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【解説】南海トラフ“巨大地震注意”って結局なんだった?頻発する関東の地震との関連は?

日テレNEWS NNN / 2024年8月19日 21時55分

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8日に初めて出された「南海トラフ地震臨時情報」。呼びかけは終了しましたが“もう安全”ではありません。改めて、この情報をどのようにとらえれば良かったのか。最近頻発する関東の地震との関連は?社会部災害担当・藤吉有咲記者が解説します【週刊地震ニュース】

■関東で地震頻発、南海トラフ地震との関連はあるの?

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8月12日から18日の期間、国内で震度1以上の地震は29回ありました。

▼15日午後8時20分ごろ、神奈川県西部で震度4の地震がありました。地震の大きさを示すマグニチュードは4.3、震源の深さは12キロでした。また関東地方では19日にも強い地震が発生しました。

▼19日午前0時48分と午前0時50分ごろ、茨城県北部を震源とする地震が立て続けにおこりました。このうち2回目の地震では、日立市で震度5弱を観測し、マグニチュードは5.1、震源の深さは8キロでした。

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神奈川県西部では、9日にも震度5弱を観測する地震が発生しています。初めての南海トラフ地震臨時情報が出された日の、翌日でした。ただ、いずれの地震も、震源は南海トラフの想定震源域から離れていることなどから、南海トラフ巨大地震との関連性は低いとみられています。

また、気象庁は19日の茨城県北部の地震について、今後1週間程度は同じ規模の揺れに注意してほしいとしています。

■“南海トラフ臨時情報”とは何だった?改めて振り返る

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8月8日午後5時ごろ、日向灘でマグニチュード7.1の地震が発生しました。南海トラフ地震の想定震源域の、ギリギリなかに入っていることが分かります。これにより、初めて南海トラフ地震臨時情報が出されました。南海トラフ沿いでは過去に繰り返し巨大地震がおきています。今回出された情報は、そうした巨大地震の可能性が、普段より高まっていることを示すものです。

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臨時情報にはいくつか種類があります。今回出されたのは、マグニチュード7クラスが発生したときに出される「巨大地震注意」。避難を呼びかけるものではありませんが、地震への備えを再確認し、常にすぐ逃げられる態勢をとるよう呼びかけています。

この「巨大地震注意」の上には、マグニチュード8クラスが発生した場合に出される「巨大地震警戒」があります。仮に、この情報がでていた場合、地震発生後の避難では間に合わない可能性がある地域では、少なくとも1週間の“事前避難”が求められていました。事前避難が必要な地域は、市町村ごとに、地域の実情に応じて指定されています。

■実際“巨大地震”がおこる確率とは

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では実際にどの程度、地震がおこる確率は高まっているのか。南海トラフ巨大地震については、そもそも“平常時”であっても、今後30年以内に発生する確率が70%から80%とされています。これを1週間に換算してみると、千回地震があったとして、そのうち、だいたい1回巨大地震がおこる、という確率です。

今回はマグニチュード7クラスの地震がおきましたが、過去の世界の事例をみると、この規模の地震がおきたあと1週間以内にマグニチュード8クラス以上の巨大地震がおこる可能性は数百回に1回程度。これは先ほどの「平常時」と比べると数倍高くなっています。

地震調査委員会の平田委員長は、「地震学的にみれば“数倍高くなった”ことは極めて高い確率」だと話しています。

■“数百回に1回”どう捉えるか

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数百回に1回であれば、それほど深刻に捉える必要はない・・・と思う人もいるかもしれません。ただその“その1回”がおこったときの被害は計り知れません。その1つが、東日本大震災です。2011年3月11日、マグニチュード9.0の巨大地震が発生しましたが、実はその2日前の3月9日、マグニチュード7.3の地震がおきていました。

こうした背景もあり、“確実に1週間以内に地震がおこるわけではないが、平常時とくらべると可能性が高まっているので、いざというときにすぐ避難できるよう備えを再確認してください”と呼びかけています。今回は地震が発生してから1週間、気象庁などが地盤の変化を監視してきました。震源地の日向灘は陸地から離れていることもあり、震度1以上を観測する地震こそ多くはないものの、平常時よりも地震が多い状況は継続しています。

ただ、通常地震後にみられる変化以外は観測されなかったため、発生からちょうど1週間がたった15日午後5時、政府は呼びかけを終わらせると発表しました。

■“巨大地震注意”に“解除”はない?

しかし、そもそも南海トラフ地震の臨時情報は、警報や注意報のように「解除」されるということがありません。通常大きな地震が発生した直後に一番地震が多くなるため、“特に注意が必要な期間は終わった”というだけで、過去の例をみると数か月~数年後に後発地震がおきたこともあります。また、この1週間という数字に科学的根拠があるわけでもありません。臨時情報の制度をつくるにあたり、“どの程度の期間、注意しながらの生活に我慢できるか”という調査をした結果、その限界が1週間だったため決められました。

■今後どのように過ごせば良い?

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こうしたことから、内閣府の防災担当は、「通常の生活を送って問題ないが、引き続き日頃からの地震の備えを整えることが大切だ」としています。たとえば、地域のハザードマップでどのような危険があるか確認して、避難経路を確認する。家具の転倒防止や、窓ガラスの飛散防止対策をする、などの対策が大切です。

日本ではいつどこで地震がおこるか分かりません。今回、注意が呼びかけられた地域に限らず、いざ地震がおこったときに自分がどのように行動するかシミュレーションすることが大切です。

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