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川遊びで何が?「体調不良」100人超…激しい症状・原因を徹底調査【バンキシャ!】

日テレNEWS NNN / 2024年8月26日 9時14分

日テレNEWS NNN

熊本県天草市の滝周辺の川で遊んだ100人を超える人たちが、下痢やおう吐などの症状の体調不良を訴えています。原因は一体何なのか。浮かび上がってきた可能性とは?【バンキシャ!】

熊本県天草市にある「轟の滝」。ここで8月17日に、川遊びをしたという家族は…

「娘がずっと吐いて」

娘(小2)

「おへそのところが痛かった。ズキンズキンした」

その後、一家全員に下痢やおう吐などの症状がでたという。

これまでにこの川で遊び、体調不良を訴えた人は100人以上にのぼる。

タクシードライバー

「まさか、ああいうキレイなところで…」

地元住民(90)

「今までない事が発生したと私も思っている」

なぜ、突然このような事態になったのか?バンキシャは原因を探るべく専門家とともに現場を調査。すると…

滝周辺ではある異変が起きていた。さらに、上流へ向かうと…

バンキシャ

「これで何キロくらい?」

野生動物に詳しい専門家

「80~100キロ」

***

10日、バンキシャは熊本県天草市へ。

バンキシャ

「これが轟の滝です。勢いよく水が流れています」

浅瀬では魚が見えるほど水が透き通っていた。

この滝周辺で遊び体調不良を訴えた人は100人以上。いまだ原因は不明だ。

その原因を探るため、バンキシャは現場周辺を徹底調査。まず注目したのは「川の水」。水質の専門家、熊本大学の川越保徳教授とともに調査した。

水質に詳しい 熊本大学 工学部土木建築学科 川越 保徳 教授

「きれいですね。これはかなり透明度が高い」

浅瀬の水は透き通っているが、深い所をみると…

水質に詳しい 熊本大学 工学部土木建築学科 川越 保徳 教授

「少し淀みがち。水がたまって淀みがち」

バンキシャ

「あの辺の石、ちょっと見づらいすね」

水質に詳しい 熊本大学 工学部土木建築学科 川越 保徳 教授

「本当にきれいだったら全部見える。あの深さだったら」

――水が淀んでいる理由は?

水質に詳しい 熊本大学 工学部土木建築学科 川越 保徳 教授

「まず、今回雨が降っていないから、水の量が減っている」

天草市では7月16日から8月18日までのおよそ1か月、まとまった雨が降っていない。

2023年5月には4つの滝が勢いよく流れている。しかし、8月24日は、1つだけ。2023年5月と比べて、水の量が少ないことがわかる。

水質に詳しい 熊本大学 工学部土木建築学科 川越 保徳 教授

「やっぱり流れているのが大事です。新鮮な水と入れ替わっていきませんから、一度汚れると悪くなると長い間それがとどまってしまいます」

水の流れが弱いため細菌などがとどまりやすくなるという。この悪い環境に追い打ちをかけているのが、連日の厳しい暑さだ。

水質に詳しい 熊本大学 工学部土木建築学科 川越 保徳 教授

「おそらく(水温)20℃を超えている状態じゃないかな。そうすると微生物、特に細菌類は温度が高いと爆発的に増えるスピードがあがる」

実際に水温を測ってみると…

バンキシャ

「28℃です」

当時、川遊びをしていた家族も、水温の高さに驚いたという。

川遊びをしていた 父親

「流れが緩やかな所だともう温泉くらい温かいところもあった。あんなに“熱っ!”って思ったのは初めて」

滝の周辺では細菌やウイルスが増殖しやすい環境が整っていた可能性がある。

では、細菌などはどこから来たのか?

水質に詳しい 熊本大学 工学部土木建築学科 川越 保徳 教授

「野生動物が水に入っていくかもしれないし、水を飲む、もしくは排せつをする」

水質に詳しい 熊本大学 工学部土木建築学科 川越 保徳 教授

「ふん便の中に含まれて、病原性の微生物とかウイルスが入っていたら当然、汚染される」

バンキシャは、川の上流へ向かった。案内してくれたのは、地元の野生動物に詳しい有害駆除隊。

滝から400メートルほど上流にある田んぼ。すると…

地元の野生動物に詳しい 有害駆除隊

「ほら、こういうところ」

バンキシャ

「これ何ですか?」

地元の野生動物に詳しい 有害駆除隊

「イノシシがほじったあと」

バンキシャ

「イノシシがほじったあと…。本当だ、周りは草があるけどここだけないですね」

侵入を防ぐために電気柵を設置しているが、最近はイノシシの出没が相次いでいるという。8月10日には、滝から数百メートル上流で、体重100キロはあろうかというイノシシがオリにかかった。

さらに、数日前には2日間で7頭を捕獲したという。滝から1キロほど離れた場所に行くと、仕掛けたオリのそばには…

バンキシャ

「この辺に足跡ある?」

地元の野生動物に詳しい 有害駆除隊

「これとか、これとか」

バンキシャ

「あ、ほんとだ、ほんとだ」

滝の周辺に、確かにイノシシの痕跡が。

では、野生動物が原因で起きる体調不良には、どういったものがあるのか?感染症に詳しい専門家に聞いた。

感染症に詳しい 国際医療福祉大学 松本 哲哉 教授

「いろんな病原体の可能性はありますが、いままでの発生の事例をみれば、クリプトスポリジウムやレプトスピラ、そういった可能性が高くなってくるだろうと思う」

いずれも野生動物の排せつ物に含まれる細菌や寄生虫などが主な原因だが、症状には違いがあるという。

クリプトスポリジウム症は、嘔吐や下痢など消化器系の症状が多い。レプトスピラ症は、高熱や頭痛などインフルエンザに近いような症状だという。(国立感染症研究所HPより)

今回、不調を訴えた人たちは…。8月半ば、滝で遊んだという中学生は、数日後…

川遊びで体調不良 中学2年生

「嘔吐、下痢、熱が38℃~39℃とか出て、きつかったです」

川遊びで体調不良 中学2年生

「嘔吐がすごかったです。血が…吐血しました」

8月17日に滝を訪れた、別の家族は。

川遊びで体調不良 母親

「娘がもう本当になんの脈絡もなく、突然、吐いたんですよ」

数時間後には――

川遊びで体調不良 母親

「息子が、胃が痛いって言い出して。もう、胃をおさえて震えながら、言葉にならないというか、悶絶」

川遊びで体調不良 息子(小4)

「ギンギン痛かったです」

その後、両親にも症状が。父親は下痢、母親は高熱とそれぞれつらい症状が違ったという。

県は、調査を続けていて、近く水質検査の結果を公表する予定だ。

*8月25日放送『真相報道バンキシャ!』より

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