就職力ランキング、私大1位!? 社会で活躍する技術者を育てる、芝浦工業大学にてランパンプスが徹底取材!
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年11月15日 15時0分
受験生を“みんな“で応援!『おうえんしナイト』
全国の受験生を応援するために、受験や教育と縁が深い、お笑い芸人・ランパンプスと一緒に様々な情報をWebコンテンツとして発信していく企画です。
受験生を応援するため全国各地を飛び回る『おうえんしナイト』。
今回、お伺いする大学は東京都江東区にある「芝浦工業大学」の豊洲キャンパスになります。理工系の様々な学部を有する芝浦工業大学の教育方針などをランパンプスがインタビューしてまいります!
――それでは、大学内に入って入試・広報連携推進部次長の土屋公平さんにお話しを聞きに行きましょう。
土屋:土屋と申します。よろしくお願いします。
小林:ランパンプスと申します。よろしくお願いします。早速ですが、芝浦工業大学の歴史を教えていただけますか?
土屋:1927年に創立した大学になります。創立者は有元史郎という方で、工学はもちろん、経済学、法学など、とにかく勉強が大好きで5つの学士号を取り、決まっていた就職先を蹴って、学校をつくられたんです。
寺内:大学卒業してすぐ学校つくったんですか?
土屋:そうですね。東京帝国大学の大学院生時代、30歳の時に東京高等工商学校を設立し、芝浦工大の礎を築きました。
小林:30歳で大学作ったんですか? まだ大学にいる人はいるよね(笑)。
土屋:まずは専門学校のような形態から始まりました。日本は資源がないので、「これからは技術だ。技術で国を支える人を育てないといかん」という志で「東京高等工商学校」という学校をつくりました。当時から「工業」と名前を冠していたんですが、特徴は倫理学を必ず必修にしていたところです。
寺内:マッドサイエンティストが生まれちゃうってことですね。
土屋:「きちんとした倫理を身につけた技術者を育てよう」を芝浦工大の誇りとしていましたので。
小林:それが100年前くらいですね。
寺内:もうすぐ100周年! おめでとうございます!
土屋:ありがとうございます(笑)。
小林:他の大学にはない芝浦工業大学の特徴を教えていただけますか?
土屋:例えば、高校生にこんな図を見せたりするんですけど、昔は、車はボディやエンジンなど大きな要素は機械の分野だけで作れました。しかし、今では、水素自動車や電気自動車があり、情報の技術も必要になっています。つまり、1つの技術ではものを作れなくなってきているんです。
寺内:自動運転とかありますもんね。
土屋:いろんなものを統合して1つのものを作るような世の中になっているのに、大学はずっと変わっておらず、「機械やりながらちょっとプログラミングやって」みたいなことがカリキュラム上できなかったんです。しかし、芝浦工大ではここ数年で、他分野も含めて多様な授業が取れるようにガラッと変えました。
小林:大学って専門家が育つと思っていたんですけど今はそういう時代じゃないんですね。
土屋:特定分野の研究者になるのであれば、深いところを掘っていくことで何か見つかる部分もあるんですが、卒業生の多くは技術者として社会に出ていきます。企業で働くことになった時に、機械分野を卒業しても「バリバリプログラミング書いています」みたいな卒業生もいますし、いろんなところに展開していく必要があるんです。
寺内:化学・生命工学とか土木工学とか、たくさん「○○工学」とありますが、これが学べる項目なんですか?
土屋:理工系の総合大学と言ったら大げさですが、建築も含め学べる分野は多いです。複数の分野が有機的に繋がって、新しいものを作っていこうという考え方ですね。
小林:産学連携というのはどういうことですか?
土屋:企業と連携して研究をしていくということです。大学の研究は、それ自体ではそのまま製品になることは、あまりないんです。なので、他の人がまだやったことない現象や技術の研究をして、それを企業の方が見つけて「面白そうなことをやっていますね。一緒にやりませんか?」と言ってもらって、企業が製品にしてエンドユーザーに届けるんです。
小林:どういった商品がありますか?
土屋:BtoBが多いですね。例えば建設会社と、除雪車の作業支援システム開発をしました。除雪の際、雪がいっぱいあるから、どこが溝か、どこが穴か、などが分からないので、そういったものをシステム上で支援するものです。
小林:思っていたよりすごい! 「石鹸を開発しました」とかだと思ってました(笑)。
土屋:あとは、例えば――
寺内:タン、タン、タン!
小林:ちゃうちゃう! リズム取ってるわけじゃない(笑)。
寺内:あ、ごめんなさい。打楽器かと思って(笑)。
小林:おちょくってんのか! 貴様(笑)!
