パンダの「リーリー」と「シンシン」中国へ 副園長が語る“返還の裏側”
日テレNEWS NNN / 2024年9月30日 20時56分
9月29日に中国に返還された上野動物園で暮らした2頭のパンダ、リーリーとシンシン。2頭を長い間見守ってきた副園長が返還までの裏側を語りました。
上野動物園のジャイアントパンダ、オスの「リーリー」とメスの「シンシン」が29日に中国に到着した時の映像が、30日に公開されました。2匹がいたのは、中国ジャイアントパンダ保護研究センターの施設です。新居に入ると歩き回って確認していました。
◇
29日早朝、2頭はケージに入れられ上野を出発し、向かったのは成田空港。生まれ育った中国に帰ることになりました。
空港の展望デッキには約500人ものファンの姿がありました。
「ありがとう!」
「シャンシャンによろしく~!」
午前8時、リーリーとシンシンが中国へと飛び立ちました。
パンダファン
「2頭のことを思えば、それ(返還)が正解だと思うんですけど、やっぱり…すごい悲しいなって」
13年前の2011年2月、上野動物園にやってきた「リーリー」と「シンシン」。
上野動物園 冨田恭正副園長
「本当に私たちのことを励ましてくれた2頭だった」
こう話すのは、2頭をそばで見守ってきた冨田副園長です。
2頭が来園した翌月東日本大震災が発生。その影響で動物園は一時休園になりました。その後、園が再開し、2頭が初公開された時には多くの人が詰めかけました。
上野動物園 冨田恭正副園長
「日本で暮らす人たちに暗い影が落ちている時に、本当に感謝だなと思います」
震災で暗くなっていた日本を明るく照らしたリーリーとシンシン。2017年、リーリーとシンシンとの間にシャンシャンが誕生。2021年には、双子のシャオシャオとレイレイも誕生し、コロナ禍のまっただ中だった日本に明るいニュースを届けてくれました。
しかし今年8月、2026年の返還期限を前に、突然、中国への返還が発表されました。その理由は…
上野動物園 冨田恭正副園長
「特にシンシンが、昨年の9月ごろから、血圧標準値が140から160くらいと言われているんですけど、最初確認した頃は 200を超えるくらいだった」
今は19歳でまもなく高齢となる2頭。薬などで治療するも、大きな改善はみられなかったといいます。このため…
上野動物園 冨田恭正副園長
「今年の春くらいから、(返還期限より)先に返した方がいいんじゃないかという議論に。やっぱり、末永く生きていってもらうためには避けては通れないこと」
輸送に耐えられる健康状態のうちに返還することにしました。
最後の観覧日となった9月28日。早朝から長蛇の列ができていました。「リーリー」と「シンシン」の観覧受け付けは午前8時20分に終了。開園の1時間以上前に締め切られるという異例の事態になりました。
涙を拭いながら出てくるファンたち…
パンダファン
「本当に元気でこれからもいてほしい」
パンダファン
「これはシンシンとシャンシャン作りました。ありがとうという気持ち。みなさんを幸せにしてくれたパンダちゃんたちだったので」
上野動物園 冨田恭正副園長
「これだけたくさんの人たちから関心を寄せていただく、応援をしていただける。本当にすごい力を持つ生き物だと教えてもらいました」
この記事の動画はこちらから再生できますこの記事に関連するニュース
-
上野動物園のジャイアントパンダ2頭、中国へ出発 朝の成田空港に多くのファン
日テレNEWS NNN / 2024年9月29日 12時20分
-
ジャイアントパンダ「リーリー」と「シンシン」上野動物園を出発 中国に返還へ
日テレNEWS NNN / 2024年9月29日 9時22分
-
「リーリー」と「シンシン」、東日本大震災の年に来日し多くの人を癒す…「光をともす存在だった」
読売新聞 / 2024年9月29日 0時30分
-
「リーリー」「シンシン」観覧最終日 大勢のファンが別れ惜しむ 29日に中国返還
日テレNEWS NNN / 2024年9月28日 17時23分
-
上野のパンダ2頭が中国へ…“突然の別れ”惜しむ声 レンタル代は年1億円 日本のパンダ、今後は?【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN / 2024年9月27日 8時54分
ランキング
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください