世界では“作曲作詞”なのに、なぜ日本では“作詞作曲”なのか 作曲家・都倉俊一が語る日本人と『詞』の関係
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2025年1月30日 21時0分
ニッポン放送で毎週木曜日の夜8時からお送りしている『NEXT STAGEへの提言Ⅱ』。
この番組は、日本を代表する各界の著名人が毎週登場。今の日本の礎を築いた著名人たちは、何を考え、何を次世代に伝えるのか。芸能・文化・音楽・スポーツ・経済・政治など、日本を代表する各界の著名人が週替わりで登場し、自身の人生を振り返りながら、「次世代・NEXT STAGE」への提言を発信していく。
1月30日(木)の放送では、作曲家編曲家プロデューサーで、文化庁長官の都倉俊一が登場。小学校時代、高校時代をドイツで過ごし、音楽の教育を受ける。帰国後、学習院大学在学中に作曲家としてデビュー。1970年代以降、世に送り出したヒット曲の数は1100曲を超える。2021年4月、第23代文化庁長官に就任。
昭和、平成、そして令和と、長年、音楽業界の第一線で活躍してきた都倉。この令和の時代の音楽を、どう見ているのか。
都倉:やっぱり今の若いソングライターの人たちの音の作り方を見ていると、すごく我々の時代に比べて異次元の世界にいるなという感じがするんですよ。でもね。よく聴くと、やっぱり日本人のDNAだと感じる。そこが面白いなと思いますよ。昔は作詞家の先生が書いた詞をいただいて、それにメロディをつけるというこれは常識だった。当時はいわゆる「詞先」という作り方が当たり前だったんですね。日本では、作詞作曲って呼び方するでしょ。でも、世界では普通、「作曲作詞」なんですよ。日本だけが「作詞作曲」なんです。日本はやっぱり「詞」という概念がすごく強かったんです。
ニッポン放送では、過去に番組のパーソナリティを担当するなど都倉と「ラジオ」の結びつきは強い。そんな「ラジオ」にまつわる思い出を語った。
都倉:僕は受験生ではなかったんですけど、学生時代ヨーロッパ行って、帰国して、大学生になったわけですよ。日本に帰ってきて、周りを見てると、みんな深夜放送を聞きながら勉強してるわけ。深夜放送で、ニッポン放送がダントツだったんで。時代がちょっと進んで、僕が曲を書き始めて、大学生の時。初めて僕の曲がオールナイトニッポンで流れたんです。それが井上順さんの「昨日・今日・明日」という曲で。僕は「お!」とか思ってね。すると、その影響で、だんだんオリコンチャート上がってくるわけですよ。そしたらますます、ラジオでかかるじゃないですか。嬉しくてね。自分で車を運転した時に、カーラジオから自分の曲が流れてくるのが、衝撃的だったんですよ。ニッポン放送は、本当に古いお付き合いです。
最後に、次の世代への提言を伺った。
都倉:人間中心の国になる。人間と言うのは、根源的なコミュニケーションは、「心」。心になにかを感じるということは、コロナ禍で、みんな味わった。人間は、「心」に栄養がないと、枯れてしまう。「心」という言葉は、日本語しかない。日本人が、いかに「心」を大切にしてきたかを、(次の世代に)訴えたい。日本という国は、「心」と「心」がつながって、人間関係ができる。それが、国際関係にも発展するということを、政治家にも伝えたい。若い人たちは、自分が何に参加できるか、貢献できるかを考えれば、素晴らしい社会になると思う。その根源に、エンターテインメント、「文化技術」がある。
この番組は、radikoのタイムフリー機能で、放送1週間後まで聴くことができる。次回2025年2月6日(木)のこの番組は、ジャーナリストの須田慎一郎が登場する。
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