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“米も炊いたことなく介護が不安” 妻殺害した87歳夫に懲役8年の実刑判決

日テレNEWS NNN / 2024年9月20日 19時0分

日テレNEWS NNN

足が悪くなった妻を殺害した罪に問われた87歳の夫。裁判で、自分は米も炊いたことがなく介護が不安になったと主張していました。20日、その夫に対し、東京地裁は「身勝手な動機」だとして懲役8年を言い渡しました。

     ◇

吉田春男被告、87歳に20日、東京地裁で言い渡されたのは、懲役8年の実刑判決でした。問われたのは、妻を殺害した罪。そこにいたるまで、家族の間で何があったのでしょうか。

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都内の住宅で、当時81歳だった妻・京子さんと、長男、二男の4人で暮らしていた吉田被告。

京子さんは2022年、転倒して足腰が弱くなって以来、トイレや食事などは自分でできていたものの、買い物などの家事は吉田被告が分担するようになっていたといいます。

ただ、去年の夏ごろからは京子さんの生活態度を巡って口論が増えていったという2人。その理由が…

弁護側(被告人質問、今月13日)

「妻はよく夜中まで起きてテレビを見ていた?」

吉田被告

「はい」

弁護側

「妻は風呂にあまり入らない?」

吉田被告

「そういうことはありましたね」

弁護側

「妻に注意は」

吉田被告

「それはもう…言っても変わりませんので」

吉田被告は、京子さんの日頃の態度に不満を募らせていたといいます。そうした中、信頼していた親戚が亡くなり元気がなくなっていったという吉田被告。去年の秋になり、長男はある相談を受けたといいます。

吉田被告の長男(証人尋問、今月13日)

「自宅を売って老人ホームに入りたいと相談を(父から)受けた」

弁護側

「それに対してあなたは」

吉田被告の長男

「すぐにはできないと言った」

ただ、翌年の春には、仕事を辞めて両親の面倒を見ると伝えたという長男。吉田被告は喜んだものの、その後も寝込むことが多くなったといいます。

吉田被告がその頃に検索したタブレットの履歴には「老人ホーム」「終活」「親の介護」「兄弟」「不仲」との言葉があったといいます。そして去年12月の事件直前、長男が気づいたというのが、父の異変でした。

吉田被告の長男(証人尋問、今月13日)

「(父が)直立してかかとを上下していた」

弁護側

「運動?」

吉田被告の長男

「目がうつろで焦点があってないような感じだったので」

その後も数回、父の同じ行動を見て、長男はいずれ病院に連れて行こうと考えていたといいます。

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そして、事件当日。午後1時ごろ、妻・京子さんに早く昼食を食べるよう声をかけたという吉田被告。京子さんは、「まだ早いんだ」などと言い返したといいます。

口論となった2人。吉田被告は京子さんの肩を押さえるなどした後、首を絞めて殺害したということです。

吉田被告が語ったのは、この日の口論はあくまでも“引き金”。背景にあったのは…

吉田被告(検察側の被告人質問、今月13日)

「介護の問題です。私は家事ができないし、米も炊いたことがない。そういう人が介護するということは生活上、必要なことを要求されてもできない」

いずれ妻の介護が必要になった場合に、自分や息子たちにはできないのではないかという不安。

検察側は、「将来への不安は、想像の域を超えていない。殺害を選んだのは短絡的すぎる」として懲役12年を求刑。弁護側は、「問題行動をするようになった妻をみかねて、突発的に殺した」として懲役5年が相当としていました。

裁判の中で、「全部、私の責任です」と話していた吉田被告。東京地裁は20日、執行猶予なしの懲役8年を言い渡しました。理由については、身勝手な動機に基づく短絡的な犯行などとしています。

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