【解説】自民党総裁選、決選投票確実に “4位以降”の陣営どう動く?
日テレNEWS NNN / 2024年9月13日 19時15分
日本テレビは、自民党の党員、党友を対象に「独自に」電話調査を行い、総裁選挙で誰に投票するか、たずねたところ、石破元幹事長が25パーセントで1位、高市経済安保担当大臣が22パーセントで2位、小泉元環境大臣が19パーセントで3位でした。結果を受け、日本テレビ政治部の竹内真デスクが詳細を分析しました。
■高市氏“逆転”の理由は
――前回は小泉氏が2位、高市氏が3位でしたが、今回は逆転しています
自民党内では「小泉氏の“若さ”が出てしまったのではないか」という受け止めがあります。そのため伸び悩んでしまったのではないかということです。
一方で、高市氏は保守的なスタンスをかなりハッキリ打ち出していることがプラスになったのではないかということです。候補者が9人も乱立するなかで、一番ハッキリと保守的な主張をしているのが高市氏です。
自民党員というのは保守的な人が多いわけです。ある自民党のベテラン職員は「その保守層の支持を集めた高市氏が伸びるのに繋がったのではないか」との見方を示していました。
――前回はそういった票がほかの人に入りました
前回の調査では、保守系の主張をしていると知られている青山繁晴氏が3%の支持を集めていました。
青山さんは推薦人が集まらず立候補できませんでした。「青山氏が良い」と思っていた3%の人は、同じ主張をしている高市氏の方にいったのではないかとみるのが自然だという受け止めです。
小泉氏が下げたわけではなく、高市氏がビジョンを打ち出したのでそこに支持が回ったという見方です。
■決選投票のポイント 上川氏・小林氏・林氏は
――決選投票はどのようになりそうなのでしょうか
選挙戦は始まったばかりで、情勢は変わる可能性はあります。ただ、自民党内ではやはり上位3人が優勢との見方が多いです。となると、決選投票になった時、4番手以降の陣営がどうなりそうか分析します。
上川氏の推薦人には、9人も麻生派の議員がいます。麻生氏は石破氏との関係が良くありませんので、麻生派議員は石破氏の応援には行きにくいのではないかとみられています。
麻生氏は、小泉氏の後見人と言われる菅前首相とも関係が冷えていると言われていますので、小泉氏には行きにくいのではないかと言われています。
――となると高市氏に行きそうですか?
可能性はあると思います。ここはポイントになるので今後も取材していきます。
――小林鷹之氏の支持はどうなっていくのでしょうか
小林鷹之さんは、ある意味分かりやすいです。この人の陣営は中堅・若手議員中心にできています。同じ若手の小泉氏にシンパシーを持っている議員が多いので、小泉さんに行きやすいのではないかという見方もあります。
主義主張でいくと、小林氏は保守系の主張をしていますので、そういう人たちは高市氏の方に回るのではないかという見方もあります。
――続いて林氏の支持はどうなりそうでしょうか?
林氏が所属していたのは、旧岸田派です。その会長である岸田首相は、菅氏との関係が微妙なので、なかなか林氏が小泉氏にまるまる行くというのは難しいのではないかとみられています。旧岸田派の一部若手は小泉氏を応援しているのは事実です。
――石破氏や高市氏の支持に分かれていくという見方もできるのでしょうか?
旧岸田派は自民党の中でも「リベラルな主張をする」グループとして知られています。どちらかというと主張が右よりの高市氏と左よりの旧岸田派の人は、主義主張が違うのではないか、そのため応援するのは難しいのではないかという声も聞こえます。
高市氏に比べれば石破氏は良いようにみえますが、石破氏にまとまっていくかはまだ分かりません。
■決選投票のポイント 河野氏・茂木氏・加藤氏は
――そのほかの3人について、河野氏の支持はどうなっていくのでしょうか?
河野氏は麻生派に所属していて、応援する議員も麻生派議員が多いです。となると、やはり石破氏、菅氏が控える小泉氏を支持するのは難しいのではないかとみられています。
――茂木氏陣営はどうでしょうか
茂木さんは、逆に菅氏と関係が良いとみられているので、小泉氏を支援するのではないかという見方、情報はあります。ただ、陣営全体でまとまって小泉氏支援となるほど単純ではなさそうなので、こちらもまだ分かりません。
――加藤氏の支持はどう回っていくのでしょうか
これもまた人間関係になりますが、加藤氏は菅政権で官房長官を務めたくらいですから関係性があります。加藤氏は小泉氏を応援しやすいのではないか、とみる人も多いです。
ただ、加藤氏の陣営がどうなるかは、まだ分かりません。
◇
まだ投票先を決めていない国会議員も多いです。候補者が演説を一生懸命やると、それで心を打たれることもあれば、失言をしてしまって潮が引くように支持を失ってしまうこともあります。
これからは、9人の候補者の動向がまさに勝敗をわけることになります。
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