と言っていたそう。しかしメイ・パンは「ヨーコからそんなことは頼まれていない。2人の意思で行動したんだ」と言っていたと、複雑な男女の思いが交差していたことが明かされた。
また、湯川はジョンから聞いた話として、FBIや米政府から疎まれていた1970年当時、ジョンがエルヴィス・プレスリーに電話し、自身にまつわる米政府とFBIの動きを止めてもらえないかとエルヴィス頼んだというエピソードも明かした。
■イベント名:ニッポン放送開局70周年 imagine studio20周年記念『傑作「MIND GAMES」とジョン・レノンの真実』
■開催日時:2024年7月20日(土)
■会場:ニッポン放送イマジンスタジオ(千代田区有楽町1-9-3 地下2階)
■出演者:湯川れい子(音楽評論家、作詞家)、萩原健太(音楽評論家)/上柳昌彦(司会)
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