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「先が見えない」能登の海女、漁再開できず… 能登半島地震から半年

日テレNEWS NNN / 2024年7月1日 22時54分

日テレNEWS NNN

能登半島地震から7月1日で半年。石川県の輪島港は大きく地面がひび割れ、波打つようにゆがんでしまっています。また、海底が2メートルほど隆起するなど、陸だけでなく、海にも影響が出ていて、港の復旧のめどは今も立っていません。輪島には、この海での漁をなりわいにする約130人の海女さんがいます。実は7月1日は毎年、海女漁が解禁になる日ですが、漁はまだ再開できていません。「先が見えない」と語る海女さんたちの今を取材しました。

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元日の午後4時10分、最大震度7の地震が北陸を襲いました。石川県では299人が亡くなっています。(※うち災害関連死70人、一部手続き中を含む)

石川・穴水町の住民

「いっぱいありすぎて、半年とは思えない。たくさんの人に助けてもらってる」

能登半島地震から半年、季節は夏になりました。

鈴江奈々キャスター(石川・輪島市、6月22日)

「輪島朝市の火災現場に来てみますと、焼け落ちてしまった建物の合間から草木が生えています。半年という時間を感じます」

日テレNEWS NNN

6月22日、鈴江キャスターは輪島朝市のすぐ近くにある漁港を訪れました。出会ったのは、門木奈津希さん(43)です。家族代々、海女で、約27年海に潜っています。

門木奈津希さん

「私たちは7月1日が解禁日で、もうそろそろ」

鈴江キャスター

「解禁になるとどんな漁が?」

門木奈津希さん

「サザエ、アワビ、もずく」

輪島の海女は素潜りの技術を代々受け継ぎ、アワビやサザエ、もずくなどを収穫。その技術は、国の重要無形民俗文化財に指定されています。(輪島の海女漁の技術)

輪島を活気づける海女。明るく振る舞いますが…

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鈴江キャスター

「隙間ができているのは地震の影響?」

門木奈津希さん

「地震です。リフトも通れなくなって、ここに鉄の板を張って」

漁港は、地震で使えない状態になりました。

鈴江キャスター

「この黒い袋は何が入ってる?」

「津波のゴミ」

漁場には多くのゴミが押し寄せ、撤去に追われています。さらに…

日テレNEWS NNN

門木奈津希さん

「海岸の白い貝がついている所が、水につかっている部分」

鈴江キャスター

「色が変わってる。貝殻がついている」

門木奈津希さん

「本来なら水につかっている」

地震で海底が2メートルほど隆起したといいます。

鈴江キャスター

「こういう状況が続いている気持ちは?」

門木奈津希さん

「もっと早く復旧するかと思ったけど、何も変わらない」

   ◇

海に出られなくなった約130人の輪島の海女。今思うことを、聞かせてもらいました。

鈴江キャスター

「長年、海女を続けてきて、半年も漁ができないことあった?」

日テレNEWS NNN

門木奈津希さん

「ないね」

浜谷美恵さん

「半年たっているから『当たり前のように漁に出ているんじゃないか』『当たり前のように仕事しているんじゃないか』、そういう風に思われているかも。まだ全然変わっていない。忘れ去られているんじゃないか、まだこんな状況ですよと、忘れないでほしい」

山岸美咲さん

「家もダメ、漁はできない。先が見えないしか言えない」

アワビも、サザエも、とることはできなくなりました。

日テレNEWS NNN

先の見えない不安が続く中…。早朝、ウエットスーツを着ていた門木さん。

門木奈津希さん

「いつも潜っている所のもずくの育成と海底の調査に」

もずくの生育状況を見るため、地震で変わった海へ…

「隆起で上がった?」

「分からん」

門木奈津希さん

「いつもから見れば、もずくの生育が少ないけれど、少量の漁から試験的に操業してみてもいいかなと」

そして、6月28日、7月から試験的に海女漁を再開できることが決まりました。まずは、もずくを対象とした漁から始めるということです。

なりわいを取り戻す一歩を踏み出せた、輪島の海女。

鈴江キャスター

「海に出られることが喜び?」

門木奈津希さん

「毎日ワクワクしていると思う、みんな。少しずつ何かをして、1つでも早く元に戻ること。戻ってほしいです」

■鈴江キャスターが取材を通して感じたこと

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鈴江キャスター

「まずは再開に向けた一歩となる試験的な漁は始まりますが、海産物を船から運び出し、氷を作ったり、仕分けしたりする港の工事は見通しが立っておらず、本格的な漁を始めることはできていないんです」

斎藤佑樹キャスター

「仕事ができなければ、もちろん生活することも子育てすることも、とても難しいですよね」

鈴江キャスター

「被災された方たちにとって『生活再建』は言葉で言うほど簡単ではなく、先行きが見えないことが、精神的にも経済的にも大きな負担となっています。その背中を押していく息の長い支援と、見通しを一日でも早く描くことが、明日への希望につながると感じます」

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