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【競技担当が注目】悲願の金メダルへ "リレー侍" パリの地で復活なるか

日テレNEWS NNN / 2024年8月8日 12時2分

4×100mリレーに挑むメンバー(写真:日本陸上競技連盟/フォート・キシモト)

今回のパリ五輪に強い覚悟で挑む侍たち。五輪における4×100mリレーの歴史をひもとくと、日本にとって初の快挙となったのは2008年の北京五輪でした。塚原直貴選手・末續慎吾選手・高平慎士選手・朝原宣治選手が、日本史上初の銀メダル(※銅メダルから繰り上がり)を獲得。トラック種目でのメダル獲得は80年ぶり2度目という快挙でした。そして2016年のリオ五輪では、山縣亮太選手・飯塚翔太選手・桐生祥秀選手・ケンブリッジ飛鳥選手の継走で銀メダルを獲得。当時のアジア記録となる37秒60をマークしました。ウサイン・ボルト選手ら、世界の強豪相手に勝負する姿は大きな感動を呼び、五輪における陸上競技の象徴的なシーンにもなりました。

金メダル獲得を目指し、1走:多田修平選手(10秒01)、2走:山縣選手(9秒95)、3走:桐生選手(9秒98)、4走:小池祐貴選手(9秒98)という"過去最速メンバー"で挑んだ3年前の東京五輪(※カッコ内は当時の自己ベスト)は、ギリギリのバトンパスで攻めた結果、バトンがつながらず、途中棄権という悔しい結果に。"リレー侍"復活へ。金メダル獲得は、日本短距離チームの悲願でもあります。

今回、4×100mリレーのメンバーとして選出されているのが、桐生祥秀選手、飯塚翔太選手(200m代表)、サニブラウン アブデル ハキーム選手(100m代表)、坂井隆一郎選手(100m代表)、上山紘輝(200m代表)、柳田大輝選手、鵜澤飛羽(200m代表)、東田旺洋(100m代表)の8人です。

今年5月のナッソー2024世界リレーの予選では、サニブラウン選手が1走を務めるという驚きのオーダーで38秒10をマークし、パリ五輪出場権を獲得。五輪の前哨戦となった、7月20日(日本時間)のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会では、1走:坂井選手、2走:柳田選手、3走:桐生選手、4走:上山選手のオーダーを組み、オーストラリア、フランス、イギリス、カナダ、オランダ相手に、シーズンベストの38秒07で優勝に輝きました。

柳田→桐生のバトンリレー練習(写真:日本陸上競技連盟/フォート・キシモト)

その約1週間前、7月13~15日には、ナショナルトレーニングセンターで国内最後の合宿を実施。練習が公開された14日、選手らが入念に確認していたのはバトンパスでした。バトンの受け渡し区間=30mの「テークオーバーゾーン」+10mの全40mのタイムを計測。この40mを3秒70~75で走ることができれば、メダルが狙えるという指標があります。

この日の練習パターンは4種類。2走:柳田選手→3走:桐生選手、3走:鵜澤選手→4走:東田選手、3走:桐生→4走:上山選手、1走:坂井選手→2走:柳田選手という組み合わせを試しました。6本走り、そのうち3本が指標をクリア。"カミソリスタート"と呼ばれる、鋭い飛び出しが持ち味の1走:坂井選手→大きなストライドが武器の2走:柳田選手のバトンパスでは、この日最速の3秒68をマークし、その速さに「おお!」という、どよめきが起こっていました。

エース柳田大輝選手と土江寛裕ディレクター(写真:日本陸上競技連盟/フォート・キシモト)

チーム最年少ながら、大きな声を出して練習を盛り上げていたのが、大学3年生の柳田選手です。短距離チームを統括する土江寛裕ディレクターも、"エース"と期待を寄せる柳田選手は、2023年7月のアジア選手権で10秒02の自己ベストをマークし優勝。今年4月にもアメリカの競技会で10秒02を記録しています。さらに、6月には追い風参考記録ながら9秒97をマークするなど、成長著しい選手。しかし、パリ五輪代表選考会の日本選手権では3位となり、100m個人での出場権をつかむことはできませんでした。レース後には、「五輪のトライアルが近づくにつれて、不安でどうしようもない日もあった。代表をとれなかったのが悔しい」と涙ながらに語っていた柳田選手。土江ディレクターの「腹くくってリレーで金メダルとるぞ!」という一言に奮起し、気持ちを切り替えることができたといいます。

大学の先輩にあたる桐生選手とのバトンパス練習では、「よし!よし!」と大きな声を出す柳田選手の姿が。「1本目がかなりギリギリで、それを踏まえた2本目だったので、タイムは落ちましたけど、"安全バトン"というか、合格点が出るくらいの感じだったので、安心して声出ちゃいました(笑)」とこの日は、笑顔がはじけていました。

チームの大黒柱・桐生祥秀選手(写真:日本陸上競技連盟/フォート・キシモト)

チームジャパンの大黒柱で精神的支柱となっているのが、五輪3大会連続出場、"ベテラン"となった桐生選手です。「飯塚翔太が…おっちゃんがいますからね(飯塚選手は4大会連続出場)」とちゃかしながらも、「4継は自分のなかでも特別だから、終わった後にしっかり全員で喜びを分かち合いたい」と気を引き締めます。チーム内で唯一、3年前の悔しい経験をしている桐生選手は、「チームとしてはメダルを狙っているし、僕自身金メダルを持っていないので、しっかり金メダルをとれるように」と、リベンジを誓いました。3走での出走に期待のかかる桐生選手には、土江ディレクターも「これまでのすべてのメダルには桐生が絡んでいる」と、信頼を寄せています。

ダイヤモンドリーグ出場後、フランス入りし、現地で調整を重ねているリレーチーム。ここにサニブラウン選手も加わり、どんな走りを見せてくれるのか。気になるオーダーについて土江ディレクターは、「これまでのリレーだと、だいたいこのオーダーという基本のオーダーがあった。今回の場合は、8人すべてがリレーにとって非常に重要な選手。どういうオーダー、メンバーでいっても金メダルを狙っていけるようなメンバーがそろった。我々としては采配が難しい」と頭を悩ませていることを明かしました。

(日本時間)8月8日に予選、10日に決勝がおこなわれる、男子4×100mリレー。悲願の金メダル獲得なるか、日本チームの入場パフォーマンスにも注目です。

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