土屋:(笑)。ちょっと昔の案件なんですけど、「木になっている果物が熟れているかどうか?」って熟練の農家さんしかわからないですよね。例えばマンゴーなんですけど、赤くなっていても、実際食べてみないと、熟れているかどうかはわからないんです。これを技術的にどうにかならないかと振動工学が専門の先生が装置を作ったんです。マンゴーにレーザーをピーって撃って、マンゴーの近くで爆発させるんです。
寺内:え!?
土屋:そうすると、レーザー誘起プラズマというものが発生し、いわゆる衝撃波が出るわけです。その衝撃波による果物の震え方をセンサーで計測をすると、柔らかければ揺れ方が中身がトゥルントゥルンと揺れて、中が固ければ速い揺れになるんです。そういったものを、マンゴーはどうかな? リンゴはどうかな? レーザーの撃ち方は? など、いろんな条件を変えて、1つの理論を確立したんです。この装置作るのに数千万かかっているらしいんですよ。
小林:それはしょうがない。だってレーザー爆発させているんだもん(笑)。
土屋:このような研究に僕らは莫大な研究費と時間と労力を掛けてするんです。それを論文等で発表すると、企業の人が声をかけてくださり、一緒に研究を進め、それが製品になっていくんです。この果物の研究はまだ実現には至っていないですけども。
小林:熟練の技術をいろんな人に広められるってことですね。
土屋:作業の効率化にもなります。生活に身近なところの「先っちょ」の研究ですね。
小林:すごいなー。芝浦フルーツ大学さんは。
寺内:フルーツ大学じゃないのよ(笑)。
寺内:でも、レーザーを爆発させたときテンション上がっただろうなー。
小林:「プルルルン!」「おめでとう!」って? でも、そういうことが、我々の生活を豊かにする何かになるんだよ。
寺内:別の分野で応用される可能性もありますよね。
土屋:気付いたら実装されている可能性もあります。
小林:学生さんは何名ぐらいいらっしゃるんですか?
土屋:約9,600名です。理工系の大学の中では中規模くらいですね。工業大学って、女子が少ないイメージありませんか?
寺内:工業高校を思い浮かべると学ラン男子しかいないです(笑)。
土屋:いまだに煙突から煙がモクモク出ていて、トンカントンカン音がして、荒々しい男子たちがつなぎを着て、みたいなイメージされる方が多いんですけど、来ていただくと全然違うイメージだと思うんです。
小林:めちゃくちゃ綺麗ですよね。
土屋:理工系の女子は今、すごく世の中から求められていて、企業からめちゃめちゃ引き合いがあるんです。日本は女性の理系率が本当に低くて、先進国でも最下位なんですが、数学の試験をやらせると世界でもトップレベルなんですよ。
寺内:そうなんですね!
土屋:脳科学的には男子脳、女子脳というのはないんですが、「日本の女子は理系に向かない」といった歴史的なバイアスがあるんです。
寺内:後天的環境みたいなことですよね。
土屋:さらに、ものを作る時にも男性基準で作っていたので、例えば車を作る時に、人形にシートベルト締めて衝突実験する時も男性モデルだったので、女性が実際事故を起こすと重症化率が1.5倍になってしまうんです。
寺内:そんなに違うんだ!
土屋:女性目線での開発は、これから非常に大事な視点なので、女性技術者がものすごく求められているんですよ。例えば、「ナノイー」みたいな髪の毛がサラサラになる成分が出るドライヤーなどを僕みたいなおじさんが作っているかもしれないんです(笑)。
寺内:髭をこうやるしかない(笑)。
土屋:サラサラになんのかな? と(笑)。まだ理工系大学の女子率は全国平均で15%くらいなんですが、本学は昨年度の学部入学者の女子比率が21.3%で、今年度は過去最高の26.6%でした。
寺内:このペースでいったら来年は48%くらいですね!
小林:10年後女子しかいないかも(笑)。
土屋:そんなに跳ねます(笑)?
小林:受験方法はどういった種類があるんでしょうか?
土屋:「一般入学者選抜」と「特別・推薦入学者選抜」に分かれています。最近は学部ごとに総合型選抜を設けていて、例えば、デザイン工学部ですと自分でプログラミングをして開発したソフトウェアのソースコードを提出する、というものなどがあります。
小林:高校生がそんなことできんの!?
寺内:今の時代の子ならできそうだよ。
土屋:総合型選抜では、その学部にぴったりはまる尖った学生を取りたいんです。だから、建築だったらデッサンの試験があったり、それぞれの得意分野を生かすことができるわけです。ですので、もしかしたら「うわ、これ僕・私のための入試じゃん!」みたいなのものもあるかもしれません。
寺内:自分の「好き」で、学部を調べると、ぴったりの入試方法があるかもしれないんですね。プログラミングとか、駅伝とかも?
