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店に飲食物持ち込みで『罰金1万円』、居酒屋で吐いたら『罰金1万円』 飲食店の独自ルール 法的な有効性は?【#みんなのギモン】

日テレNEWS NNN / 2024年7月26日 7時2分

日テレNEWS NNN

「食べ放題プランの食べ残し禁止」など、飲食店には独自のルールを設けているお店があります。ルールを守らなかった場合は罰金としてお金を請求されるケースも。これって本当に払わないといけないのでしょうか? 専門家に聞きました。(日本テレビ報道局 調査報道班)

■飲食店の独自ルール  有効性は?

「スープより先に麺を食べるの禁止」、「食べ放題プランの食べ残し禁止」など、飲食店には利用客に対して独自のルールを設けているお店があります。

なかにはルールを守らなかった場合に、罰金としてお金を請求されるケースも。

これって本当に払わないといけないのでしょうか?

日本テレビの情報提供サイトに寄せられた2つのケースについて、飲食店の法律問題に詳しい石﨑冬貴弁護士に聞きました。

■ケース①『店内への飲食物持ち込み禁止』貼り紙見落とし罰金

日テレNEWS NNN

『持ち込み禁止の貼り紙を見落としてペットボトルを店内に持ち込んだところ、飲んでいないのに罰金1万円を請求されました』

石﨑冬貴弁護士

「この場合、罰金を支払う必要はありません。ペットボトルを無断で持ち込まれたことによる店への損害を考えたとき、ただ持ち込んだだけで1万円の損害が出るとは考えにくい。仮にお客さんが貼り紙を見ていたとしても、持ち込んだだけで罰金を取るというのは難しいと思います」

持ち込んだ飲み物を飲んでしまった場合はどうなのでしょうか。

石﨑冬貴弁護士

「仮にビール1缶を持ち込んで飲んだとします。店でビール1杯500円で販売されていたとして、ビールを注文されなかったことによって利益分の損害を受けたとするなら、ビール1杯の値段から計算できる利益分を損害として請求することはできるかもしれません」

お店側は、お金を取るのではなく、その場で退店を求めるなど別の方法を取るべきだといいます。

■ケース②『吐いたら罰金1万円』支払う代わりに清掃

日テレNEWS NNN

『”吐いたら罰金1万円”というルールがある居酒屋で大学生が吐いてしまい、罰金を支払う代わりに自ら掃除をしたと聞きました。これって問題ないのでしょうか』

石﨑冬貴弁護士

「前提として、店側はルールを自由に決めることができ、お客さんはそのルールを守った上でサービスを受けることになります。もしルールを守らずに店に損害を与えた場合は、損害賠償責任を負うことになります。予約の無断キャンセルのキャンセル料もそのひとつです」

罰金を請求すること自体に問題はないといいますが、このように店側が決めたルールに基づいて罰金を請求する場合は、事前に客から合意を得ていることと、罰金の額が適正であることが条件になるといいます。

■客は「吐いたら罰金1万円」に合意していた?

石﨑冬貴弁護士

「飲食店では清掃費用のほか、嘔吐によって周囲のお客さんが店を出ていってしまうなどの損害が発生することが考えられます。こうした得られるはずだった利益を算出するのは非常に難しいため、店は、このような損害が出た場合はこれだけ請求しますよと、あらかじめ賠償額(罰金)を定めておくことができることになっています」

しかし、この賠償額は当事者間の合意のもとに決めることになっているため、店側が実際に損害を受けていたとしても、客の合意が得られていない場合は無効になるといいます。

石﨑冬貴弁護士

「店内のよく見える場所に罰金の貼り紙がされていたとしても、それは店側が宣言しているにすぎず、仮にお客さんが見ていたとしても合意を得たことにはなりません。絶対に守ってほしいルールがある場合は、入店時や予約時にしっかり説明し、事前に合意を得ておく必要があります」

■「吐いたら罰金1万円」金額は妥当?

今回のケースのように、嘔吐で罰金1万円は高いと感じる人がいるかもしれませんが、石﨑弁護士は一概にそうとも言い切れないといいます。

石﨑冬貴弁護士

「どうせ従業員が清掃するだけなのに、1万円は高いのではないかと思うかもしれませんが、コロナ以降に衛生管理の意識が高まったこともあり、清掃業者に依頼するケースもあります。また、食器など什器備品の交換であったり、ソファーに吐いてしまい張り替えといったことになると1万円では済みません。罰金1万円に合意していれば、それ以上請求されることはありませんが、合意していなければ損害賠償として、それ以上の金額を請求される可能性があります」

賠償額は、損害に対して平均的な金額に基づいて決められることになっているため、仮に100万円や1億円といった、平均額を大幅に超える金額を定めていた場合、合意があったとしても、その平均的な損害を超えた部分は無効になるといいます。

また、今回のケースでは支払う代わりに掃除をしたとありますが、店側は損害に対する金銭的な要求以外は認められないため、罰金の代わりに掃除をさせることはできないということです。

石﨑弁護士によると、店側が罰金を定めている理由の多くは、お金がほしいというよりもルールを守ってほしいという思いからだといいます。

お客さんはお店に迷惑がかからないように、ルールを守って楽しく飲食することを心がけましょう。

●あなたの身の回りの怒りやギモンをお寄せください。

お寄せいただいた情報をもとに日本テレビ報道局が調査・取材します。

#みんなのギモン

https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.html

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