バスケ&バレー代表は「史上最強」、サッカーは「U-23」メンバー パリ五輪のナゼ?
日テレNEWS NNN / 2024年8月8日 16時34分
連日の盛り上がりを見せるパリ五輪もいよいよ終盤。アスリートにとっては「最高の舞台」とされる五輪ですが、競技によっては「オールスターメンバー」が揃うこともあれば、若手中心で揃えたメンバーでのぞむチームもあるようです。その違いの理由について取材しました。
■サッカーだけが若手メンバー主体、その理由は?
![](https://image.typeline.play.jp/74d83cb6d70c4499a51e0d516f73b40c/articles/001cd412d8c64462940df06a7c0fb872/26301a64-86bb-400a-aa77-2c5d27a0d0b0.jpg?w=550)
「史上最強」ともいわれた、日本男子バスケ代表。惜しくも勝利を掴み取ることはできませんでしたが、日本バスケットボール協会の担当者も「ベストメンバーを招集した」と胸を張るように、現役NBAプレーヤーの八村塁選手の加入、来季からBリーグでプレイする渡邊雄太選手、NBAにチャレンジする河村勇輝選手など、まさに「史上最強」の名に恥じないラインナップは、ファンの心を鷲掴みにしました。
一方、サッカー日本代表はどうでしょうか?
パリ五輪のメンバーを改めて見返してみると、海外で活躍する日本人選手の姿もありますが、全員が23歳以下の、若手のメンバーで構成されています。アスリートにとっての「最高の舞台」に、なぜ若手で望むのか。
サッカー情報専門サイト「フットボールチャンネル」の加藤健一編集長は、FIFA(国際サッカー連盟)と、IOC(国際オリンピック委員会)、そしてグローバル化が進むサッカー界の事情が大きく影響していると話します。
「FIFAが定めた一定の期間内のみ、FIFAに加入している各国代表チーム、クラブチームは国際試合を行えるというルールが存在しますが、五輪はその範疇外、というのが大きな理由です。この期間内に、各国のサッカー連盟がクラブに選手の招集を行うのですが、期間内であれば招集に応じる"義務"が生じます。同じく、FIFAが主催するサッカーワールドカップにも義務が発生するので、いわゆる"A代表"が集まります。しかし、五輪はFIFAの管轄外で、招集に応じる義務がないのです」
サッカー男子日本代表を含めた各国のメンバーが、23歳以下の選手で構成されたのも、こうした理由が反映された結果だといいます。しかし、パリ五輪では、現在23歳で欧州リーグで活躍する久保建英選手らの招集は見送られました。
「五輪では、クラブ側が代表チームに選手を派遣する義務はないものの、クラブや国によっての判断はそれぞれ違います。欧州リーグの中には、五輪開催期間にすでにリーグ戦が始まっている場合もあり、そうしたクラブチームに所属する選手は、若手であっても招集が難しくなります。また、選手に移籍の可能性があると、やはり招集を見送られることがあります」
■五輪よりW杯が格上?とは言い切れない複雑なサッカー事情
![](https://image.typeline.play.jp/74d83cb6d70c4499a51e0d516f73b40c/articles/001cd412d8c64462940df06a7c0fb872/c121fcc6-06c7-4fab-a03e-596c058539a2.jpg?w=550)
こうしてみると、サッカーにおける「最高の舞台」は、五輪ではなくワールドカップ、という印象を抱いてしまいますが、加藤編集長は次のように説明します。
「例えば、南米の強豪・アルゼンチンなどは、五輪にもA代表に近い若手メンバーを集めますし、今回開催国であるフランスもベストメンバーに近いラインナップ。逆にドイツなどは、いつもの五輪メンバーより若手が揃えられました。だから、どちらの大会が格上とかではなく、その時の選手、クラブ事情によって、メンバーは大きく異なります」
五輪とワールドカップでうまく棲み分けができていることで、メリットもあるようです。
「今の日本A代表チームは、ほとんどが海外クラブに在籍するメンバーですが、五輪のメンバーはほとんどがJリーグクラブに所属しています。普段は対戦することが難しい、海外の若手トップ選手と戦えることは日本の若手選手にとっても貴重な機会。また、普段身近なJリーグで活躍している選手が国際試合で戦う姿も、ファンにとっては大きな楽しみになります」
サッカーだけでなく、バレーボールには「世界選手権」が、陸上には「世界陸上」があるように、それぞれの競技が、五輪との棲み分けをうまく計りながら、レベルアップを目指している、というのが実情のようです。
この記事に関連するニュース
-
五輪サッカー登録18人は「変わらない」IOCの“裏事情” 日本も「どうせ勝てない」強制減の過去【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年8月3日 18時30分
-
日本戦でも「空席が目立った」 “客寄せパンダ”も限界…存続危機の五輪サッカー【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年8月3日 9時49分
-
なぜ五輪サッカーは「世界最高峰ではない競技」なのか 4年に一度の祭典で直面した除外の危機の歴史【コラム】
FOOTBALL ZONE / 2024年7月23日 7時1分
-
「WBCの野球はベストメンバーなのに」パリ五輪サッカー男子日本代表に向けられる厳しい意見! 最強メンバー揃わず戦いへ…「OA枠を使わない理由」と「メダル獲得の確率」
集英社オンライン / 2024年7月20日 10時0分
-
パリ五輪でルールが変更、ケガや病気に限り大会中でもバックアップメンバーと入れ替え可能に…男子は帯同しない計画も
超ワールドサッカー / 2024年7月13日 9時40分
ランキング
-
149歳スケートボーダーにネット騒然 「若手と戦ってめちゃくちゃカッコイイ」「尊敬する人に追加」「攻める姿が金メダル」と大盛り上がり
iza(イザ!) / 2024年8月8日 12時16分
-
2「銅」獲得の須崎優衣が何度も観客席に頭を下げる姿に「謝る必要なんてない!」「目頭熱くなった」
読売新聞 / 2024年8月8日 14時30分
-
3なぜ阿部詩は号泣し、須崎優衣は嗚咽したのか…溢れ出る悲壮感はメダル連発スケボー選手と天地の差
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月8日 11時3分
-
4【専門家が解説】やり投げ北口榛花 金メダルを取るには「追い風」「向かい風」のどっちが有利?
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年8月8日 11時3分
-
5“令和最新版霊長類最強女子”圧倒的強さで決勝進出を果たした藤波朱理が吉田沙保里の愛称を継承か
日テレNEWS NNN / 2024年8月8日 7時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)