小林:俺は走ったことはないが、年明けは絶対、駅伝を見てるぞ。
土屋:見るだけの人は今まで応募してきたことはないですね(笑)。
寺内:見るだけの人はだめだって(笑)。
小林:総合型選抜の割合は何%くらいなんですか?
土屋:今は40%ですね。
小林:結構多いんですね!
土屋:一昔前と違って、決してマイナーな入り方じゃなくなってきているんです。意欲がある人や、モチベーションがあって「僕・私、これやりたいんだ」みたいな人たちの方が、勉強だけできる人たちよりも、その後伸びるというデータもだんだん見えてきたので、今は、そちらを強化しています。
小林:卒業生の進路、就職先はどういうところが多いですか?
土屋:こちらをご覧ください。特色と言えると思うんですが、就職の評価がめちゃめちゃ良いんです。
寺内:就職力ランキング、私大1位!?
小林:おお、すげえ! 国立が並んでいる中でだよ!
土屋:企業の人事が選ぶアンケートなので、芝浦工大の卒業生たちが、社会で活躍している社会的評価の証だと思っています。我々もこれに関してはちょっと嬉しくなって、めちゃめちゃたくさん刷って配っているんです(笑)。
小林:ランキングに入った瞬間、もうバーって刷ったんだ(笑)。
寺内:しかも、企業全体に聞いているから、理系に特化したランキングじゃないですもんね。すごい説得力ですよね。
土屋:主要就職先も皆さんご存知の会社が多いです。また、最近の傾向で言うと、金融等への就職が増えてきています。
小林:なにか理由があるんですか?
土屋:金融シミュレーションなどにも、情報系システムの構築が必要なんです。就職先としては、やはりメーカーなど製造業のエンジニアが多いのですが、いろんな業種で理工系の人材が求められているのを感じています。
寺内:SEさんは今、どの企業にも必要ですもんね。
小林:どんな学生さん来ていただきたいですか?
土屋:17歳の段階で、社会に貢献したい等の立派な志があれば、それに越したことはないですが、そこまでは難しいので、理数系が好きで、それを使ってなんか世の中の面白くできたらいいな、もしくは身近な人を幸せにしたい、といった意識があれば良いかと。
小林:好奇心がある子ですね。
土屋:もちろん学力という部分は大事なんです。リアルな話、理工系の場合って高校の数学理科をそのまま大学で使いますし、将来の仕事でも使います。ただ、学力プラスアルファのモチベーションというところを非常に重視しています。
寺内:これ聞きたかったんですけど、鳥人間ってやっているんですか?
土屋:今年も出ていますよ。ものづくりが好きな子たちが多いので、本学の「Team Birdman Trial」(通称:TBT)は本当にエモいんです(笑)。1年に1回、琵琶湖から飛ばすためだけのために1台の機体を作り続けるという、本当にエモい団体なんです(笑)。フレーム班、翼班、駆動班等に分かれ、それぞれ設計して、ガッチャンコして、企業がものづくりをするのと同じプロセスを自分たちだけでやっているんです。この団体がモチーフなった「トリガール」という映画があるんですよ。原作の中村航さんは、本学の卒業生なんです。
寺内:ええ! そうなんですか?
土屋:実は、うちの飛行機は唯一2人乗りなんですよ。
寺内:すご! 不利に感じちゃう。
土屋:重さと出力のどちらを取るかなんです。2人乗りだということもあって、映画はそれをモチーフにした恋を絡めた物語なんです。
小林:飛んでけ、私の恋!
寺内:琵琶湖に届け、バードラブ!
小林:学生には卒業後、どんな人材に育ってほしいですか?
土屋:今、世の中がどんどん変わり続けていて、いろいろな課題も山積みにされている中で、それを解決していくことが我々工業大学の使命であり、うちで育った学生が各分野に行って、それぞれ寄与してくれることが大切だと思っています。工業は、今までずっと「人の生活を便利にしていこう」だったんですが、これからは便利にするだけじゃなく、課題を解決していく方向に進んでいきます。なので、そういうマインドを持って、いろんなものをつなぎ合わせて、社会を考えられるような人になってほしいと思っています。
小林:最後に、頑張っている受験生にメッセージをお願いします。
土屋:今、勉強していることが「やらなきゃいけないからやる」って思うことがあるでしょう。けれど、そこにはすごく意味があります。特に理工系の場合は、今勉強している数学と理科が直接活用されていきます。その意味を現時点で見出すのは難しいですが、将来絶対に活きてきます。また、「大学でこれをやりたい!」といった血沸き肉踊るような想いが勉強のモチベーションにも繋がっていくと思いますので、今は「好き」を見つけて、それに向かっていくということだけに力を向かわせればいいと思います。
寺内:僕もレーザーでフルーツを震わしたい! ってモチベーションを持ってほしいと。
小林:本日はありがとうございました。
――それでは学食に向かいましょう。
小林:学生さんがこんなおしゃれなところで!
