津田健次郎が能楽の舞台に “能×声優”という異色のコラボ『夜能』を取材
日テレNEWS NNN / 2024年8月4日 6時10分
声優や俳優として活躍する津田健次郎さんが、東京・文京区の宝生能楽堂で6月23日に開催された、声優・俳優の朗読と能を楽しむ企画『夜能』に出演。声優と伝統芸能がコラボした、宝生能楽堂45周年を記念する特別公演を取材しました。
『夜能』は2018年から始まった公演で、最初に声優・俳優が能の物語を語り部として朗読、その後に能の舞台を見るという舞台となっています。
今回上演された演目は『道成寺』。女人禁制とされた紀州道明寺の釣り鐘供養を巡り、白拍子の女の執心や恋慕を描いており、男装した白拍子による静かな舞から舞台上の鐘へ姿を消してしまう急展開、鐘を中心とした舞台展開が特徴の演目です。
■初めて来た観客「ハードルが下がって見やすい」
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『夜能』には能を初めて見る人も含め、幅広い年齢層が集まり、480席が満席となりました(主催者発表)。
初めて能を見に来たという津田さんファン歴2年の観客は「声優・俳優の津田健次郎さんがご担当されるということで、ぜひ見てみたいと思って」と、津田さんの出演が能を見るきっかけになったといいます。続けて、「『夜能』でわかりやすく解説しているっていうことで、ハードルが下がって見やすくなっているのかな」と明かしました。
また、同じく初めて能を見に来た30代の観客は、もともと能に興味があったそうですが、現代語と違う能の表現に、とっつきにくいというイメージがあったといいます。しかし「好きな声優さんが演目をされるということで、初めての経験でいいかな」と、好きな声優とのつながりがきっかけとなったといいます。
■“能ファン”が感じた『夜能』の影響
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初めて能を見に来る人も多いという『夜能』。普段とは違う盛り上がりに、能を何度も見ている“能ファン”で、『道成寺』を見に来た親子の母親は「お客様の層が今日は違うなと思って、うれしいなと思っていた」と驚いていました。
また、実際に能を習っているという2人組は「津田健次郎さんの効果すげえわ!」「こうやって広がっていったらいいな」と、能と出会うきっかけ作りに期待を寄せていました。
■“能×声優”の原点とは 宝生和英「高校時代によく聴いていて」
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どのようなきっかけで“声優×能”という組み合わせで企画をスタートさせたのか、『夜能』の主催者であり、宝生流二十世宗家の宝生和英さん(38)に理由を聞くと、「私の使命としては、能楽を皆さんに知っていただくという部分もあると思うんですが、日本の古典の物語も知られてなくなっていくことに危機感があって」と現代の古典離れの現状を語りました。
そして「ただ伝えるのではなく、能楽ならではの演出のエッセンスを加えた一人語りと一緒に楽しんでいただきたいという思いで始めさせていただいた」と説明しました。
さらに、“能×声優”という組み合わせには原点があるそうで、「原点が、ドラマCDだったんですね。私が高校時代にドラマCDをよく聴いていて。自分の中でキャラクターが自由に動いている、想像をブーストさせてくれるっていうところで、(声優と能の)相性がいいという確信があった」と自身の経験が原点であることを明かしました。
■今回で3回目の出演 津田さんの『夜能』への思い
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今回で3回目の出演となる津田さん。『道成寺』の演目について「ここまで女性を演じるという機会がそこまでなかったので、すごく新鮮でしたね。とてもエモーショナルな作品だったのでひときわ面白かったと思っています」と振り返りました。
そして、『夜能』の企画については「『夜能』自体は初回からすごく面白い企画だなと思っていて。物語、言葉がなんとなくわかった上で見るという。一気に能楽を見るハードルが下がるので。すごく見やすいんじゃないかな」と企画の面白さを語りました。
また、『夜能』をきっかけに能を見に来る人が増えることについては「何よりも、来ていただいて能楽に初めて触れるというのがすごくうれしいです」と自身の活動が新しい体験のきっかけになっている喜びを明かしました。
最後に「能楽が放つ波動だったりとか、空気感で“眠くなるのはOKです”と宗家(宝生和英さん)がおっしゃってくださっているので(笑)。ふわ~っとなる感じも含めて、気負わずに興味をもっていただけたら」とメッセージを送りました。
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