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恒例「今年の漢字」は? 2024年 年の瀬にあたり

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2024年12月27日 11時0分

恒例「今年の漢字」は? 2024年 年の瀬にあたり

ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム「報道部畑中デスクの独り言」【第396回】

2024年も押し詰まってきました。今年は元日に能登半島地震、2日には羽田空港での航空機衝突事故と、波乱の幕開けでしたが、まもなく1年。つい最近のように思い出されます。

本年もありがとうございました(東京・丸の内仲通り)

本年もありがとうございました(東京・丸の内仲通り)

そんな中、1年の世相を表す「今年の漢字」が12月12日、日本漢字能力検定協会から発表されました。その文字は「金(きん)」。3年ぶりの選出で、2000年、2012年、2016年、2021年に続いて5回目となります。このところ、五輪開催の年に選ばれるのが定着した感があります。五輪の金メダルラッシュが国民に印象に残ったということになりますが、今回は加えて、大谷翔平選手の値千「金」の活躍、佐渡「金」山の世界遺産登録、20年ぶりの新紙幣発行もその理由とされています。

一方で、政治家の裏「金」問題、「闇バイト」による「金」目当ての強盗事件、物価高騰と、いわば「影」の部分も目立ちました。毎年揮毫する清水寺の森清範貫主も「金」は書き飽きているかもしれません。ちなみに2位以下は「災」「翔」「震」「新」「選」「変」「暑」「楽」「米」と続きました。

一方、政財界の要人からの“一文字”が出そろいました。

石破茂首相は「謙(けん)」を挙げました。「卑下とは違う。本当に謙虚にひたすら己をむなしくして、いろんな方の意見を素直に承る。今年特に後半、この言葉をかみしめながら過ごしている」と述べました(ちなみに「謙」は「おんなへん」ではなく「ごんべん」です)。「金」については「いろんなことがあった1年だった、“金”にいろんなことが凝縮されている、良くも悪しくも今年を象徴する言葉だった」と振り返った上で、その理由の一つとなった裏金問題については「政治を象徴する言葉になったのは残念なこと」と語りました。

経団連・十倉雅和会長

経団連・十倉雅和会長

財界では……、経団連の十倉雅和会長は「論(ろん)」と「分(ぶん)」で迷った上で、「論」としました。

「今年は世論が大きく揺れた。真実かどうか判断に苦しむほどの情報が出てきた。フィルター・バブルという言葉のように、見たいものしか見ない時代、そういう時に必要なのはディベート=討論であり、議論である」……その理由を説明した上で、「日本中で実りある議論を期待したい」と結びました。ちなみに“次点”となった「分」は、対立と分断、成長と分配、分厚い中間層、デフレ脱却の分水嶺などがその理由ですが、暗いイメージになることから「却下」となったようです。

経済同友会・新浪剛史代表幹事

経済同友会・新浪剛史代表幹事

経済同友会の新浪剛史代表幹事はひとしきり考えてから「驚(おどろき)」を挙げました。米中間の対立や、ウクライナ、中東の戦況などを挙げ、「予想だにしない驚きがどんどん増えてきた。驚きが加重された年だった」と振り返りました。特に「民衆国家であるアメリカの分断がさらに深まるような驚きが起こった。予想ができない世の中になってしまった」と、神妙に語りました。

日商・小林健会頭

日商・小林健会頭

そして、日本商工会議所の小林健会頭です。小林氏は昨年、「賃に始まって賃に終わったよ」と述べていました。さらに、年初の経済三団体新年パーティ後の会見では、機先を制するように今年の漢字について言及。「人の不足。人をどうやって引き留めるかが一番の悩み」と述べ、「人」としていました。今年最後の定例会見で「それでよろしいですか?」と改めて確認をしたところ……。

「やっぱり賃上げの賃、来年も賃かな。去年1年間賃上げで苦労した。今年の方が賃に近い、来年もそうだよ」

ということで、今年も「賃(ちん)」となりました。今年は大手企業の春闘賃上げ率が33年ぶりの高水準となりました。来年も「賃」となるのか…そこには中小企業へのさらなる波及を含めた賃上げ定着への期待がにじみます。政財界の要人の漢字はいずれも画数が多く、揮毫するには難しいかもしれません。

さて、僭越ながら、私の「今年の漢字」ですが、「滞(たい)」を挙げたいと思います。今年も科学技術、防災、経済、政治と幅広い分野を取材してきました。今年の漢字の7位には「変」が入っていましたが、なるほど、様々なものが変化していると実感します。しかし、「変わるべきものが変わっていない」「動くべきものが動いていない」と感じることも多々ありました。それは取材拠点だった国会や省庁、企業のみならず、私が身を置くメディアも同様です。SNSが発達し、誰もが発信できるようになった時代、既存のメディアは「オールドメディア」と呼ばれるようになりました。メディアのあり方も問われています。「変化していることに自分がついていけているのか」と自問自答することもあります。

一方で「決して変わってはいけないものがある」のも真理だと思います。そういった感情がないまぜになり、全体として何か「目詰まり」を起こしている…停滞、滞留の「滞」を選んだ所以です。経団連の十倉会長と違い、暗いイメージとなりましたが、来年はそんな滞った目詰まりが晴れていく一年になるのでしょうか。

本年も「報道部畑中デスクの独り言」をご覧いただき、ありがとうございました。どうぞよいお年をお迎えください。

(了)

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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