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「限界です」“老老介護”85歳妻の首絞め殺害 80歳夫に懲役3年、執行猶予5年の判決

日テレNEWS NNN / 2024年6月20日 20時27分

日テレNEWS NNN

85歳の妻の首を絞め殺害した罪に問われている80歳の夫の裁判で、東京地裁は20日、懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。被告は「限界です」などと介護に悩む心境を携帯のメールに保存していました。

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20日、法廷に立った80歳の吉田友貞被告。去年、妻・節子さん85歳の首を絞めて殺害した罪に問われています。老老介護の末に起きた事件。裁判所が下した判決は…

   ◇

1994年、50歳の時に節子さんと結婚した吉田被告。2016年頃、節子さんの目が見えなくなり始めたといいます。その後、ヘルパーに外出時の支援を依頼するようになりましたが、節子さんは決まったヘルパーしか受け付けなかったといいます。

家の中での介護は、吉田被告が1人で担当することになりました。その様子を初公判で明らかにしていました。

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吉田友貞被告(80)(初公判の被告人質問)

「だんだんと方向感覚がずれることがあり、トイレの中まで連れて行くようになりました」

当時、70歳を超えていた吉田被告。食事面でも心を砕いていたといいます。

吉田友貞被告(初公判の被告人質問)

「(節子さんに)かたさの好みがあったので、例えばカボチャ(の総菜)を買っていったら、もう1回やわらかく煮なおしたりしていました」

弁護側(初公判の被告人質問より)

「なぜ、こだわりに向き合ったんですか?」

吉田友貞被告(初公判の被告人質問)

「我々の年になったら食べることしか…本人に満足いかせるものがないじゃないですか。だから、できるだけ望みどおりにしたかったんです」

これまでの裁判で、夫婦の知人は… 

夫婦の知人(上申書)

「吉田さんは本当に大変そうで、なんとか助けてあげたいとは思っていました」 

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去年に入り、要介護1の認定を受けた節子さん。異変が起き始めたのは5月頃からです。節子さんの妄想が始まり、吉田被告が「浮気している」などとわめいたり、他人の家に上がり込んで、長時間、支離滅裂なことを言ったりするようになったといいます。吉田被告はこれを機に仕事を辞めて、介護に専念するようになったといいます。去年7月には、節子さんが心療内科からうつ状態などと診断されたといいます。

そして去年の9月30日。吉田被告は携帯電話のメールに日記代わりのメッセージを保存していました。

「限界です」「刃物は傷をつけてかわいそうなので首を絞めようと思います」

去年10月1日、吉田被告に対し「財布を返せ」などと責め、外出しようとしたという節子さん。吉田被告は4時間以上にわたって節子さんをなだめようとしたといいますが、その後、節子さんの首を絞めて殺害したとみられているのです。

吉田被告のメッセージ(去年10月2日午前1時4分保存)

「ついにやりました」

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これまでの裁判で“殺せば節子が楽になると思った”などと話し、起訴内容を認めている吉田被告。介護にストレスがあったのか問われると、“家族なので介護は当たり前だと思っていた”と話していました。

吉田友貞被告(初公判の被告人質問より)

「自分ではストレスを感じていた認識はありません」

こうなる前に誰かに助けを求めることはできなかったのか…

吉田友貞被告(初公判の被告人質問より)

「家族のことは家族でなんとかしなければ、というのがあったのかもしれません」

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検察側は懲役7年、弁護側は執行猶予付きの判決を求めていましたが、20日、東京地裁は懲役3年、執行猶予5年の判決を言い渡しました。

裁判長

「被告人が自覚のないまま疲労や疲弊感を蓄積させていたことは、容易に推認できる」

約30年の結婚生活に自ら終止符を打ってしまった吉田被告。

裁判員

「結婚してよかったですか」

吉田友貞被告(被告人質問より)

「それは…最後さえ間違わなければ良かったと思います」

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