寺内:「レストラン・銀座シシリア」だって。
小林:学食で初めてコーンスープもらいました。それ以外はいつものカレーです。
寺内:紙コップコーンスープ。CCP(笑)。
小林:スープからいただきます……いいんですか? 私、コーンスープ飲んで。
寺内:あっ! 小林さんは素カレーだけのはずだった。でも一緒にきちゃったんでしょ? 特別に許可します(笑)。
小林:甘いっていうよりちょっと塩味がある僕の好きな味です。トロトロというよりはスッと入ってきますね。それではカレーをいただきます。
小林:すごい! これは学食の味じゃない。カレーって言うよりハヤシライスに近いかもしれない。でも、スパイスは効いています。本当に外でカレー食べている感じ。
寺内:高級感ある?
小林:ある。ワインとか入ってそう。
寺内:味の深みがあるんだね。
小林:すごく美味しい。すごい具もたくさん……何これ?
寺内:大根?
小林:大根じゃなさそうなんだよ。わかんないけど美味しい(笑)。ごちそうさまでした!
寺内:さて、私が本日いただくのはこちらです!
寺内:メニュー名は「ワンプレート」とのことです(笑)。
小林:実は俺もカレーじゃなくて「ライスディッシュ」なんだって(笑)。
寺内:「ライスディッシュ」と「ワンプレート」……何かを知りたいんだけどな(笑)。
小林:割ってみてよ。
寺内:コロッケだと思いますけどね。コロッケ……あ、メンチだ!
寺内:いただきます!
寺内:うわ、うめえ! 肉汁の海! バラバラに置いてありますけど、もうすべてが一つになる。まさにラグビー日本代表!
小林:それはワンチームね(笑)。
寺内:トマトで味付けされている野菜もきっと素敵な名前があるんでしょう。今回、アチョリターナと呼びます(笑)。いや、メンチカツが美味くて大きい!
小林:それ商品名、本当にメンチカツですか?
寺内:別の商品名もあるかもしれない。ケットルみたいな。
小林:ケットル(笑)。
寺内:ケットルとアチョリターナをいっぺんに食べると……すごく美味い!
小林:圧倒的に学食のレベルではないよね。
寺内:素晴らしい。さすがsince1971!
小林:年上だ!
――まさに理工系の総合大学とでもいうような、多くの学部や研究室がある芝浦工業大学でしたが、いかがでしたか?
小林:広報の土屋さんがすごくユニークな方でしたね。あのタイピングのリズム(笑)。
寺内:記事でどうなってんだろ(笑)。
小林:あと、髪サラサラのスーパー自虐ね。ドライヤーの話をした瞬間に突っ込もうと思ったの。でもさすがにそこまで距離は縮められないと思ったら自爆してくださいました(笑)。
寺内:自虐だろ(笑)。理系大学って男くさいイメージあったけどめちゃくちゃ綺麗だよね。
小林:企業さんが選ぶ就職力の高い大学ランキングで私大1位だからね。
寺内:すごいよ。操作できるランキングじゃないもん。
小林:企業に愛される人材を輩出している証拠だよね。
寺内:あと、レストラン! シシリアさん!
小林:一般の方も入れるレストランだから美味しくないわけないんですよ。
寺内:僕ら、ライスディッシュとワンプレートを食べたけど、他のお客さんほとんどパスタ食べていてさ、広報の方に「みんなパスタ食べてますね」って言ったら「ここパスタが美味しいんですよ」って。
小林:ちょっとこれは審議ですね(笑)。
寺内:突然の回し蹴りすぎて「そうなんですね」しか言えなかった(笑)。次回行ったらぜひパスタを食べたいなと。
小林:普通に銀座にもあるって言ってたんで行ってください。
寺内:就職のことまで考えたら学生にとっては良い大学だよね。おすすめです!
次回の『おうえんしナイト』は芝浦工業大学の後編としてランパンプスが在学生にインタビューしてまいります。
<芝浦工業大学(豊洲キャンパス)>
住所:〒135-8548 東京都江東区豊洲3-7-5
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